この記事では「首を傾げる」について解説する。

端的に言えば首を傾げるの意味は「疑問に思う」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

多くの学術書を読み、豊富な知識をもつハヤカワを呼んです。一緒に「首を傾げる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハヤカワ

学術書を中心に毎年100冊以上の本を読む、無類の本好き。人にさまざまな影響を与える言語、それ自体に強い興味をもち、言葉の細やかな表現にも並々ならないこだわりをもっている。

「首を傾げる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「首を傾げる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。読み方は「くびをかしげる」です。「首を傾げる」は慣用句の一種という点も抑えておきましょう。

「首を傾げる」の意味は?

「首を傾げる」というキーワードをネット上の辞典・辞書「コトバンク」で検索してみると、次のような記載があります。

1.疑問に思う。不審に思う。「それほどのことかと―・げざるをえない」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「首を傾げる」

「首を傾げる」という単語は、なにか疑問や不審に思うことがある様子を表しています。なにか妙に思う出来事があり、自然と首が軽く傾く。映画やドラマなどでも、なにか疑問や不審を感じた人物が顎に手をやり、首を軽く傾ける仕草を見せることがありますよね。

「首を傾げる」はこうした、人が疑念を覚えた際の動作を比喩して使われている表現です「首を傾げる」は疑問や不審に思っているという比喩表現のため、実際には首を傾げる動作をとっていなくても使用します。「首を傾げる」という表現を使う時は、こちらの点に注意して使用していきましょう。

「首を傾げる」の語源は?

次に「首を傾げる」の語源を確認しておきましょう。「首を傾げる」は「小首を傾げる」とも表現されることがあります。江戸の頃は「小首をかたげる」という言い方をしていましたが、明治以降に「小首を傾げる」という言い方が一般的となりました

この「小」は接頭語であり「首」とあわせて、首をすこし動かす行為を表します。「傾げる」は字の通り、なにかを傾ける動作のことです。「小首を傾げる」は、この二つの単語を組み合わせ、軽く首を傾ける様子を表す単語となっています。

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「首を傾げる」の使い方・例文

「首を傾げる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.書類は確かにデスクの上に置いておいたはずなのに、見当たらず首を傾げる。
2.彼は私の説明に疑問を感じたのか、首を傾げて見せた。
3.一般常識の中には、思わず首を傾げたくなるような馬鹿馬鹿しいものがある。

「首を傾げる」は例文のように、なにか疑問や不審に思うことがあり、首が傾く様子を表して使います。確かに置いておいたはずの物が無くなっており、そんなはずないのにと、どこか不審に思う。相手からの説明に納得がいかず、首を軽く傾けて疑念がある雰囲気を見せる。

通例、正しいこととされている事が、本当は間違っているのではないかと主張する。「首を傾げる」はこうしたシチュエーションでの様子を表現しています。「首を傾げる」を実際に使う際は、こうしたニュアンスに注意して使っていくようにしていきましょう。

「首を傾げる」の類義語は?違いは?

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続いて「首を傾げる」と関連した類義語・違いについて確認していきましょう。よく似た表現との違いを確認することで、「首を傾げる」という言葉の意味をより深く理解することができます。

その1「小首を傾げる」

「小首を傾げる」は前述の通り「首を傾げる」とほとんど同じ意味で使われている類義語です。疑問に思う・不審に思う様子を表す点はまったく同じですが、「小首を傾げる」は首を傾けて思案をめぐらせる様子を表すことも。「小首を傾げる」を使う際は、こちらのニュアンスに注意して使い分けていきましょう。

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その2「首をひねる」

「首をひねる」は自分には理解できないことに直面し考え込む様子や、あることが納得できずに不満をもつ様子を表す言葉です。「首を傾げる」とよく似た場面で使われている言葉となっていますが、より悩んでいるニュアンスが強くなっています。

こうしたニュアンスの違いに注意して使い分けていきましょう。また「首をひねる」は単に首を捻挫したときにも使われる言葉です。こちらは文脈から読み取っていきましょう。

その3「訝る(いぶかる)」

「訝る」はあることが何か変だと思い、疑わしく思ったり不審がる様子を表しています。こちらも「首を傾げる」とほとんど同じ意味をもった類義語です。しかしこちらは古めかしい表現のため、「首を傾げる」よりも使用される頻度が少なくなっています。

その他「訝った(いぶかった)」・「訝しむ(いぶかしむ)」などと活用されることも。こちらもあわせて覚えておきましょう。

「首を傾げる」の対義語は?

