この記事では「気色が悪い」について解説する。
端的に言えば「気色が悪い」の意味は「気持ちが悪い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「気色が悪い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「気色が悪い」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「気色が悪い」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「気色が悪い」の意味は?

「気色が悪い」には、次のような意味があります。

1 気味が悪い。不快である。「理由もわからずにほめられると―・い」

2 気分がすぐれない。「あんなものを見たんで、―・くなった」

出典:コトバンク

「気色が悪い」は気分がすぐれない、心持ちや、気分が悪いという意味の慣用句です

「気色が悪い」の語源は?

次に「気色が悪い」の語源を確認しておきましょう。それでは「色」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「色」は人を表す「ク」と、つきあう意味の音を示す「巴」とを合わせた字。男の人と女の人とが付き合って、仲良くする意味を表します。女の人の顔色が美しいことから、後に、さまざまなものの美しい「いろ」の意味に使われるようになりました

\次のページで「「気色が悪い」の使い方・例文」を解説!/

「気色が悪い」の使い方・例文

「気色が悪い」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。

1.意味もなく褒められると気色が悪く虫唾が走るばかりか、背中にとりはだが立つほど不愉快になる。

2.大嫌いなヘビを見たので気色が悪くなり鳥肌が立った。毛穴という毛穴から汗が吹き出し胃液がこみあげてもきた。

3.相手の見た目もそうだが言動が気色が悪かったので、急用ができたとお伝えしてその場を去った。

どの例文も嫌なものを見たり聞いたりして体が拒絶反応を起こしている様子です。このような症状はよほど嫌悪感を抱かないと現れるものではありません。

「気色が悪い」の類義語は?違いは?

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「気色が悪い」と似たような意味をもつ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「気持ち悪い」

「気持ち悪い」は「バスに乗ったらきもちわるくなった」「事故現場の生々しい写真はきもちがわるい」などのように肉体的・精神的に不快な様子を表します「吐き気がする」「気分が悪い」という肉体的な意味で用いられることが多いですよ。

また、「遠くからきもちのわるい音楽が聞こえてきた」のようにある刺激に対して不快な感じを受けるという意味で用いることもありますが、多分に生理的な不快感であって、理性的な不快感や忌避感を暗示しません。「気持ち悪い」は「気色が悪い」にも似ていますが、「気色が悪い」は納得できないものの異様さに対する恐怖の暗示がある点が、生理的な不快感を表す「気持ち悪い」と異なります

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その2「薄気味悪い」

「薄気味悪い」は「彼はうすきみわるい微笑を浮かべた」「ヨーロッパのドラキュラ伝説はうすきみわるい」などのようになんとなく不気味な様子を表しますよ。得体の知れなさに対する不安や恐怖の気持ち、不快感のこもる点が、「あやしい」「うさんくさい」と区別されます。「気色が悪い」よりもさらに得体のしれない不安感が強く暗示される表現ですよ。

その3「暗い」

「暗い」は「死亡宣告をする医者の声はくらく沈んでいた」「僕はこんなくらい音楽は好きじゃない」などのように性格・音声・気分・雰囲気・情勢など抽象的なものが陰気な様子を表す表現。例えば「あいつ、シジミをペットにしてるんだぜ。くっらーい」は感動詞的に用いられた例で、シジミをペットにして飼うような陰気な性格を、軽い不快の気持ちをこめて表現しています

現代語では、「くらい性格」をしばしば「ネクラ」といいますが、「くらい性格」をいう場合に比べて「ネクラ」の方が陰気さの程度が低く、深刻さも少ないニュアンスになりますよ。「どうも先行きの見通しはくらいね」「会社再建にはくらい材料ばかりで困ったものだ」は将来・前途に希望がもてない様子を表します。なお「気色が悪い」との違いは、「暗い」は人の性格をも言い表す表現だという点です。

その4「いやらしい」

「いやらしい」は不快でいやな感じである様子を表します品性の下劣さを感じさせる表現であり、個人的な好き嫌いを表現したものではありません

例えば「彼女はいつもいやらしい化粧をしている」や「男はとたんにいやらしい目つきになった」は下品で不快だという意味ですが、「彼、暗い所へ来るといやらしいことをするんです」は特に性的でみだらだという意味になり、「いや」よりももっと不快感が強く出る表現です。なお「気色が悪い」との違いは、「いやらしい」は下品で不快だというニュアンスを含む点ですよ。

「気色が悪い」の対義語は?

