
端的に言えば異にするの意味は「ほかとは違う」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
自治体広報紙の編集を8年経験した弘毅を呼んです。一緒に「異にする」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/八嶋弘毅
自治体広報紙の編集に8年携わった。正確な語句や慣用句の使い方が求められるので、正しい日本語の使い方には人一倍敏感。
「異にする」の意味は?
「異にする」には、次のような意味があります。
1.別にする。ちがえる。
2.際立って特別である。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「異にする」
「異にする」の読み方は「ことにする」です。簡単に表現すれば「異なる」とか他人とは立場が違う、普通とは違うことを表現しています。職務では様々な立場や考え方があり、それぞれに物事の進め方一つ取ってもやり方はいろいろです。相手の事情がわかっていても、厳しい意見を言わなければならないこともあります。部下の評判や人気取りばかりしていては、それら職員から軽く見られてしまい、そのうち誰も相手にしてくれない状態になってしまうかもしれません。
「異にする」の語源は?
次に「異にする」の語源を確認しておきましょう。とはいうものの、語源らしい語源はありません。ただ「異」の読み方は、その時の状況によって変わります。普通は「ことにする」ですが「不思議に思う」とか「奇異に感じる」というような場合は、「異(い)とする」と読むのです。よく使われるのは「異とするに足りない」のような利用法でしょう。これは、ことさら驚いたりすることではない、不思議なことではない様子を表す場合に使います。例えば「テスト直前に一夜漬けの勉強をしても点数が悪いのは異とするに足りない」のような使い方です。
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