
端的に言えば一服の清涼剤の意味は「気持ちを爽やかにしてくれる事柄」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
塾講師を経験したナギセを呼んです。一緒に「一服の清涼剤」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ナギセ
塾講師経験のあるライター。もちろん国語も教えた経験あり。国語好きを生かし、楽しく解説する。
「一服の清涼剤」の意味は?
「一服の清涼剤(いっぷくのせいりょうざい)」には、次のような意味があります。
清涼剤のように、気持ちをさわやかにしてくれる事柄。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「一服の清涼剤」
「一服」とは、煙草を吸うときによく使われる表現ですね。お茶やたばこを1回のむことや、休息することを指します。「一服」だけなら使ったことのある方も多いでしょう。
「一服の清涼剤」は慣用句の中では、事態の変遷を表すような存在になります。清涼剤のおかげで、心もちが変わり、事態も変わっていくのです。疲れているときやいらだっているときなどに、清涼剤のようなさわやかな気持ちにしてくれるものはありがたいですよね。
「一服の清涼剤」の語源は?
次に「一服の清涼剤」の語源を確認しておきましょう。
「一服」については先程触れましたよね。実はそれ以外にも、粉薬1回分、という意味もあるんです。薬をのむことを服用する、といいますよね。また、「清涼剤」は気分をさわやかにさせる薬のことを指します。そこから、気分をさわやかにさせる物事について「一服の清涼剤」というようになったようです。
「一服の清涼剤」の使い方・例文
「一服の清涼剤」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.療養中、メンバーみんなからのお便りが一服の清涼剤となった。
2.幼稚園での仕事は大変だが、子供たちのすてきな笑顔は、まさに一服の清涼剤だ。
3.自分たちが患者さんの一服の清涼剤となれるように頑張る、と看護師さんが言っていた。
落ち込んでいたり、いらだっていたり、つかれていたり。そんな時にまるで薬を飲んだかのようにさわやかな気持ちにしてくれるものと出会う、そんな例文になっています。誰かに感謝のお手紙を書く際に使えそうですね!
その1「口直し」
こちらはよく使われる表現ですね。まずいものやにがいものを口にした後に、その味を消すために別のものを飲食することを指します。と同時に嫌な目に遭ったときなど、他のことをして気分を変えることという意味もあるのです。こちらは一服の清涼剤よりも能動的な使い方がされます。
1.口直しにご一緒にお食事いかがですか?
2.数学の問題を解いていたが集中力が切れてきたので、口直しに漢字練習をすることにした。
3.口直しに別なサービスを受ける。
仕事などで何か失敗したのでしょうか。そういうときに声をかける方法としていいかもしれませんね!それ以外にも何かで嫌な思いをしたり、何かに飽きてきたりしたときにも使えます。
その2「憂さ晴らし」
苦しさや辛さを、何かで紛らして除いたり忘れたりすることという意味があります。「憂さ」がつらい気持ちを表し、空が晴れるように心のわだかまりを取り除くことを「晴らす」で表すんですよ。憂さ晴らし(を)する、というような形で使うことが多いです。他にも気晴らしなどと言うこともありますね。
1.自分だけの特別な場所へ行って憂さ晴らしをする。
2.憂さ晴らしをして自分自身の機嫌をとる。
3.憂さ晴らしにカラオケへ行って大声で歌った。
苦しいことや辛いことにぶち当たってしまうことは誰にでもあります。そんな時に上手く憂さ晴らしをしてなんとか自分を保っていきたいですね。
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