その2「別に」
「別に」は状態や程度に特に言及する様子を表す表現。「別に」の形で、「この問題はべつに難しいことはない」「部長の留守中べつに変わったことはなかった」などのように用いられます。述語にかかる修飾語の場合には後ろに打消しや否定の表現を伴うことが多い。
例えば「駅弁どれがいい?べつになんだっていいよ」は会話の途中で用いられる間投詞の用法、「(息子に)テストどうだった?べつに」は応答に用いられる感動詞の用法ですよ。前者は形としては肯定ですが、内容的には「かまわない」という打消しの意味を含みます。
「別に」を使用する際のポイント
状態や程度について用いた場合には、状態や程度が特に言及に値するほどはなはだしくない、むしろふつう(以下)だというニュアンスで、しばしば侮蔑の暗示を伴いますよ。
動作や行為について用いた場合には、特に目立った行動はとらないという意味になります。前者は間投詞の用法で、相手の問いかけ内容には特に言及する必要がないというニュアンスで、無関心の暗示がありますよ。後者は応答として用いられた感動詞の用法で、質問の内容にはまったく関係なく用いられます。相手の質問を問題にせずコミュニケーションを拒む心理が暗示されますよ。
「別に」を使用する際のポイント2
この「別に」は「とくべつ」「かくべつ」などに似ていますが、「とくべつ」「かくべつ」はもともと程度がはなはだしいという意味があり、打消しの場合には程度がはなはだしいわけではないという部分否定の意味になります。したがって「別に変わったことはなかった」は「変わったことは何もなかった」、「とくべつ変わったことはなかった」は「特に警告すべきことはなかった」、「かくべつ変わったことはなかった」は「おもしろいことはなかった」というニュアンスになります。ちなみに「気が無い」との違いは、「別に」はしばしば侮蔑の暗示を伴うという点ですよ。
「気が無い」の対義語は?
「気が無い」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。
その1「好んで」
「好んで」は自分から積極的に行動する様子を表し、「土岐頼芸はこのんで鷹の絵をかいた」などのように述語にかかる修飾語になります。主体が自分の好みによって積極的に行動する様子を表しますよ。「何もこのんで危ない目にあいにいくこはない」は打消し文の主語を作る場合で、話者の目には主体が積極的に好ましくない行為をしているように見えるという判断を表し、軽い慨嘆の暗示を伴います。
「好んで」は「進んで」に似ていますが、「進んで」が主体の意欲を暗示するのに対して、「好んで」は好感を暗示し、肯定文の場合には行動のひんぱんさを表すのにとどまりますよ。そのため「彼は好んで健康診断に行く」は「健康診断が好きなのでしばしば行く」、「彼は進んで健康診断に行く」は「誰からも強要されずに自分から行く」というニュアンスになります。
その2「進んで」
「進んで」は積極的に意欲をもって行動する様子を表し、「社長はすすんで大掃除の指揮をとった」「最近の子供はすすんで手伝いをしようとはしない」などのように述語にかかる修飾語として用いられます。主体にふさわしくない行為や客観的に見てあまりやりたくない行為を積極的に意欲をもって行う様子を表しますよ。本来、積極的に行うことが当然の行為についてはあまり用いられません。
したがって「研究者はすすんで研究室にこもる」は誤用となり、正しくは「研究者は言われなくても研究室にこもる」となります。「進んで」は「好んで」に似ていますが、「好んで」には主体の好悪の暗示がありますよ。そのため「夫は進んでトイレ掃除をする」は「本当はやりたくないのだが積極的にする」、「夫は好んでトイレ掃除をする」は「トイレ掃除が好きなのでひんぱんにする」というニュアンスになります。
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