この記事では「言ってのける」について解説する。

端的に言えば言ってのけるの意味は「平然と言う」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「言ってのける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「言ってのける」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「言ってのける」の意味や語源・使い方まとめ

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「言ってのける」という言葉を使うことはあるでしょうか?「堂々と」や「平然と」など普通の「言う」よりも一癖ありそうですね。今回は「言ってのける」について詳しく解説をしていきます。

それでは早速「言ってのける」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「言ってのける」の意味は?

「言ってのける」には、次のような意味があります。

1.通常言いにくいとされることを敢えて言うこと。
2.平然と言うさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「言ってのける」

「言ってのける」とは、言いにくい事などを敢えて言う、または堂々と言う事を表す時に使う言葉です。例えば上司に対して物申す時や、先輩のミスを伝えなければならない時など、かなりの勇気を振り絞って言いますよね。また、普段押さえ込まれていて言うに言えない相手に、ふとした時にそれまで溜まっていた言葉や思いがポロリと口をついて出てしまった時などに「言ってのける」と使いますよ。

「言ってのける」の語源は?

次に「言ってのける」の語源を確認しておきましょう。

「言う」と「のける」に分けて考えていきましょう。この言葉のキーワードは「のける」ですよ。漢字にすると「退ける」と「除ける」、どちらも表記出来ます。「退」と「除」はどちらも「取り除く・離す」などの意味ですが、動詞の連用形に接続詞「て」を添えた形の補助動詞にすると、「思い切ってやってのける」や「やりにくいことを見事にやる」の意味になりますよ。

「言ってのける」も「言う」の連用形「言って」になっているので、補助動詞の役割を果たしていますね。

\次のページで「「言ってのける」の使い方・例文」を解説!/

「言ってのける」の使い方・例文

「言ってのける」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.やんちゃな子どもは、大人に対しても物怖じせずに何でも言ってのける
2.彼はいつも周囲が驚くような事を平然と言ってのける
3.普段から威張って仕事をしない先輩にガツンと言ってのけた

例文を3つ紹介しました。一つずつ見ていきましょう。

まだ言って良いことと悪いことの区別がつかない子供は、時にドキッとするような事をあっけらかんと言いますよね。こんな子供の無邪気さも「言ってのける」と使うには、良い例かと思います。例文2のひょうひょうと何でも「言ってのける」人は、周りはハラハラしているけど本人はそこまで気にしていない、という例ですね。最後に例文3もよくある事ではないでしょうか?上下関係を無視出来ない大人の社会では、たとえ正当な事でも立場的に言えない事は多いでしょう。「ついに言った」「してやったり」という感があるのも、この言葉も特徴になりますよ。

「言ってのける」の類義語は?違いは?

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「言ってのける」にはどんな類義語があるでしょうか?

その1「言い放つ」

「言い放つ」とは、心に思うことを遠慮なく口に出して言うこと、の意。「遠慮なく、平然と」というキーワードが「言ってのける」と同じなので、類義語としてふさわしいでしょう。

\次のページで「その2「ぬけぬけと言う」」を解説!/

その2「ぬけぬけと言う」

「ぬけぬけと」とは、あつかましくも恥じるべき行為を平気で行うさまを表す言葉です。「図々しい・厚かましい」といったニュアンスを表現したい時に使うオトマノペですよ。もともと「ぬけ」は「だまされること」の意味でしたが、転じて「人を騙して平気でいる様子」を表す意味で用いられるようになりました。「平気で行うさま」が「言ってのける」と同等の意味になるので、類義語として適切ですね。

「言ってのける」の対義語は?

次に「言ってのける」の対義語を見てみましょう。「言う」という行為の言葉なのでいくつか言い換え表現がありそうですね。

その1「口ごもる」

「口ごもる」とは、「返答に困ったり言いづらくて言うのをためらう」の意。はっきりと言ってしまう「言ってのける」とは対を成していますね。また、「途中で言うのをやめる」の意味もあり、こちらも「言い放つ」の反対の意味になるので、対義語としてふさわしいでしょう。

その2「言いそびれる」

「言いそびれる」とは、言いたいことが言い出せないで終わることを表す言葉です。言い出す機会を失ったり言い出せないようなシーンで用いられる言葉ですよ。言おう言おうとしている所までは「言ってのける」と同じですが、「言いそびれる」は「言う」という行為ができていないので、「言ってのける」の対義語として適切ですね。

「言ってのける」の英訳は?

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次に「言ってのける」の英語表現を見ていきましょう。

「say~straight」

「say~straight」は日本語でもよく「ストレートに物を言う」と表現しますが、その言い方がこちらになりますよ。わかりやすく言うと「ズバリ言う」という表現になりますね。勇気を振り絞って言うというよりは、はっきりと物を言う性格を表す言い方ですが、文脈似合わせて上手く使いこなしましょう。

例文を一つあげておくので参考にして下さい。

\次のページで「「言ってのける」を使いこなそう」を解説!/

「He always say everythibg straight.」(彼はいつも何でも平然と言ってのける。)

「言ってのける」を使いこなそう

この記事では「言ってのける」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「言ってのける」とは、言いにくい事などを敢えて言う、の意味でしたね。当たり前に感じるような質問・疑問でも言葉にするとパワハラ・モラハラと問題になる世の中なので、「言ってのける」がどれほど大変な事か簡単に想像がつくな。家庭内でも言える事だが、初めて親に自分の意見を主張すると「反抗期が始まった」と見られがちだが、色んな事に気を遣わなければならないこのご時世で、平然と「言ってのける」を出来る人は、レアなのかもしれませんね。この記事が参考になれば幸いです。

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国語言葉の意味

「言ってのける」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「言ってのける」について解説する。

端的に言えば言ってのけるの意味は「平然と言う」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「言ってのける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「言ってのける」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説していく。

「言ってのける」の意味や語源・使い方まとめ

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「言ってのける」という言葉を使うことはあるでしょうか?「堂々と」や「平然と」など普通の「言う」よりも一癖ありそうですね。今回は「言ってのける」について詳しく解説をしていきます。

それでは早速「言ってのける」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「言ってのける」の意味は?

「言ってのける」には、次のような意味があります。

1.通常言いにくいとされることを敢えて言うこと。
2.平然と言うさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「言ってのける」

「言ってのける」とは、言いにくい事などを敢えて言う、または堂々と言う事を表す時に使う言葉です。例えば上司に対して物申す時や、先輩のミスを伝えなければならない時など、かなりの勇気を振り絞って言いますよね。また、普段押さえ込まれていて言うに言えない相手に、ふとした時にそれまで溜まっていた言葉や思いがポロリと口をついて出てしまった時などに「言ってのける」と使いますよ。

「言ってのける」の語源は?

次に「言ってのける」の語源を確認しておきましょう。

「言う」と「のける」に分けて考えていきましょう。この言葉のキーワードは「のける」ですよ。漢字にすると「退ける」と「除ける」、どちらも表記出来ます。「退」と「除」はどちらも「取り除く・離す」などの意味ですが、動詞の連用形に接続詞「て」を添えた形の補助動詞にすると、「思い切ってやってのける」や「やりにくいことを見事にやる」の意味になりますよ。

「言ってのける」も「言う」の連用形「言って」になっているので、補助動詞の役割を果たしていますね。

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