
端的に言えば一杯食わせるの意味は「人をうまくだますこと」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は日本文学部卒の現役WEBライター、ヒマワリを呼んです。一緒に「一杯食わせる」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/ヒマワリ
今回の記事を担当するのは、日本文学科卒で現役ライターのヒマワリ。専攻は近代文学だが、古典からマンガまで幅広く読んでいる。受験生家庭教師の経験を生かして、「一杯食わせる」についてわかりやすく丁寧に説明していく。
「一杯食わせる」の意味や語源・使い方まとめ

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「一杯食わせる」は「いっぱいくわせる」と読みますね。日常会話でも使われる身近な慣用句ですね。「食わせる」と言うことは何かを食べさせることなのでしょうか?なぜ「だます」ことが「食わせる」なのでしょう。
それでは早速「一杯食わせる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「一杯食わせる」の意味は?
まず初めに「一杯食わせる」の正確な意味を辞書からの引用で確かめてみましょう。「一杯食わせる」には、次のような意味があります。
1.うまく人をだます。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「一杯食わす」
「一杯食わせる」は、何かをたくらんで、うまく人をだますことを言います。辞典によっては「一杯食わす」と表示されているものもありますね。
騙される側の受動的な表現は「一杯食う」「一杯食わされる」となります。こちらの言い回しも併せて覚えておきましょう。
「一杯食わせる」の語源は?
次に「一杯食わせる」の語源を確認しておきましょう。実は「一杯食わせる」の由来ははっきりとしていないのですが、有力な説を二つ紹介します。
まず一つめは、企んだ相手に得体の知れない物を一杯食べさせられる意味合いがある、と言う説です。この説は、昔話で狸や狐に化かされてご馳走にみせかけた変な物を食べさせられると言う発想からきたのではないかと考えている人もいます。
もう一つは「食わす」と言う言葉がもともと「だます」と言う意味を持っていて、「食わす」と言う字を使うことから食べ物のように「一杯」と後付けしたのだと言う説です。悪いことを企んで人を騙すような人のことを「食わせ者」と言いますね。実際古語では、「食わす」は「くはす」と書き、だます、と言う意味を持っていたので、確かに信ぴょう性があるかも知れませんね。
今のところ「一杯食わせる」の語源は明確にはわかっていません。
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