
その2「柔らかい」
「柔らかい」は外からの刺激に容易に反応する融通性のある様子を表します。「体操選手の体はやわらかい」「少年はやわらかな身のこなしで跳びのいた」は物理的に柔軟だという意味、「課長の奥さんは物腰だやわらかで感じがいい」は比ゆ的な用法。「先生は学者だが頭がやわらかい」の「頭がやわらかい」は慣用句で、あまり既成の観念にとらわれず自由に考えられる能力があるという意味、「彼も年をとってだいぶあたりがやわらかくなった」の「あたりがやわらかい」も慣用句な表現で、相手に与える印象がやさしいという意味です。
「怒られるかと覚悟していたが、父の表情はやわらかだった」は怒った顔をしていない、微笑んでいるという意味、「この出版社はやわらかい本も作る」の「やわらかい本」は通俗的な内容の本という意味です。この「やわらかい」は「やわらか」に置き換えられません。この「やわらかい」は「しなやか」に似ていますが、「しなやか」では柔軟さとともに弾力の暗示があります。また「なよやか」にも似ていますが、「なよやか」には弱さの暗示があり、「やわらかい」の客観的な表現と異なりますよ。
「block the way」
「block the way」は「道を塞ぐ」という意味です。「I’m aware he’s blocking a wise path the way」で「彼が賢路を塞いでいることは承知の上だ」と言い表すことができますよ。
「賢路を塞ぐ」を使いこなそう
この記事では「賢路を塞ぐ」の意味・使い方・類語などを説明しました。「賢路を塞ぐ」は無能な者が官職にとどまって賢者の昇進を邪魔するという意味の慣用句だと解説しましたね。ちなみに「賢路を塞ぐ」と同意義の言葉に「せこい」が挙げられます。「せこい」は細かいことに執着するのが不快な様子を表しますよ。また、芸人の世界の隠語から共通語化した語。俗語的で日常会話中心に用いられ、かたい文章中では用いられません。「せこい」は「みみっちい」に近いですが、「みみっちい」が消費のスケールが異常に小さいことを暗示するのに対して、「せこい」では細かいことに執着して欲望を満たすという意味で、蓄財の仕方の方に視点のある点が異なります。