
その2「一流の」
「一流の」も「一二を争う」の類義語と言えます。日本の首都・東京もさまざまな課題を抱えているとはいえ、人口の増加率、列車の発着回数の多さなど、まぎれもなくニューヨークやロンドンと肩を並べる世界一流の都市の一つと言えるでしょう。
このように「一二を争う」とか「一流の」と言う場合、必ずしも「断トツ」である必要はありません。「断トツ」とは「断然トップ」の略語ですから、ほかに比べるものがない様子を言います。これに対して「一二を争う」や「一流の」は、ほかにも同じレベルの事柄があり、そこで激しく一位の座をかけて争っている場合に使う言葉です。
その3「折り紙付き」
「折り紙付き」という言葉は、平安時代から公式文書や贈呈品の目録として用いられた半分に折った紙が由来とされています。その後、江戸時代には美術品や刀剣などの工芸品についた鑑定書を「折り紙」と言うようになりました。そこから品質が確かなものとして保証されているものを「折り紙付き」と言うようになったのです。
「折り紙付き」のものは一つとは限りません。この点からも「一二を争う」の類義語と言えます。なお「折り紙付き」は、保証つきという意味で物だけではなく人に対しても使われるようになりました。
「一二を争う」の対義語は?
次に「一二を争う」の対義語を見ていきましょう。
その1「後塵を拝する」
「後塵を拝する」とは人に後れを取って、追いかける立場になることを表しています。先を行く人の後ろについていくことになりますから、馬や馬車の立てるほこりをかぶることになることからできあがった言葉です。とても「一二を争う」ことはできないでしょう。
その2「どんじり」
「どんじり」を漢字で書くと「どん尻」です。お尻が人間の体の終端に近い部分にあるように「どんじり」とは最後尾や最後のほうを指します。物事の最後を「お尻」と言うようなものです。「先頭」の対極にある言葉ですから「一二を争う」の反対の言葉だと言えます。
その3「ビリ」
「ビリ」とはお尻のことです。したがって先に挙げた「どんじり」と意味は同じになります。また「芸妓」や「娼妓」を指す俗語としても使われているようです。中国では娼婦のことを「ぴい」と言いますから、それが転じて「芸妓」や「娼妓」を意味する言葉になったという説があります。
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