この記事では「ピリオドを打つ」について解説する。

端的に言えばピリオドを打つの意味は「終わらせる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は、ロシアで2年間日本語教師として働いた大学院生ライターの「むかいひろき」を呼んです。一緒に「ピリオドを打つ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で2年間日本語教師として働いた経験を持つ大学院生。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「ピリオドを打つ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ピリオドを打つ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ピリオドを打つ」の意味は?

「ピリオドを打つ」には、次のような意味が国語辞典に掲載されています。

続いてきたことを終わりにする。終止符を打つ。「独身生活に―・つ」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ピリオドを打・つ」

ピリオドを打つ」は、「続いてきたことを終わりにする」という意味の慣用句です。ピリオドは英語などの外国語で文末を示す記号「.」を意味します。

この「ピリオドを打つ」は、自然の流れで終わってしまったようなことには使用できません。自分や誰かが意図的に物事を終わらせた場合に使用できます。

「ピリオドを打つ」の語源は?

次に「ピリオドを打つ」の語源を確認しておきましょう。

「ピリオドを打つ」の正確な語源は分かっていません。ただ、英語や外国語の文章で、文を終わらせるためにピリオド(.)を書くことを「ピリオドを打つ」と言います。ここから派生したということは間違いないでしょう。

意外と古くから用いられていた言葉で、太平洋戦争以前の1931年の『混血児ジョオヂ』という本には、「何か生活にピリオドを打った事業のやうに思へて」という文が登場しています。

\次のページで「「ピリオドを打つ」の使い方・例文」を解説!/

「ピリオドを打つ」の使い方・例文

「ピリオドを打つ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.山田選手は、腰の怪我の影響から、今シーズンを最後に現役生活にピリオドを打つ決意をした。
2.ようやく離婚裁判が終わり、夫との結婚生活にピリオドを打つことになった。
3.今年こそ東京大学に合格して、浪人にピリオドを打ちたい
4.徳川慶喜は、大政奉還を行ったことによって、江戸幕府264年の歴史にピリオドを打った

例文1では、「現役を引退する」という文脈で「ピリオドを打つ」が使用されています。スポーツ選手が現役を引退することを報じるニュースでは、「ピリオドを打つ」はよく使用されますね。

例文2では、「結婚生活を終わらせ離婚する」という文脈で「ピリオドを打つ」が使用されています。例文1や2のような「○○生活」という言葉とセットで使用されることが多いですね。

例文3では、「浪人を終わらせ合格したい」という文脈で「ピリオドを打つ」が使用されています。私も大学に入るのに一浪しましたが、浪人生活ほど早く終わらせたいものはありません。

例文4では、「江戸幕府の歴史を終結させた」という文脈で「ピリオドを打つ」が使用されています。歴史の本や時代劇でも「ピリオドを打つ」という言葉は使用されることがありますね。

「ピリオドを打つ」の類義語は?違いは?

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「ピリオドを打つ」の類義語は、「終止符を打つ」「幕を引く」です。意味や違いを確認していきましょう。

その1「終止符を打つ」

終止符を打つ」は「しゅうしふをうつ」と読みます。「続いてきたことを終わりにする」という意味の慣用句で、「ピリオドを打つ」と意味の違いはありません

この「終止符」は「ピリオド」を日本語に翻訳した言葉です。つまり、「終止符を打つ」は「ピリオドを打つ」少し言い換えただけの、同義語ということになりますね。

例文を見てみましょう。

\次のページで「その2「幕を引く」」を解説!/

・りおちゃんは、高校卒業と同時に健太くんとの交際に終止符を打った
・第1志望の企業に内定をいただいたことで、私は就職活動に終止符を打った

その2「幕を引く」

幕を引く」は「物事を終える」という意味の慣用句です。こちらも他動詞的に使用すれば「ピリオドを打つ」と意味の違いはありません。ただ、「ピリオドを打つ」にはない、自然の流れや自身に関わりのないところで物事が終わる場合に使用する「物事が終わる」という意味の自動詞の用法もあります

「幕を閉じる」「幕を下ろす」という表現もありますが、「幕を引く」と同義の言葉です。辞書によっては同じ項目に一緒に掲載されています。

例文を見てみましょう。

・ベトナムへの異動願が受理されたので、ようやく日本勤務に幕を引くことができそうだ。
・25年にもわたって続いた内戦は、今日ようやく幕を引いた

「ピリオドを打つ」の対義語は?

