
1.水泳の個人100メートル自由形優勝を部活の仲間と手を取って喜び合った。
2.初めてカードをご利用のお客様でも、弊社の者が手を取り使い方を説明いたします。
3.小学校と中学校が併設されているような地方では、放課後などに中学生が小学生の手を取り伝統行事などを教える光景が見られ、教科書や教材には載っていないその地方独特の歴史や文化を守り抜こうと努力しているのがうかがえる。
例文1と2・3では意味の違いがあることが分かりましたでしょうか。
例文1が「手を握る」という意味の「手を取る」です。例文2と3が「教え導く」という意味の「手を取る」となります。どちらの意味で使われているのかは、文脈から判断できるでしょう。大事なのは、2つの意味で「手を取る」が使われているということです。
さらに、「手を取り合う」という表現もあります。ただし、これは「手を取る」とは別の慣用句と考えたほうが良いでしょう。辞書にはこのような表記があります。
1.手を握り合う。「—・って喜ぶ」
2.親しい者どうしが連れ立つ。「—・って旅に出る」
3.力を合わせる。「—・って再建にあたる」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「手(て)を取(と)り合(あ)・う」
上記の通り、「手を取り合う」になると意味が3つに増えます。「手を握る」という意味は「手を取る」にもありますが、「親しいもの同士が連れ立つ」と「力を合わせる」はありません。よって、「手を取る」から2人が手を握り合うという意味を強調させるために「手を取り合う」とすることはできます。
\次のページで「「手を携える」」を解説!/