この記事では「技神に入る」について解説する。
端的に言えば「技神に入る」の意味は「~~」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「技神に入る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「技神に入る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「技神に入る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「技神に入る」の意味は?

「技神に入る」には、次のような意味があります。

技量・技術がたいへん優れており、人間業ではない・神がかった境地にいる、という意味で用いられる言い方。「技(ぎ)、神に入る」と読む。

出典:コトバンク

「技神に入る」は技術がたいへん優れており、人間の技とは思えないほどの境地に達しているという意味の慣用句です。

「技神に入る」の語源は?

次に「技神に入る」の語源を確認しておきましょう。それでは「神」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「神」は神を表す文字と、稲光の意味の音を示す「申」とを合わせた字。天の神、雷神を表します。後に、ひろく「かみ」、また人の力の及ばない「不思議なちから」の意味にも使われるようになりました。

\次のページで「「技神に入る」の使い方・例文」を解説!/

「技神に入る」の使い方・例文

「技神に入る」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。

1.週刊少年ジャンプに掲載されているギャグ漫画キン肉マンは超人で、技神に入る必殺技でちびっ子を魅了するヒーロー。ジョジョの奇妙な冒険や孫悟空に匹敵する作品だと思う。

2.流星のように現われた空条承太郎はワールドチャンピオンボクサーでスターだ。技神に入るフィニッシュブローは迫力があり、強敵にも数々の勝利をおさめてきた。

例文1からは漫画の中のヒーローは、いつの世も子供たちの注目の的であることが読み取れますね。まら、例文2からは無敵のヒーローのブローは観衆を沸かせる必殺技であることが伺えます。

「技神に入る」の類義語は?違いは?

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「技神に入る」と似たような意味をもつ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「神々しい」

「神々しい」は神聖で気高い様子を表しますよ。「潔く罪を認める彼の表情はこうごうしかった」「神社の社殿にはこうごうしい雰囲気が満ちていた」のように外見に見えるものの神聖な気高さについて用いられることが多く、「彼は念力でスプーンが曲がったのを見て、なにかこうごうしい気分になった」のように気分などについて用いることは多くないのです

また、「神々しい」は「神が宿っているような」「まるで神のような」というニュアンスのある宗教的な暗示の強い語で、その気高さに対する感動が暗示されています。したがって、日常的な品の良さを一般的に述べる場合などにはあまり用いられません

\次のページで「「神々しい」を使用する際のポイント」を解説!/

「神々しい」を使用する際のポイント

そのため「彼女の和服姿はこうごうしい」は誤用となり、正しくは「彼女の和服姿は上品だ」となります。人間性に品位があって、行動が高潔である場合には「気高い」を用いるほうが一般的です

ただし、「気高い」は状態を客観的に評した語であって、話者の感動までは暗示されていません。また、神聖で厳粛である意味では「おごそか」にも似ていますが、「おごそか」は他を圧倒する厳粛さを暗示し、「神々しい」に暗示されている気高さへの感動はありません。したがって「こうごうしく開会宣言をする」は誤用となり、正しくは「おごそかに開会宣言をする」となります。

その2「気高い」

「気高い」は気品があって高貴な様子を表します。ふつう、「彼女は難民救済に尽くすけだかい心の持ち主だ」のように推奨すべき心情など、抽象的なものについて用いることが多く、「長いマントを引いて国会開会宣言に現れた女王の姿はけだかかった」のように具体物の品位の高さについて用いることはあまり多くはない「気高い」はもともと身分の高い人の高貴さについて用いた語ですが、平等は現代社会になっても、推奨すべき行為や心情について、身分の高い人に対して用いた語を用いて評価するのはいかにも日本的です。

品格の高い様子を表す点では「神々しい」に似ていますが、「神々しい」はおもに外見の品格に高さについての感動を表し、目に見えないものについては用いられない点が異なりますよ。

「技神に入る」の対義語は?

