この記事では「気が立つ」について解説する。

端的に言えば気が立つの意味は「いらだつ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役のオンライン塾講師でライターのななを呼んです。一緒に「気が立つ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/なな

現役のオンライン塾講師であり、現在はライターとしても活動している。作文の添削をする際にひたすら辞書を引いた経験から、正しい日本語について常に考えるようになった。日本語の奥深さを伝えたいという熱い思いをもっている。

「気が立つ」の意味や使い方まとめ

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それでは早速「気が立つ」の意味や使い方を見ていきましょう。

「気が立つ」の意味は?

「気が立つ」には、次のような意味があります。

心がいらだつ。興奮する。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「気が立つ」

「気が立つ」とは、「いらいらしている」「いらだちで興奮している」という意味です。「気」が「立つ」と、どうして「いらだつ」という意味になるのでしょうか?ここでの「立つ」の意味も国語辞典で確認してみましょう。

何かの作用や刺激による変化・変動に伴い、何ものかが積極的な状態に在ることが認められる。

出典:新明解国語辞典 第六版(三省堂)「立つ」

「立つ」にはさまざまな意味がありますが、そのひとつに「何かの刺激によって積極的な状態になっている」という意味があります。ここでは嫌なことや不安なことが刺激となって、気持ちが高ぶっている状態を「立つ」と表現しているのですね。

\次のページで「「気が立つ」の使い方・例文」を解説!/

「気が立つ」の使い方・例文

「気が立つ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.息子は大学受験を目前にして気が立っている。

2.仕事の納期に追われ、社員は皆気が立っている。

3.隣家の飼い犬は気が立っているのか、しきりに吠えている。

1の例文では、その後の人生を左右するかもしれない「大学受験」を目の前にし、焦りや不安からいらだっている学生の様子が分かります。模試の連続で結果に一喜一憂したり、周りと比べてしまったり、心が穏やかではいられない受験期のいらだちが想像できますね。

2つ目は、会社員が「仕事の納期」に追い立てられていらいらしているという内容です。締め切りが迫っているのに仕事が終わらず、皆が焦って社内全体がピリピリしてしまう様子が伝わってきます。

そして、気が立つのは人間だけではありません。何かをきっかけとして犬が興奮している例が3番目の文章です。犬が吠えていたり猫が毛を逆立てていたり、動物にも「気が立つ」を使えるでしょう。人間も動物も神経が高ぶっている状態であることに、「気が立つ」を使うヒントがありそうです。

「気が立つ」の類義語は?違いは?

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次に、「気が立つ」の類義語を確認していきます。

その1「頭に来る」

怒りでかっとなることを表すのが「頭に来る」です。よく「悪口を言われて頭に来た!」のように使いますね。「気が立つ」がいらいらしているニュアンスなのに対し、「頭に来る」は怒りの感情に焦点が当たった表現といえそうです。普段簡単に使っている言葉こそ、今一度しっかり意味合いをおさえておきましょう。

その2「気色ばむ」

「気色」には「表情などにあらわれる心の状態」という意味があり、「気色ばむ」は怒りを顔色にあらわすことです。「けしきばむ」と読み、「彼は気色ばんでどこかに行ってしまった」のように使います。

\次のページで「その3「色をなす」」を解説!/

その3「色をなす」

「色をなす」は「気色ばむ」と似ており、怒りで表情を変えるという意味です。「色」という漢字一字だけで「顔色」という意味をもちます。

その4「癇に障る」

「癇に障る」は日常的に使用しますね。「かんにさわる」と読み、気に入らずに腹立たしいと思うという意味です。新明解国語辞典におもしろい解説があったので紹介します。

第三者から見れば何でもないような事が原因になって、腹を立てやすい状態になる。

出典:新明解国語辞典 第六版(三省堂)「癇 用例:癇にさわる」

確かに「癇に障る」原因となっているものを考えると、「あの人の言葉遣いが癇に障る」というような、些細な他人の言動である場合が多いような気もします。

「気が立つ」の対義語は?