「ピリオドを打つ」の対義語は、「幕を開ける」です。意味や例文を見てみましょう。

「幕を開ける」

幕を開ける」は元々、「幕を開けて芝居などを始める」という意味の言葉でした。その意味が派生し、現代では「物事を始める」という意味の慣用句としても使用されています。「続いてきたことを終わりにする」という意味の「ピリオドを打つ」とは、まさに反対の言葉ですね。

「開幕」という単語も、この「幕を開ける」と関連した表現です。

例文を見てみましょう。

・今日から私は、大学生としての生活の幕を開けた
・A社のES記入から、就職活動の幕を開けようと思う。

\次のページで「「ピリオドを打つ」の英訳は?」を解説!/

「ピリオドを打つ」の英訳は?

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ピリオドを打つ」の英語表現は「put an end to」です。意味や例文をチェックしていきましょう。

「put an end to」

put an end to」は、「~にピリオドを打つ」「~に終止符を打つ」という意味の英語の慣用表現です。「ピリオドを打つ」と意味やニュアンスの違いはありません。

例文を見てみましょう。

Mr.Tanaka helped put an end to the conflict.

田中さんのおかげでこの紛争にピリオドを打つことができた。

「ピリオドを打つ」を使いこなそう

この記事では「ピリオドを打つ」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「ピリオドを打つ」は、「続いてきたことを終わりにする」という意味の慣用句です。ピリオドは英語などの外国語で文末を示す記号「.」を意味します。

自分や誰かが意図的に物事を終わらせた場合に使用する表現です。「終止符を打つ」は、「ピリオド」と「終止符」を言い換えただけの同義語になります。

皆さんも、大変なこと、辛いことがあれば、早く終止符を打てるといいですね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「ピリオドを打つ」の意味や使い方は?例文や類語を日本語教師の大学院生がわかりやすく解説!

この記事では「ピリオドを打つ」について解説する。

端的に言えばピリオドを打つの意味は「終わらせる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

今回は、ロシアで2年間日本語教師として働いた大学院生ライターの「むかいひろき」を呼んです。一緒に「ピリオドを打つ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/むかいひろき

ロシアの大学で2年間日本語教師として働いた経験を持つ大学院生。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。

「ピリオドを打つ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「ピリオドを打つ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「ピリオドを打つ」の意味は?

「ピリオドを打つ」には、次のような意味が国語辞典に掲載されています。

続いてきたことを終わりにする。終止符を打つ。「独身生活に―・つ」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「ピリオドを打・つ」

ピリオドを打つ」は、「続いてきたことを終わりにする」という意味の慣用句です。ピリオドは英語などの外国語で文末を示す記号「.」を意味します。

この「ピリオドを打つ」は、自然の流れで終わってしまったようなことには使用できません。自分や誰かが意図的に物事を終わらせた場合に使用できます。

「ピリオドを打つ」の語源は?

次に「ピリオドを打つ」の語源を確認しておきましょう。

「ピリオドを打つ」の正確な語源は分かっていません。ただ、英語や外国語の文章で、文を終わらせるためにピリオド(.)を書くことを「ピリオドを打つ」と言います。ここから派生したということは間違いないでしょう。

意外と古くから用いられていた言葉で、太平洋戦争以前の1931年の『混血児ジョオヂ』という本には、「何か生活にピリオドを打った事業のやうに思へて」という文が登場しています。

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