「技神に入る」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「まとも」

「まとも」は標準的である様子を表します例のように打消しや否定の表現を伴うことが多いでしょう。

「まともな神経じゃとうてい渡れない世界だ」「何億も脱税して平気だなんて、政治家の金銭感覚はまともじゃない」は神経や金銭感覚が(責任や恥を感じるような繊細な)普通人のものでなく、もっと図太いという意味、「兄貴に比べれば弟はよほどまともだ」は肯定文で用いられた例で、弟の方が社会人としての標準にかなっているという意味で、この文には兄が正業についていないか、性格などに異常があるという暗示があります

「まとも」を使用する際のポイント

「どうせまともな金じゃないにちがいない」の「まともな金じゃない」も同様で、正当に働いて得た金ではなく、不正な手段によって得た金であることを示しますよ。「戦争中の人間だからまともに学校へ行っていない」は正規の期間、教育を受けていないという意味

この「まとも」は「まじめ」に近いですが、「まじめ」が誠意の暗示を持つのに対して、「まとも」には誠意の暗示はなく、その社会の標準に合致しているニュアンスをもつ点で異なります。したがって「彼はまともな青年で娘の婿にふさわしい」は誤用となり、正しくは「彼はまじめな青年で娘の婿にふさわしい」となりますよ。

その2「普通」

「普通」は平均的である様子を表し、あまり述語にかかる修飾語にはなりません特殊な場合と対置される世間一般の平均を表しますが、全体として極端なものが含まれている暗示はあります。例えば「体の小さい力士はふつう以上の努力が必要だ」は努力の平均的な程度という意味、「人気歌手の彼も素顔はごくふつうの若者だ」は芸能人でない平均的な人間という意味、「ふつうの人間はプロの練習にはついていけない」はプロでない平均的な人間という意味これらは客観的な表現で特定の感情を暗示しません

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「普通」を使用する際のポイント

「お前も留学したいよな?ふつう」は応答詞として用いられる現代語用法で、若い人中心に用いられます希望や感想をたずねる質問に対して、肯定でも否定でもない不確実な心理を表し、無関心・無気力の暗示があるでしょう。この「普通」は「当たり前」や「つね」に似ていますが、「当たり前」は対象が特別な状態でなく価値がないことについて軽い侮蔑や謙遜の暗示がありますし、「つね」は全体が同じように平均的であるというニュアンスで、極端なものの存在は暗示しません

「技神に入る」の英訳は?

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「技神に入る」の英訳にはどのようなものがあるのでしょうか。英語で「技神に入る」と言い表す時の例をさっそく見ていきましょう。

「fine workmanship」

「fine workmanship」は「細かい技量」という意味です。「He fine workmanship the gods of technology」で「彼は技神に入るほどの優れた技術者だ」と書き表すことができますよ。

「技神に入る」を使いこなそう

この記事では「技神に入る」の意味・使い方・類語などを説明しました。「技神に入る」は技術がたいへん優れており、人間の技とは思えないほどの境地に達しているという意味の慣用句だと解説しましたね。ちなみに「技神に入る」と似たような意味の表現に「なんと」が挙げられます。「なんと」は状態や程度がはなはだしいことに特に言及する様子を表しますよ。よりくだけた場面では「なんて」を用いますが、「なんと」は「なんて」よりも冷静で標準的なニュアンスがあります

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国語言葉の意味

「技神に入る」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説!

この記事では「技神に入る」について解説する。
端的に言えば「技神に入る」の意味は「~~」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「技神に入る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

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仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「技神に入る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「技神に入る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「技神に入る」の意味は?

「技神に入る」には、次のような意味があります。

技量・技術がたいへん優れており、人間業ではない・神がかった境地にいる、という意味で用いられる言い方。「技(ぎ)、神に入る」と読む。

出典:コトバンク

「技神に入る」は技術がたいへん優れており、人間の技とは思えないほどの境地に達しているという意味の慣用句です。

「技神に入る」の語源は?

次に「技神に入る」の語源を確認しておきましょう。それでは「神」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「神」は神を表す文字と、稲光の意味の音を示す「申」とを合わせた字。天の神、雷神を表します。後に、ひろく「かみ」、また人の力の及ばない「不思議なちから」の意味にも使われるようになりました。

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