端的に言えば目に映るの意味は「見える」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「目に映る」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/柊 雅子
イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊 雅子。この二年間で「目に映るものが何の変哲もない普通の生活であることの幸せ」を実感した彼女が「目に映る」について解説する。
「目に映る」の意味は?
デジタル大辞泉には「目に映る」という言葉は掲載されていません。
そこでここでは「目」と「映る」に分けて調べてみます。
「目」には多くの意味がありますが、「目に映る」の「目」は次のような意味で用いられています。
1.物を見る働きをする器官。光線・色などを感受して脳に送る感覚器官で、脊椎動物では眼球およびその付属器の涙腺などと視神経からなる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「目」
続いて「映る」の意味です。
1.姿・形・影などが、反射や投影によって、他の物の上に現れる。
2.映像がスクリーンやブラウン管などの上に現れる。
3.色や物の配合がよく、つりあいがとれている。また、付属的なものが本体と調和する。
4.人の目にある印象を与える。映ずる。
「彼の目に映ったのはシャッターを閉めたままの商店街と、マスクをして無言で歩く人々の姿だった」「大きな虹が私の目に映った」…「目に映る」はこのような使い方をされます。
「映る」にはいくつかの意味がありますが、「目に映る」の「映る」はデジタル大辞泉の1の意味で用いられていますね。「目に映る」は「目の網膜に像が現れ、その像を能が認識すること」、つまり「見える」ということなのです。しかし、日常生活では「見える」ということを「目に映る」と表現することはあまりありません。日常会話で「こちらに走ってくる彼の姿が目に映った」とは言いませんよね。「こちらに走ってくる彼の姿が見えた」というのが自然な表現でしょう。
「目に映る」は「活字を通して目にする言葉」と言えますね。
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