
端的に言えば坊主丸儲けの意味は「収入の全部がもうけになる」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んです。一緒に「坊主丸儲け」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハル
日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。
「坊主丸儲け」の意味や語源・使い方まとめ

「坊主丸儲け」という言葉をご存知ですか。お坊さんに対してそんなことを言ってしまっていいのでしょうか。どんな意味を持つ言葉でしょう。それでは早速「坊主丸儲け」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。
「坊主丸儲け」の意味は?
まず初めに、「坊主丸儲け」の意味を国語辞典で確認してみましょう。「坊主丸儲け」には、次のような意味があります。
僧侶は元手がいらないので、収入の全部がもうけになるということ。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「坊主丸儲け」
「坊主丸儲け」の読み方は「ぼうずまるもうけ」です。坊主、つまり仏教上の僧侶という仕事は、元手や経費がかからず税金も払わないので、収入のほとんどすべてがそのまま利益(儲け)になるということを意味しています。元手なしで、思いがけずに儲かった時に言う言葉です。
「坊主丸儲け」の語源は?
次に「坊主丸儲け」の語源を確認しておきましょう。
「花八層倍(はなはっそうばい)、薬九層倍(くすりくそうばい)、お寺の坊主は丸儲け」という昔からある言葉の最後の部分です。「花八層倍」も「薬九層倍」も売価が原価に比べて著しく高い商売で、語呂合わせの妙を狙いながら暴利をむさぼることを例えたことわざなのですよ。その最後に来た坊主は、元手さえもかからずに利益が丸々儲けになるということで、このように言われるようになりました。かつてお寺は檀家のものであり、そこへお坊さんを招いて住職に就いてもらっていました。お寺は檀家のものですから、維持管理費も、お坊さんを養うのも檀家の負担なのです。つまりお坊さんは、お寺に雇われれば、何の元手もなく衣食住すべての面倒を見てもらえたというわけなのですね。ちなみに現代では、お寺は宗教法人になっていて、その当時のように「丸儲け」というわけにはいかないようですよ。
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