国語言葉の意味

なぜ反語?「何をか言わんや」の意味・例文・類義語などを日本放送作家協会会員がわかりやすく解説

1.飲食店でアルバイトをしたことさえないのに、カフェを始めるなんて何をか言わんやだ。
2.2度離婚したのに、またヒモのような男と結婚するなんて何をか言わんやだ。
3.どうしても一人暮らしをしたいというから渋々許可したのに、たった1カ月で部屋をゴミ屋敷にするなんて何をか言わんやだ。

最初の例文は、飲食店経営のことを何も知らないのに店をやりたいという無謀さにあきれたという意味です。2番目の例文は、過去の経験がありながらまた同じような過ちを繰り返そうとしていることにあきれ返ったという意味ですね。

3番目の例文は、本人のたっての希望ではじめた一人暮らしなのに、結局身の周りのことができていないことに、あきれてものも言えないということです。驚きや怒りが大きいと、文句を言いたくても言葉が出ない状態になってしまうのですね。

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『論語』に「子曰。天何言哉。四時行焉。百物生焉。天何言哉。」というくだりがある。孔子は「天は何を言うか。何も言わないが、四季は移り変わり多くのものが生まれる。天は何を言うか。何も言いはしない」と言った、という内容だ。「天何言哉」は「天何をか言わんや(てんなにをかいわんや)」と読む。ここではあきれるという意味はないが、反語で何も言わないことが強調されているぞ。

「何をか言わんや」の類義語

image by iStockphoto

「何をか言わんや」と同じような意味あいの言葉には、どのような言葉があるのでしょうか。

「開いた口が塞がらない」:あきれ返った状態

「開いた口が塞がらない」「あきれ返った状態」「あきれてものも言えない」という意味です。何か素晴らしいことに感動してわれを忘れた場合も、口をぽかんと開けてしまうことがありますね。しかし「開いた口が塞がらない」という言葉は、現在では相手の言動にただ驚くのではなく、あきれるというニュアンスで使われることがほとんどですので、感動した場合には使わないほうが無難でしょう。

「二の句が継げない」:あきれてものが言えない

「二の句」とは「次に言い出す言葉」のこと。「告げない」ではなく「継げない」と書くのは、最初の発言のあとを受けて続ける、つまり「継ぐ」という意味だからです。「二の句が継げない」「あきれてものが言えない」「あきれたり驚いたりして次に言い出す言葉を失う」という意味ですよ。「彼女のあまりに身勝手な主張に二の句が継げない」といった使い方をします。

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