
その2「対立する」
「対立する」も互いの意見や立場が違うことにより発生する状態ですから「異にする」の類義語と言えます。二つ以上のものが互いに譲らないで張りあう場合に使う言葉です。これは人間だけに限らず、企業や商工業製品にも使えます。
似た意味の言葉に「鼎立(ていりつ)」が挙げられるでしょう。鼎立は対立する勢力が三つある場合に使われます。「鼎立」の「鼎」は「かなえ」と読み、もともとは古代中国で使われた三本足の鉄の釜のことです。よく雑誌などの表題に「鼎談」と掲げられた読み物がありますが、三人が向かい合って話し合うことを指します。
その3「三者三様」
「三者三様」も、人間が複数いればそれぞれ異なる態度、考え方を持つ存在であることから「異にする」の類義語の一つに挙げてもいいでしょう。この場合の「三者」は必ずしも三人に限っているわけではありません。比喩的に「三者」と表現していると考えたほうがいいでしょう。似たような意味を持つ言葉に「十人十色」「千差万別」があります。「千差万別」は、より多くのものの違いを表す言葉として使ったほうがいいようです。
「異にする」の対義語は?
次に「異にする」の対義語を見ていきましょう。
その1「同じくする」
「異にする」の対義語はあまり多くありませんが、まず「同じくする」が挙げられます。「同じくする」とは「同じものとして扱う」「共有する」という意味がありますから「異にする」とは反対の意味を持つ言葉です。
「同様に」も似たような意味がありますが、この言葉には「する」という動詞がついていません。したがって「右に同じく」といった程度の意味と考えていいでしょう。
その2「同じゅうする」
「同じゅうする」も「異にする」の対義語ですが、この言葉は「同じくする」の音が変化したもので、意味は「同じくする」とまったく同じです。「~が同じである」「~と同列である」という意味があります。一般社会に広まった表現としては「男女七歳にして席を同じゅうせず」がよく知られた言葉です。
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