その2「まことしやか」
「まことしやか」は「彼はまことしやかな遅刻の言い訳をでっちあげた」「その陳述はまことしやかで、みんなだまされた」などのように言動がまるで真実であるかのような様子を表します。「まことしやか」は真実でないことを真実らしく見せかけることにポイントがあり、真実や、真実でないかどうか確信のもてないものについては用いられません。また、「まことしやか」には真実でないことを真実と偽る悪意の暗示があり、余儀なく偽っている場合には用いないことが多い。したがって「医者はがん患者にまことしやかにニセの病名を教える」は誤用となり、正しくは「医者はがん患者にもっともらしくニセの病名を教える」となります。
その3「もっともらしい」
「もっともらしい」は「彼女は仕事の失敗をもっともらしく言い訳した」「彼のうそはもっともらしかったので、みんなだまされた」などのようにいかにも理屈が通っているように見える様子を表します。「…らしい」は確実性の高い推量を表す、形容詞を作る語尾。「もっともらしい」は外見が正当で理屈が通っているように見える点にポイントがあり、しばしば実体と異なる不審の暗示があります。ただし、「まことしやか」ほど悪意の暗示は少なくやや客観的なので、「子供のくせにもっともらしい顔で話を聞くのが、なんともおかしい」のように主体の意図に関係なく、外見が道理のわかっているように見えるというだけの意味で用いられることもありますよ。
「傾城に誠なし」の対義語は?
「傾城に誠なし」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。
その1「正しい」
「正しい」はあるべき姿・標準などにかなっている様子を表しますよ。「非行から立ち直ってただしい道を進む」「彼はおこないただしい人間だ」は人道的・道徳的にみて好ましいという意味、「こちらの情報のほうがただしい」は正確だという意味、「機械のただしい操作方法を習う」「薬はただしく飲みましょう」は適切だという意味、「彼女は由緒ただしい家柄の出だ」は筋道がはっきりしているという意味、「この時計はただしい」「ただしい敬語の使い方を身につけたいものだ」は標準に合致しているという意味です。
その2「涙もろい」
「涙もろい」は「田舎の祖父は年とってなみだもろくなった」「彼女はなみだもろくてすぐもらい泣きする」などのように簡単に感動してすぐ泣くような性格を表します。自分にとってそれほど切実でない事柄について、簡単に感動して涙を流す性質を言う語。「涙ぐましい」にも通じますが、簡単に感動して涙を流すことをプラスに評する日本文化ならではの語ということができます。ほんとうに切実な事柄に接したときに泣く場合には、「涙もろい」を用いないことが多いでしょう。
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