端的に言えば嫁に杓子を渡すの意味は「姑が嫁に家政を譲る」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
早稲田大学文学部で日本文学・日本語学を学んだぽん太を呼んです。一緒に「嫁に杓子を渡す」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ぽん太
早稲田大学文学部で日本語学と日本文学を学び、中高国語科の教員免許も取得している。これまで学んだ知識を生かして、難解な言葉をわかりやすく解説していく。
「嫁に杓子を渡す」の意味は?
「嫁に杓子を渡す」には、次のような意味があります。
姑(しゅうとめ)が嫁に家政を譲る
出典:コトバンク – デジタル大辞泉(小学館)「嫁に杓子を渡す」
姑とは、結婚相手の母親、つまり義母のことを指します。嫁姑のように並べて語られることが多く、大体は夫の母親を指す言葉です。そして杓子(しゃくし)とは、ご飯や汁物をよそうのに使う道具のことを言います。私たちに一番身近なのはご飯用のしゃもじですね。ちなみにしゃもじは漢字で「杓文字」と書きます。主婦が家族の飯を杓子で取り分けることから、杓子は主婦権の象徴とされました。そんな杓子を姑が嫁に渡すというのは、家政、つまり家事の一切の権限を妻に渡すという意味を持っていたのです。
ちなみに「嫁に杓子を渡す」と同義で「嫁に杓子を譲る」と使う場合もあります。意味は同じなので、どちらか好きな方を使ってくださいね。
「嫁に杓子を渡す」の語源は?
次に「嫁に杓子を渡す」の語源を確認しておきましょう。
「杓子を渡す」のはっきりとした語源は見つかりませんでしたが、雑俳と呼ばれる江戸時代中期から流行した俳句遊びの中で使われていた記録が残っていました。雑俳は、武家や公家などの地位が高い人たちが嗜んでいた本格的な俳諧に対して、民衆が日々の出来事を内容や形式にこだわらずに詠む遊びとして流行したものです。
このことから、少なくとも江戸中期ごろには民衆の間に「嫁に杓子を渡す」という言葉が浸透していたことがわかります。
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