この記事では「櫛の歯を挽く」について解説する。
端的に言えば「櫛の歯を挽く」の意味は「物事が頻繫に引き続いて絶えないたとえ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「櫛の歯を挽く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「櫛の歯を挽く」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「櫛の歯を挽く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「櫛の歯を挽く」の意味は?

「櫛の歯を挽く」には、次のような意味があります。

《櫛の歯は、一つ一つのこぎりでひいて作ったところから》物事が絶え間なく続く。

出典:コトバンク

「櫛の歯を挽く」は櫛の歯を作るとき次々にひいて削っていくことから、物事が絶え間なく次々と続くことを意味する慣用句です。

「櫛の歯を挽く」の語源は?

次に「櫛の歯を挽く」の語源を確認しておきましょう。それでは「櫛」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「櫛」はきちんとそろった竹のふしを意味する「節」と、「木」とを合わせた字。竹のふしを切ろ落とし、それにギザギザの歯を刻んだくしを意味します。

\次のページで「「櫛の歯を挽く」の使い方・例文」を解説!/

「櫛の歯を挽く」の使い方・例文

「櫛の歯を挽く」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。

1.検察官は最近、あすとろ出版社ではくしの歯を挽くように事故や問題が起こると思った。

2.ことわざ専門委員会では、くしの歯を挽くようにデイリーなフレーズやワードが研究会において審査される。

3.キーワード週間ランキング掲示板にはくしの歯を挽くようにお知らせが流れた。

例文1からは不祥事が頻繁に起きている出版社であることが伺えますし、例文2からは研究熱心な会員たちが日々研鑽を積んでいる様子が伝わってきます。また、例文3からは速報が絶え間なく流れている様子が読み取れますね。

「櫛の歯を挽く」の類義語は?違いは?

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「櫛の歯を挽く」と似たような意味をもつ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「次々」

「次々」は物事が続いて起こる様子を表す表現。例えば「かっれは難題をつぐつぐ持ち込んでくる」「店員は商品をつぎつぎに取り出して見せた」「選手たちはつぎつぎとゴールインして来た」などのように述語にかかる修飾語として用いられます。また、異なる物事が続いて起こる様子を客観的に表しますよ。

「次々」は「後から後から」や「それからそれへと」などに似ていますが、「後から後から」は物事が起こるたびにこれで終わるのかという話者の予想がはたらいている暗示がありますし、「それからそれへと」は物事に規則正しい順序の暗示がなく、しばしばアトランダムに予想もしない物事に移り変わる暗示があります

\次のページで「その2「後から後から」」を解説!/

その2「後から後から」

「後から後から」は終わることなく続く様子を表し、「彼の仕事を点検すると、ミスがあとからあとから出てくる」「その店にはお客があとからあとからつめかけた」などのように動詞にかかる修飾語として用いられますもうこれで終わりかと思うと終わらずに次々と続いて起こる様子を表し、一つの物事が起こるたびにそこで終わるかという話者の予想(期待)が働いている暗示がありますよ。

現象としては「次々と」に似ていますが、「次々と」は異なる物事が続いて起こる様子を表し、一つ一つも物事について終了を予想する暗示はありません。したがって「あとからあとからミスが見つかる」は「もうこれで終わりかこれで終わりかと思っているのに、際限もなくミスが見つかる」、「次々とミスが見つかる」は「一つまた一つと見つかる」というニュアンスになります。

その3「入れ替わり立ち代わり」

「入れ替わり立ち代わり」は大勢の人間が次々に姿を現す様子を表しますよ。例えば「その店には客がいれかわりたちかわりやって来る」「ファッションショーでは美人のモデルがいれかわりたちかわり現れてお客の目を引いた」などのように「来る・現れる」など出現を表す動詞にかかる修飾語として用いられます

また、人間の出現の頻度が高いことを表しますが、複数の人間が交代して出現するという暗示があり、一人の人間のひんぱんな出入りや、出現以外の行動についてはふつう用いられません。したがって「彼は入れ替わり立ち代わり会社と液を往復した」「女の子たちは入れ替わり立ち代わりアイドルに握手した」は誤用となり、正しくは「彼はひっきりなしに会社と液を往復した」「女の子たちは次々にアイドルに握手した」となります。

「櫛の歯を挽く」の対義語は?

