この記事では「一服の清涼剤」について解説する。

端的に言えば一服の清涼剤の意味は「気持ちを爽やかにしてくれる事柄」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

塾講師を経験したナギセを呼んです。一緒に「一服の清涼剤」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ナギセ

塾講師経験のあるライター。もちろん国語も教えた経験あり。国語好きを生かし、楽しく解説する。

「一服の清涼剤」の意味や語源・使い方まとめ

image by PIXTA / 62438063

それでは早速「一服の清涼剤」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「一服の清涼剤」の意味は?

「一服の清涼剤(いっぷくのせいりょうざい)」には、次のような意味があります。

清涼剤のように、気持ちをさわやかにしてくれる事柄。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「一服の清涼剤」

「一服」とは、煙草を吸うときによく使われる表現ですね。お茶やたばこを1回のむことや、休息することを指します。「一服」だけなら使ったことのある方も多いでしょう。

「一服の清涼剤」は慣用句の中では、事態の変遷を表すような存在になります。清涼剤のおかげで、心もちが変わり、事態も変わっていくのです。疲れているときやいらだっているときなどに、清涼剤のようなさわやかな気持ちにしてくれるものはありがたいですよね。

「一服の清涼剤」の語源は?

次に「一服の清涼剤」の語源を確認しておきましょう。

「一服」については先程触れましたよね。実はそれ以外にも、粉薬1回分、という意味もあるんです。薬をのむことを服用する、といいますよね。また、「清涼剤」は気分をさわやかにさせる薬のことを指します。そこから、気分をさわやかにさせる物事について「一服の清涼剤」というようになったようです。

「一服の清涼剤」の使い方・例文

「一服の清涼剤」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.療養中、メンバーみんなからのお便りが一服の清涼剤となった。

2.幼稚園での仕事は大変だが、子供たちのすてきな笑顔は、まさに一服の清涼剤だ。

3.自分たちが患者さんの一服の清涼剤となれるように頑張る、と看護師さんが言っていた。

落ち込んでいたり、いらだっていたり、つかれていたり。そんな時にまるで薬を飲んだかのようにさわやかな気持ちにしてくれるものと出会う、そんな例文になっています。誰かに感謝のお手紙を書く際に使えそうですね!

「一服の清涼剤」の類義語は?違いは?

image by PIXTA / 65514632

今度は類義語について見ていきましょう!どんなものがあるでしょうか。

その1「口直し」

こちらはよく使われる表現ですね。まずいものやにがいものを口にした後に、その味を消すために別のものを飲食することを指します。と同時に嫌な目に遭ったときなど、他のことをして気分を変えることという意味もあるのです。こちらは一服の清涼剤よりも能動的な使い方がされます。

1.口直しにご一緒にお食事いかがですか?

2.数学の問題を解いていたが集中力が切れてきたので、口直しに漢字練習をすることにした。

3.口直しに別なサービスを受ける。

仕事などで何か失敗したのでしょうか。そういうときに声をかける方法としていいかもしれませんね!それ以外にも何かで嫌な思いをしたり、何かに飽きてきたりしたときにも使えます。

その2「憂さ晴らし」

苦しさや辛さを、何かで紛らして除いたり忘れたりすることという意味があります。「憂さ」がつらい気持ちを表し、空が晴れるように心のわだかまりを取り除くことを「晴らす」で表すんですよ。憂さ晴らし(を)する、というような形で使うことが多いです。他にも気晴らしなどと言うこともありますね。

1.自分だけの特別な場所へ行って憂さ晴らしをする。

2.憂さ晴らしをして自分自身の機嫌をとる。

3.憂さ晴らしにカラオケへ行って大声で歌った。

苦しいことや辛いことにぶち当たってしまうことは誰にでもあります。そんな時に上手く憂さ晴らしをしてなんとか自分を保っていきたいですね。

\次のページで「「一服の清涼剤」の対義語は?」を解説!/

「一服の清涼剤」の対義語は?

続いて対義語も見てみましょう。どんなものがあるでしょうか。

その1「不快になる」

こちらはよく使いますよね。嫌な気持ちになることを指します。「快い」に打消しの「不」がつくのでこういう意味になるんですね!

1.広場にマナーの悪い人がいて不快になる。

2.態度の悪いお客様に不快になった。

3.上司の発言に不快になったが我慢して仕事を続けた。

誰だって不快な気持ちにはなりたくないですよね。相手を不快にさせないよう気をつけましょう。

その2「気(き)を悪くする」

不愉快な気分になる、機嫌を悪くする、といった意味の慣用句です。よく耳にする言葉ではないでしょうか。「気」にはいろいろな意味がありますが、ここでは「気持ち」のことを指していますね。

1.収録で御一緒した方の心無い一言に気を悪くする。

2.信ぴょう性に欠ける内容の噂に愚痴を吐く人たちに気を悪くした。

3.テレビの取材を受けて回答したのだが、放送を見て編集に気を悪くした。

4.気を悪くしてしまったらごめんなさい。

誰かの言動に気分が悪くなることってありますよね。そういうときによく使われる表現です。相手が気分を害した時にも使えます。

「一服の清涼剤」の英訳は?

image by iStockphoto

さて、今度は英訳です。英語では何と表現するのでしょうか。

その1「a tonic」

tonicには元気づけるもの、という意味があります。まさに一服の清涼剤ですね。例文で使い方を見てみましょう。

\次のページで「その2「a does of something that refreshes」」を解説!/

For me, listening to Mozart during my break is a real tonic.