つづいて「首を傾げる」の対義語についても確認していきましょう。「首を傾げる」には明確に対義語とされている語はありません。しかしその意味から連想してみると次の単語が思い浮かびます。

「合点(がてん)がいく」

「合点がいく」はあることがよく理解できる、納得できることを表した言葉です。「首を傾げる」はあることを疑問に思う・不審に思うことを表した単語でしたが、それに対してこちらはそうした疑問がスッキリ解消され、納得がいったことを伝える単語となっています。

「首を傾げる」の英訳は?

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つづいて「首を傾げる」の英語訳についても確認していきましょう。

その1「look doubtful」

「look doubtful」は疑わしく見えるという意味になり、「首を傾げる」の疑問に思っている様子を表現することができます。こちらは「首を傾げる」と違い、首を傾けている仕草の意味は無くなっているため注意が必要です。こうしたニュアンスの違いに注意して使用していきましょう。

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その2「tilt one's head」

tilt one's head」は頭を傾けるという意味になり、「首を傾げる」の首を傾ける動作を伝えることができます。また「首を傾げる」の訳がわからず首を傾けているニュアンスを表現するには、「tilt one's head in confusion」といった形で理由を限定することで表現していきましょう。

「首を傾げる」を使いこなそう

この記事では「首を傾げる」の意味・使い方・類語などを説明しました。「首を傾げる」は人が疑問や不審を覚えた際にしてしまいがちな、首をすこし傾ける仕草を比喩した言葉です。実際に使う場合は、この意味をしっかり捉えて使用していきましょう。

また類義語には「小首を傾げる」、「首をひねる」、「訝る」などがありました。それぞれ少しづつニュアンスが違うため、細かい意味や使われる場面を確認しつつ、使い分けていきましょう。今回の記事が皆さんの参考になっていれば幸いです。

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【慣用句】「首を傾げる」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

「首を傾げる」の使い方・例文

「首を傾げる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.書類は確かにデスクの上に置いておいたはずなのに、見当たらず首を傾げる。
2.彼は私の説明に疑問を感じたのか、首を傾げて見せた。
3.一般常識の中には、思わず首を傾げたくなるような馬鹿馬鹿しいものがある。

「首を傾げる」は例文のように、なにか疑問や不審に思うことがあり、首が傾く様子を表して使います。確かに置いておいたはずの物が無くなっており、そんなはずないのにと、どこか不審に思う。相手からの説明に納得がいかず、首を軽く傾けて疑念がある雰囲気を見せる。

通例、正しいこととされている事が、本当は間違っているのではないかと主張する。「首を傾げる」はこうしたシチュエーションでの様子を表現しています。「首を傾げる」を実際に使う際は、こうしたニュアンスに注意して使っていくようにしていきましょう。

「首を傾げる」の類義語は?違いは?

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続いて「首を傾げる」と関連した類義語・違いについて確認していきましょう。よく似た表現との違いを確認することで、「首を傾げる」という言葉の意味をより深く理解することができます。

その1「小首を傾げる」

「小首を傾げる」は前述の通り「首を傾げる」とほとんど同じ意味で使われている類義語です。疑問に思う・不審に思う様子を表す点はまったく同じですが、「小首を傾げる」は首を傾けて思案をめぐらせる様子を表すことも。「小首を傾げる」を使う際は、こちらのニュアンスに注意して使い分けていきましょう。

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