「櫛の歯を挽く」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「時に」

「時に」は例外的な物事が起こる可能性が存在する様子を表す副詞。例えば「彼はいつも約束の時間を守るが、ときに何の連絡もなしにすっぽかすことがある」「人はときに悪いと知りつつ悪事を犯すものだ」などのように述語にかかる修飾語として用いられます。ややかたい文章語で、日常会話にはあまり登場しません。また、頻度そのものに視点はなく例外の起こる可能性を暗示します

この点で頻度が少ないことを表す「たまに」「ときたま」などと異なるでしょう。この「時に」は「時として」にも似ていますが、「時として」は頻度が少ないことを考慮に入れる様子を表し、例外的であるかどうかには言及しません。そのため「人は時に悪いと知りつつ悪事を犯す」は「通常は悪いこととは気づかずに悪事を犯す」、「人は時として悪いと知りつつ悪事を犯す」は「確信犯はたまにいる」というニュアンスになります。

その2「ばらばら」

「ばらばら」は統合されているべきものが独立して個別に存在する様子を表し、慨嘆の暗示がありますよ。例えば「自由市場のリンゴはサイズがばらばらだ」は大きさ、「縦割り行政の弊害でばらばらに道路を掘り返す」は時期、「ワゴンの商品にはばらばらの値段がついていた」は値段、「四つの暗に対して意見はばらばらに分かれた」「みんな言いたいことをばらばらに行っているだけじゃ、ちっとも前に進まないじゃないか」は意見、「うちの家族は帰宅時間がばらばらだ」は時間が同じでなく個別であるという意味です。

この「ばらばら」は「まちまち」に似ていますが、「まちまち」は個々の要素が非常に隔たっていて統一のしようがない懸隔と困惑の暗示がありますよ。そのため「うちは家族の帰宅時間がばらばらだ」は「夕飯が一緒に食べられない」、「うちは家族の帰宅時間がまちまちだ」は「それぞれが勝手な生活をしている」というニュアンスになります。

「櫛の歯を挽く」の英訳は?

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「櫛の歯を挽く」の英訳にはどのようなものがあるのでしょうか。英語で「櫛の歯を挽く」と言い表す時の例をさっそく見ていきましょう。

\次のページで「「sharpen one's teeth with a comb」」を解説!/

「sharpen one's teeth with a comb」

「sharpen one's teeth with a comb」は「櫛で歯を研ぐ」という意味です。「The customers come one after another, like sharpen one's teeth with a comb」で「櫛で歯を研ぐように、お客様が次々とやってくる」と訳すことができますよ。

「櫛の歯を挽く」を使いこなそう

この記事では「櫛の歯を挽く」の意味・使い方・類語などを説明しました。「櫛の歯を挽く」は櫛の歯を作るとき次々にひいて削っていくことから、物事が絶え間なく次々と続くことを意味する慣用句だと解説しましたね。ちなみに「櫛の歯を挽く」と似たような表現の語に「ひっきりなし」が挙げられます。「ひっきりなし」は動作や行為の頻度が非常に高い様子を表す副詞。実際の動作や行為の頻度が非常に高くて、しばしば切れ目がないというニュアンスで、話者の慨嘆の暗示がこもります。例えば「今日は朝から電話がひっきりなしだ」などのように用いますよ。

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国語言葉の意味

【慣用句】「櫛の歯を挽く」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説!

この記事では「櫛の歯を挽く」について解説する。
端的に言えば「櫛の歯を挽く」の意味は「物事が頻繫に引き続いて絶えないたとえ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
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仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「櫛の歯を挽く」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「櫛の歯を挽く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「櫛の歯を挽く」の意味は?

「櫛の歯を挽く」には、次のような意味があります。

《櫛の歯は、一つ一つのこぎりでひいて作ったところから》物事が絶え間なく続く。

出典:コトバンク

「櫛の歯を挽く」は櫛の歯を作るとき次々にひいて削っていくことから、物事が絶え間なく次々と続くことを意味する慣用句です。

「櫛の歯を挽く」の語源は?

次に「櫛の歯を挽く」の語源を確認しておきましょう。それでは「櫛」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「櫛」はきちんとそろった竹のふしを意味する「節」と、「木」とを合わせた字。竹のふしを切ろ落とし、それにギザギザの歯を刻んだくしを意味します。

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