(訳:休憩時間に聞くモーツァルトの音楽は私にとって一服の清涼剤だ。)

出典:新和英辞典 第五版(研究社)「一服」

Watching video of cats by a film site is my tonic.

(訳:動画サイトで猫の映像を見るのが一服の清涼剤になる。)

その2「a does of something that refreshes」

refreshには回復させるという意味があります。doesにはあまりなじみがないかもしれませんが、務めという意味もあるのです。そこで、回復させる何かの務め=一服の清涼剤となるわけですね。こちらも例文を見てみましょう。

For me, looking up the meaning of a word in a Japanese dictionary is a does of something that refreshes.

(訳:国語辞典で言葉の意味を調べるのが私にとっては一服の清涼剤となる。)

Producing a good result is a does of something that refreshes in research activity.

(訳:良い結果が出ると、それが研究活動における一服の清涼剤となる。)

「一服の清涼剤」を使いこなそう

この記事では「一服の清涼剤」の意味・使い方・類語などを説明しました。「一服の清涼剤」と聞くと耳なじみが無いかもしれませんが、「一服」と「清涼剤」で分けて考えるとわかりやすいと思います。この言葉を知っているだけで、言葉に詳しい印象を与えますよ!ぜひたくさん使ってみてくださいね!

" /> 【慣用句】「一服の清涼剤」の意味や使い方は?例文や類語を元塾講師がわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

【慣用句】「一服の清涼剤」の意味や使い方は?例文や類語を元塾講師がわかりやすく解説!

この記事では「一服の清涼剤」について解説する。

端的に言えば一服の清涼剤の意味は「気持ちを爽やかにしてくれる事柄」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

塾講師を経験したナギセを呼んです。一緒に「一服の清涼剤」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ナギセ

塾講師経験のあるライター。もちろん国語も教えた経験あり。国語好きを生かし、楽しく解説する。

「一服の清涼剤」の意味や語源・使い方まとめ

image by PIXTA / 62438063

それでは早速「一服の清涼剤」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「一服の清涼剤」の意味は?

「一服の清涼剤(いっぷくのせいりょうざい)」には、次のような意味があります。

清涼剤のように、気持ちをさわやかにしてくれる事柄。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「一服の清涼剤」

「一服」とは、煙草を吸うときによく使われる表現ですね。お茶やたばこを1回のむことや、休息することを指します。「一服」だけなら使ったことのある方も多いでしょう。

「一服の清涼剤」は慣用句の中では、事態の変遷を表すような存在になります。清涼剤のおかげで、心もちが変わり、事態も変わっていくのです。疲れているときやいらだっているときなどに、清涼剤のようなさわやかな気持ちにしてくれるものはありがたいですよね。

「一服の清涼剤」の語源は?

次に「一服の清涼剤」の語源を確認しておきましょう。

「一服」については先程触れましたよね。実はそれ以外にも、粉薬1回分、という意味もあるんです。薬をのむことを服用する、といいますよね。また、「清涼剤」は気分をさわやかにさせる薬のことを指します。そこから、気分をさわやかにさせる物事について「一服の清涼剤」というようになったようです。

「一服の清涼剤」の使い方・例文

「一服の清涼剤」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.療養中、メンバーみんなからのお便りが一服の清涼剤となった。

2.幼稚園での仕事は大変だが、子供たちのすてきな笑顔は、まさに一服の清涼剤だ。

3.自分たちが患者さんの一服の清涼剤となれるように頑張る、と看護師さんが言っていた。

落ち込んでいたり、いらだっていたり、つかれていたり。そんな時にまるで薬を飲んだかのようにさわやかな気持ちにしてくれるものと出会う、そんな例文になっています。誰かに感謝のお手紙を書く際に使えそうですね!

「一服の清涼剤」の類義語は?違いは?

image by PIXTA / 65514632

今度は類義語について見ていきましょう!どんなものがあるでしょうか。

その1「口直し」

こちらはよく使われる表現ですね。まずいものやにがいものを口にした後に、その味を消すために別のものを飲食することを指します。と同時に嫌な目に遭ったときなど、他のことをして気分を変えることという意味もあるのです。こちらは一服の清涼剤よりも能動的な使い方がされます。

1.口直しにご一緒にお食事いかがですか?

2.数学の問題を解いていたが集中力が切れてきたので、口直しに漢字練習をすることにした。

3.口直しに別なサービスを受ける。

仕事などで何か失敗したのでしょうか。そういうときに声をかける方法としていいかもしれませんね!それ以外にも何かで嫌な思いをしたり、何かに飽きてきたりしたときにも使えます。

その2「憂さ晴らし」

苦しさや辛さを、何かで紛らして除いたり忘れたりすることという意味があります。「憂さ」がつらい気持ちを表し、空が晴れるように心のわだかまりを取り除くことを「晴らす」で表すんですよ。憂さ晴らし(を)する、というような形で使うことが多いです。他にも気晴らしなどと言うこともありますね。

1.自分だけの特別な場所へ行って憂さ晴らしをする。

2.憂さ晴らしをして自分自身の機嫌をとる。

3.憂さ晴らしにカラオケへ行って大声で歌った。

苦しいことや辛いことにぶち当たってしまうことは誰にでもあります。そんな時に上手く憂さ晴らしをしてなんとか自分を保っていきたいですね。

\次のページで「「一服の清涼剤」の対義語は?」を解説!/

次のページを読む
1 2 3
Share: