端的に言えば一癖も二癖もあるは「扱いにくい」という意味ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「一癖も二癖もある」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/柊 雅子
イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊 雅子。「一癖も二癖もあるとはまさにあなたのこと」と家族全員に言われた彼女が「一癖も二癖もある」について解説する。
「一癖も二癖もある」の意味は?
「一癖も二癖もある」には、次のような意味があります。
1.普通の人と大いに異なっていて、気を抜けない感じを強く抱かせる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「一癖も二癖もある」
あなたの癖は何でしょう?
「無くて七癖」と言いますが、私は口ごもった時に必ず「う~ん…何て言うか…あのね…」と言ってしまいます。これが私の口癖ですね。
誰にでも癖の一つや二つはあるものです。ところがこれが「一癖も二癖もある」という表現になると「癖」が表す意味合いが変わってきます。「癖の一つや二つ」の「癖」は習慣のように繰り返される言動パターンのこと。私の口癖がこの「癖」です。
次に「一癖も二癖もある」という表現ですが、この慣用句は「普通の人と大いに異なっていて、気を抜けない感じを強く抱かせる」という意味でしたね。「気を抜けない感じを強く抱かせる」ということは「親しみやすくはない」ということを表しています。そうなると「一癖も二癖もある」はマイナスイメージを伴った言葉ということになりますが、この慣用句は「個性的」という意味でも用いられるのでマイナスイメージのみでとらえることはできません。
「一癖も二癖もある」の語源は?
次に「一癖も二癖もある」の語源を確認しておきましょう。
「癖」には「口癖」のように私たちが一般的に用いる「癖」の他に「独特の性質や気質」という意味があります。この「独特の性質や気質」という意味の「癖」がいくつもあるという表現を用いて、その特異性を強調しているのが「一癖も二癖もある」なのです。
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