「気が立つ」について特定の対義語は見つかりませんでした。参考に、「いらだつ、興奮する」の反対に「落ち着く」などの意味をもち、「気」から始まる表現をいくつか紹介します。

その1「気を静める」

「気を静める」は気持ちを落ち着かせることを表します。「試験の結果が不安だが、精一杯やったと言い聞かせて気を静めた」などと使えるでしょう。

その2「気が長い」

のんびりとして焦らない様子を意味するのは「気が長い」です。「あの人は気が長いタイプだ」などと使いますね。また、とても時間がかかる物事を指して「20年もかかるなんて気が長い話だ」と使うこともあります。

\次のページで「その3「気が抜ける」」を解説!/

その3「気が抜ける」

それまでの緊張や張り合いがなくなることを表し、「大会が中止になって気が抜けてしまった」などと使います。また炭酸飲料などの風味がなくなったときにも使われる表現です。

似たような表現で「気が緩む」があり、「受験が終わって気が緩んだ」はよく聞くフレーズなのではないでしょうか。

「気が立つ」の英訳は?

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「気が立つ」を英訳するとどのような表現になるのでしょうか?

その1「get nervous」

「気が立つ」は「get nervous」で表せるでしょう。「nervous」は「心配して」という意味が代表的ですが、「気が立つ」がもつ神経が過敏になっている意味合いを表現できる英単語です。「トムは試験前で気が立っていた」は「Tom got nervous before his exams.」と英訳できます。

その2「be irritated」

「irritated」は「いらいらした」という意味をもちます。「I'm irritated by the noisy children.」というと、「私はうるさい子どもたちにいらだっている」という意味です。

その3「get excited」

「excited」は「興奮した」の意味でよく知られていますが、「気が立った、落ち着かない」を表現することができます。「She got excited before the match.」 は「彼女は試合の前で気が立っていた」という意味です。

「気が立つ」を使いこなそう

この記事では「気が立つ」の意味・使い方・類語などを説明しました。「気が立つ」は「いらだっている、興奮している」を表すのでしたね。あなたが期限などに追われていらいらしているとき、「気が立っている」と使ってみましょう。

今回は「いらだち」や「怒り」についての慣用句を紹介しました。ひとつの言葉を調べたときには、関連する用語もまとめて覚えることがおすすめです。さまざまな感情に関する慣用句をマスターして、語彙力アップを目指しましょう!

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国語言葉の意味

【慣用句】「気が立つ」の意味や使い方は?例文や類語を現役塾講師ライターがわかりやすく解説!

この記事では「気が立つ」について解説する。

端的に言えば気が立つの意味は「いらだつ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

現役のオンライン塾講師でライターのななを呼んです。一緒に「気が立つ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/なな

現役のオンライン塾講師であり、現在はライターとしても活動している。作文の添削をする際にひたすら辞書を引いた経験から、正しい日本語について常に考えるようになった。日本語の奥深さを伝えたいという熱い思いをもっている。

「気が立つ」の意味や使い方まとめ

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それでは早速「気が立つ」の意味や使い方を見ていきましょう。

「気が立つ」の意味は?

「気が立つ」には、次のような意味があります。

心がいらだつ。興奮する。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「気が立つ」

「気が立つ」とは、「いらいらしている」「いらだちで興奮している」という意味です。「気」が「立つ」と、どうして「いらだつ」という意味になるのでしょうか?ここでの「立つ」の意味も国語辞典で確認してみましょう。

何かの作用や刺激による変化・変動に伴い、何ものかが積極的な状態に在ることが認められる。

出典:新明解国語辞典 第六版(三省堂)「立つ」

「立つ」にはさまざまな意味がありますが、そのひとつに「何かの刺激によって積極的な状態になっている」という意味があります。ここでは嫌なことや不安なことが刺激となって、気持ちが高ぶっている状態を「立つ」と表現しているのですね。

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