この記事では「我が意を得る」について解説する。

端的に言えば我が意を得るの意味は「自分の思い通り」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

塾講師を経験したナギセを呼んです。一緒に「我が意を得る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ナギセ

塾講師経験のあるライター。もちろん国語も教えた経験あり。国語好きを生かし、楽しく解説する。

「我が意を得る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「我が意を得る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「我が意を得る」の意味は?

「我が意を得る」には、次のような意味があります。

自分の考えにぴったり合う。自分の思い通りだ。我が意を得たり。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「我が意を得る」

 

まさに自分が思った通りだ。

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「我が意を得たり」

「我が意を得る」こんな状況になったら嬉しいですね。人生とはなかなかそうはいかないものですが。この言葉は、慣用句の中で、感激・安堵・喜びを表す立場にあります。見込みが当たったことに気を良くする当人個人の感情を示しているのです。

「我が意を得る」の語源は?

次に「我が意を得る」の語源を確認しておきましょう。

「我が意」というのは自分の考えのことです。「得る」というのは手に入れるということ。自分の考えを手に入れる=思った通りになる、と転じたようですね。もともと持っているはずの自分の考えをさらに手に入れるということで、思った通りになるとなるのでしょう。

「我が意を得る」の使い方・例文

「我が意を得る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.世間での評判を聞き、彼は我が意を得たとばかりに上機嫌だった。

2.会議での提案が上手くいき、社内での評価は我が意を得るものとなった。

3.この協会で我が意を得る方法を思いついた。

例文から、主語にあたる人物が気をよくしているようすが伝わります。ただ、あくまでも当人の感情の話で、「自他ともに認める」という言葉のような、人々の共通の認識ではないことはきちんとおさえておきたいですね。我が意を得ているように見えて、実はそれも誰かの大きな計画のうちだったり、最後にどんでん返しが待っていたり。本来はなかなか思い通りにいかないものです。

「我が意を得る」の類義語は?違いは?

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「我が意を得る」の意味はわかりましたか?次は類義語を見ていきましょう!

その1「意のまま」

こちらも慣用句です。思うとおりという意味があります。「意」で気持ち、考え、意見という意味です。「まま」はある状態や動作が保たれていることを表します。その「意」のままなので、気持ちのまま、考えのままとなるのです。使い方としては意のままにする、意のままになる、などと表現することが多いですね。

1.責任はとるから、と彼は意のままに進めた。

2.一国の王ともなれば、富も権力も意のままだ。

3.祖母は編み物が得意で、意のままに毛糸を操る。

割と使われる表現ですよね。学習書や実用書など、書籍のタイトルなんかにもよく使われています。みなさんも書店で探してみてはいかがですか?

その2「思うつぼ」

こちらは、意図した状態、たくらんだとおり、という意味があります。比較的よく聞く表現ではないでしょうか。「つぼ(壺)」というのは、ばくちでさいころを入れて振る道具のことを表します。そこから来ている言葉ですね。

1.すぐに態度に出てしまい、相手の思うつぼにはまってしまう。

2.これでは相手の思うつぼだ。

3.派手な服装に気をとられていては相手の思うつぼだ。

小説などではよく使われる表現だと思います。他にも歌の中でも使われることもありますね。たとえば、Janne Da Arcさんの『survive?』という楽曲の中にも「ここでくたばれば思うつぼ」という歌詞が登場します。ぜひ聞いてみてくださいね!

\次のページで「「我が意を得る」の対義語は?」を解説!/

「我が意を得る」の対義語は?

では続いて対義語を見ていきましょう。どんなものがあるでしょうか。

その1「ままならない」

こちらは聞いたことがあるのではないでしょうか。思い通りにならないことを表す言葉です。ここでの「まま」に思い通りの状態という意味があります。慣用句で、「儘にならぬが浮世の常」というものがあり、何事も思い通りにならないのがこの世の常であるという意味です。

1.番組の収録がままならず、夜明けまでかかった。

2.編集がままならない。

3.ままならない現実に涙する。

思い通りにならないと時間がかかったり、焦ったりしますよね。そんな状態や気持ちを表すのにぴったりな言葉です。ぜひ使ってみましょう!

その2「隔靴掻痒(かっかそうよう)」

思うようにならないでもどかしいことを表します。この言葉は聞いたことのない方も多いかもしれません。掻痒というのは、痒い所を掻くという意味です。隔靴は靴を隔てて、つまり隔靴掻痒は、靴の上から足の痒い所を掻くということになります。靴の上からでは思うように掻けず、痒みがおさまりませんよね。そういったところからきています。

1.この映画は隔靴掻痒の感があった。

2.友達に勧められてインストールしたアプリだったが、隔靴掻痒な部分だらけでいまいちだった。

3.抱いた隔靴掻痒の感を引きずる。

「隔靴搔痒」は「隔靴搔痒の感」といった形で使われることも多くあります。もどかしい映画作品、結構ありますよね。そんなところが魅力という作品もあるのですが。ぜひレビューなんかを書くときに使ってみてください。

また、進化する必要のあるものの場合は、隔靴掻痒な部分に違和感をおぼえるということが現代でとても大事なことだと思います。

「我が意を得る」の英訳は?

