
端的に言えば「死なば諸共」の意味は「死ぬときは一緒だ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
高校で国語教師をしていた経歴を持つ、現役ライターのhiyoriを呼んです。一緒に「死なば諸共」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/hiyori
大学で近現代日本文学を専攻し、その知識を生かして国語教師として教壇に立っていた経歴を持つ。現在はライターとして様々な情報を発信している。難しい言葉もわかりやすい説明で解説していく。
「死なば諸共」の意味や語源・使い方まとめ

みなさんは「死なば諸共」という言葉をご存知ですか?ドラマや映画、小説などで追い詰められた犯人が口走ることの多い言葉ですが、詳細な意味を知らずにみているなんて人も多いのではないでしょうか。今回は、そんな「死なば諸共」について詳しく解説していきたいと思います。
それでは早速「死なば諸共」の意味や使い方を見ていきましょう。
「死なば諸共」の意味は?
「死なば諸共」には、次のような意味があります。
死ぬときは一緒だ。連帯の意、あるいは最後の開き直りの意でいう。
出典:大辞林 第3版(三省堂)
「死なば諸共」は「しなばもろとも」と読む慣用句です。「死ぬ」の未然形である「死な」に接続詞「ば」が付くことで、「もし死ぬならば」という仮定を意味します。そこに「一緒に」という意味の「諸共」が付くことで、「もし死ぬならば一緒だ」「死ぬときは一緒だ」という連帯の意を表すのです。また、考えうるすべての手段が尽きてどうしようもならない場合などに、最後の開き直りとして用いられることもあります。
もともとは、「死ぬときは一緒なのだから、諦めずに最後まで一緒に頑張ろう」という意味で用いられていました。しかし、意味が転じて「相手も道連れにしてやる」というネガティブな意味でも使用されることもあります。
小説や漫画など、主人公が悪役を追い詰めるシーンで度々登場する「死なば諸共だ!」というセリフは、自暴自棄になった犯人が主人公も道連れにしてやると脅していることを表すのです。現代では、最後の開き直りや切羽詰まった際やネガティブなシーンなどを対象に用いられることのほうが多いので注意しましょう。
「死なば諸共」の使い方・例文
「死なば諸共」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
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