端的に言えば王手をかけるの意味は「優勝まで後一歩の状態」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は、ロシアで2年間日本語教師として働いた大学院生ライターの「むかいひろき」を呼んです。一緒に「王手をかける」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/むかいひろき
ロシアの大学で2年間日本語教師として働いた経験を持つ大学院生。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。
「王手をかける」の意味は?
「王手をかける」には、次のような意味があります。
1.将棋で、王手の手を指す。
2.(比喩的)あと少しで勝利が決まる状態になる。記録などの達成まであと一つを加えればいい状態になる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「王手をかける(おうてをかける)」
「王手をかける」は「優勝や勝利まであと一歩の状況になる」という意味の慣用句です。スポーツでよく使用されます。例えば、夏の甲子園で決勝まで勝ち残った高校に対し、「豊島高校が優勝に王手をかけました」といったように使用しますね。
辞書では1番目に「将棋で、王手の手を指す」という意味が紹介されていますが、こちらは将棋の世界でしか使用されません。よって今回は2番目の意味を中心にご説明いたします。
なお、読み方は「おうてをかける」です。「おおてをかける」ではないので気をつけましょう。
「王手をかける」の語源は?
次に「王手をかける」の語源を確認しておきましょう。
「王手をかける」の語源は、意味の項目で述べた通り、将棋用語が語源です。将棋で相手の王将に、自身の駒が直接働きかけることができる状態を「王手をかける」といい、ここから意味が派生していったと考えられています。
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