「気色が悪い」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「にぎわしい」

「にぎわしい」は人手が多くて活気のある様子を表しますよ。活気があってはなやかな状態をやや客観的に暗示し、人間の性格について用いられることは稀です。また、人の出入りの状態そのものを説明する場合にも用いられません。

その2「のどか」

「のどか」は「のどかな田舎で老後を送る」や「仕事を忘れて心のどかに湯治したい」など騒音が少なく快適な環境で心が休まるような様子を表します深刻にすべきときに心がのびのびとしている様子を見せていることを揶揄する意味がありますよ。「穏やか」にも似た意味がありますが、「穏やか」が客観的に落ち着いて静かな状態を暗示するのに対して、「のどか」はそういう状態によってもたらされる気分を述べるニュアンスがあり、とても主観的な表現になっています。

\次のページで「その3「男らしい」」を解説!/

その3「男らしい」

「男らしい」は男性が男性の理想的な性質を持っている様子を表します「…らしい」は典型的であるという意味の形容詞を作る語尾。男性が男性としてふさわしいという意味ですので、男性以外には用いられません男性の理想的性質としては、たくましさ、勇敢さ、潔さ、おおらかさなどが挙げられます。「男っぽい」に近いですが、「男らしい」は男性専用で女性について用いることはできません

「男らしい」を使用するときのポイント

また「男っぽい」よりもはっきりしたプラスのイメージがあります。「男らしい」はまた「男くさい」にも近いですが、「男くさい」は必ずしもプラスのイメージをもたず、男性の悪い性質をも暗示するニュアンスがあるのに対して、「男らしい」は理想の男性の性質に合致するというニュアンスがあります。したがって、けなす言葉としては「男らしい」は用いられません。「彼、男くさくていやだわ」とは言いますが、「彼、男らしくっていやだわ」とは言いませんよ。

「気色が悪い」の英訳は?

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「気色が悪い」の英訳にはどのようなものがあるのでしょうか。英語で「気色が悪い」と言い表す時の例をさっそく見ていきましょう。

「disgusting」

「disgusting」は「胸が悪くなるような、実にいやな」という意味です。「That thicket is dark and the whole place is disgusting」で「あの雑木林は暗くて全体的に気色が悪い」、「That man is always smiling so thinly, it's disgusting」で「あの男はいつも薄ら笑いを浮かべていて気色が悪い」と訳すことができますよ。

「気色が悪い」を使いこなそう

この記事では「気色が悪い」の意味・使い方・類語などを説明しました。「気色が悪い」は気分がすぐれない、心持ちや、気分が悪いという意味だと解説しましたね。また、「気色が悪い」から連想される表現に「暗い」があります。「暗い」は明暗を表す形容詞の一つで、光が非常に少ない様子を表しますよ「真っ暗」では絶対的に光が足りない暗示がありますが、実際の明暗にはとても幅があり、完全な暗黒、見えない状態、灰色の濃いものなどがあります。例えば「まっくらな空」は昼曇っているために暗い空をも意味しますよ。「暗い」の意味を強調して表現した語です

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国語言葉の意味

【慣用句】「気色が悪い」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説!

この記事では「気色が悪い」について解説する。
端的に言えば「気色が悪い」の意味は「気持ちが悪い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「気色が悪い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

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「気色が悪い」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「気色が悪い」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「気色が悪い」の意味は?

「気色が悪い」には、次のような意味があります。

1 気味が悪い。不快である。「理由もわからずにほめられると―・い」

2 気分がすぐれない。「あんなものを見たんで、―・くなった」

出典:コトバンク

「気色が悪い」は気分がすぐれない、心持ちや、気分が悪いという意味の慣用句です

「気色が悪い」の語源は?

次に「気色が悪い」の語源を確認しておきましょう。それでは「色」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「色」は人を表す「ク」と、つきあう意味の音を示す「巴」とを合わせた字。男の人と女の人とが付き合って、仲良くする意味を表します。女の人の顔色が美しいことから、後に、さまざまなものの美しい「いろ」の意味に使われるようになりました

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