
端的に言えば「一笑に付す」の意味は「ばかにして相手にしない」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
建設系広報誌の企画や校閲を6年経験したMaicodoriを呼んです。一緒に「一笑に付す」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/Maicodori
建設系広報誌の企画・校閲などに6年以上携わり、言葉の意味や使い方を調べることが得意なWEBライター。年間100冊を超える豊富な読書量も活かし、「一笑に付す」の意味をわかりやすく伝える。
「一笑に付す」の意味は?
「一笑に付す」には、次のような意味があります。
笑って問題にしないでいる。ばかにして相手にしない。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「一笑に付す」
「一笑に付す」は「いっしょうにふす」と読み、笑って問題にしないことや、バカにして相手にしない際に使用します。嘲る(あざける)、見下すといったニュアンスを込めて使用されることが多いですが、そのようなニュアンスが無くとも「笑い飛ばす」といった意味合いでも使用可能です。ただ日常会話の使いどころによっては、この言葉を使われた相手が「馬鹿にされた」と思うこともあるかもしれませんから注意しましょう。
「一笑に付す」の語源は?
次に「一笑に付す」の語源を確認しておきましょう。言葉の通り「一笑」と「付す」がくっついた言葉ですから、それぞれ意味を国語辞典で確認しておきます。なお「付す」は「付する」の変化形ですから、「付する」の意味を見てみましょう。
1. ちょっと笑うこと。にっこりすること。
2. 一つの笑いぐさにすること。また、笑うべきものとして問題にしないこと。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「一笑」
1. ついてゆく。従う。
2. 添える。つけ加える。
3. 与える。交付する。
4. まかせる。託す。また、そのような扱いにする。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「付する」
「一笑」はここでは2つ目の意味で、「一笑」だけで「一笑に付す」とほぼ同じ意味なことがわかりますね。一方で「付す(付する」は4つ目の「そのような扱いにする」という意味だと思われますが、強い意味ではないため、「一笑」に付け加えられた補助的な言葉だと考えられます。
このように「一笑に付す」は、名詞である「一笑」に「付す」を加えたことで動詞化したものと言えるでしょう。
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