
その2「肴三層倍」
「肴三層倍(さかなさんそうばい)」は、「花八層倍」「薬九層倍」と同じく、仕入れ値に対して売価を高く設定できてもうかる商売の例えです。他にも「呉服五層倍(ごふくごそうばい)」というのもあります。「肴」が「三」、「呉服」が「五」、「花」が「八」、「薬」が「九」、「百姓」が「百」といずれも語呂合わせなのですね。当時は、直接言うと角が立つものと考えて、このように語呂合わせにしてうらやましさや嫉妬心をうまく表現したのだと考えられています。
「坊主丸儲け」の対義語は?
「坊主丸儲け」と反対の意味を持つ言葉を見ていきましょう。
「丸損」
「坊主丸儲け」の対義語というのは特にありません。元手がかからずに利益が出る商売なんて、そうそうないですよね。「丸儲け」の対義語として、ここでは「丸損(まるぞん)」をあげておきます。「丸損」は「利益が全くなくすべて損失となること」を意味する言葉です。儲けが出るどころかすっかり損をしてしまうなんて、なんだか悲しいことですね。
「making a profit without investing anything」
「making a profit without investing anything」は直訳すると「投資をせずに利益を得る」という意味になります。「坊主丸儲け」という日本語を逆に直訳すると「monks make pure profit」などということになりますが、これではあまりしっくりきません。日本語を意訳して「投資をせずに利益を得る」とした方が伝わる英語になりそうですね。
\次のページで「「坊主丸儲け」を使いこなそう」を解説!/