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英語で「我が意を得る」は何というのでしょうか?詳しく見ていきましょう!

その1「heartily agree with sb in his view」

「heartily」は心から、すっかりなどといった意味があります。「agree with」は同意であることを表し、「view」は意見や見解、目的や計画といったことを表すのです。その為、意見や見解に心から同意である=我が意を得るという風な形になります。以下の例文を見てみましょう。

\次のページで「その2「be highly satisfactory to one」」を解説!/

I heartily agree with him in his views.

(彼の意見は大いに我が意を得たものである。)

出典:新和英辞典 第五版 (研究社)「我が意」

その2「be highly satisfactory to one」

こちらは先程とは少し異なって、事が主語となるような英文にするときに使われます。たとえば以下の例文をご覧ください。

The incident developed  in a direction that was very satisfying to me.

(事件は我が意を得たりと思わせる方向に展開した。)

出典:新和英辞典 第五版(研究社)「我が意」

ここでは事件、The incidentが主語になっています。英文を書くときには主語に気をつけて書かなければいけませんね。

「我が意を得る」を使いこなそう

この記事では「我が意を得る」の意味・使い方・類語などを説明しました。なかなか耳なじみのない言葉かもしれませんが、意味はさほど難しくないですよね。この言葉を知っていれば、自分の語彙力に少し自信がつくと思いますよ!ぜひ覚えてくださいね!

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国語言葉の意味

【慣用句】「我が意を得る」の意味や使い方は?例文や類語を元塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「我が意を得る」について解説する。

端的に言えば我が意を得るの意味は「自分の思い通り」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

塾講師を経験したナギセを呼んです。一緒に「我が意を得る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ナギセ

塾講師経験のあるライター。もちろん国語も教えた経験あり。国語好きを生かし、楽しく解説する。

「我が意を得る」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「我が意を得る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「我が意を得る」の意味は?

「我が意を得る」には、次のような意味があります。

自分の考えにぴったり合う。自分の思い通りだ。我が意を得たり。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「我が意を得る」

 

まさに自分が思った通りだ。

出典:明鏡国語辞典 第二版(大修館書店)「我が意を得たり」

「我が意を得る」こんな状況になったら嬉しいですね。人生とはなかなかそうはいかないものですが。この言葉は、慣用句の中で、感激・安堵・喜びを表す立場にあります。見込みが当たったことに気を良くする当人個人の感情を示しているのです。

「我が意を得る」の語源は?

次に「我が意を得る」の語源を確認しておきましょう。

「我が意」というのは自分の考えのことです。「得る」というのは手に入れるということ。自分の考えを手に入れる=思った通りになる、と転じたようですね。もともと持っているはずの自分の考えをさらに手に入れるということで、思った通りになるとなるのでしょう。

「我が意を得る」の使い方・例文

「我が意を得る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.世間での評判を聞き、彼は我が意を得たとばかりに上機嫌だった。

2.会議での提案が上手くいき、社内での評価は我が意を得るものとなった。

3.この協会で我が意を得る方法を思いついた。

例文から、主語にあたる人物が気をよくしているようすが伝わります。ただ、あくまでも当人の感情の話で、「自他ともに認める」という言葉のような、人々の共通の認識ではないことはきちんとおさえておきたいですね。我が意を得ているように見えて、実はそれも誰かの大きな計画のうちだったり、最後にどんでん返しが待っていたり。本来はなかなか思い通りにいかないものです。

「我が意を得る」の類義語は?違いは?

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「我が意を得る」の意味はわかりましたか?次は類義語を見ていきましょう!

その1「意のまま」

こちらも慣用句です。思うとおりという意味があります。「意」で気持ち、考え、意見という意味です。「まま」はある状態や動作が保たれていることを表します。その「意」のままなので、気持ちのまま、考えのままとなるのです。使い方としては意のままにする、意のままになる、などと表現することが多いですね。

1.責任はとるから、と彼は意のままに進めた。

2.一国の王ともなれば、富も権力も意のままだ。

3.祖母は編み物が得意で、意のままに毛糸を操る。

割と使われる表現ですよね。学習書や実用書など、書籍のタイトルなんかにもよく使われています。みなさんも書店で探してみてはいかがですか?

その2「思うつぼ」

こちらは、意図した状態、たくらんだとおり、という意味があります。比較的よく聞く表現ではないでしょうか。「つぼ(壺)」というのは、ばくちでさいころを入れて振る道具のことを表します。そこから来ている言葉ですね。

1.すぐに態度に出てしまい、相手の思うつぼにはまってしまう。

2.これでは相手の思うつぼだ。

3.派手な服装に気をとられていては相手の思うつぼだ。

小説などではよく使われる表現だと思います。他にも歌の中でも使われることもありますね。たとえば、Janne Da Arcさんの『survive?』という楽曲の中にも「ここでくたばれば思うつぼ」という歌詞が登場します。ぜひ聞いてみてくださいね!

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