この記事では「瑠璃も玻璃も照らせば光る」について解説する。

端的に言えば瑠璃も玻璃も照らせば光るの意味は「すぐれた才能や素質をもつものは、どこでも目立つ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

漢検準一級を保持しており言葉に詳しいたきじを呼んです。一緒に「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/たきじ

国立大学卒、漢検準一級保持のライター。高校時代の得意科目は国語と英語。漢字の意味やことわざ、熟語が好きで、新しい言葉を覚えるのが得意。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の意味や語源・使い方まとめ

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「瑠璃も玻璃も照らせば光る」ということわざをご存知でしょうか。日常ではあまり耳にすることがないことわざかと思います。どのような意味や語源を持っているのでしょうか。

それでは早速「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の意味は?

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」には、次のような意味があります。

すぐれた素質や才能をもつものは、どこにいても目立つというたとえ。瑠璃も玻璃も照らせば分かる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「瑠璃も玻璃も照らせば光る」

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」は「るりもはりもてらせばひかる」と読みます。優秀な人物やすぐれた素質をもつものは、たとえどんな場所にいたとしても目立つということをたとえており、江戸いろはかるたでも使われていることわざです。「照らせば光る」という部分から、明かりのある場所、つまりどのような場所でもすぐれた才能をもつものは目立つということを表しています。

また、優秀なものは、活躍の場を与えられれば本領を発揮するという意味でも使われるので覚えておきましょう。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の語源は?

次に「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の語源を確認しておきましょう。

「瑠璃」と「玻璃」はどちらも貴重な宝玉を表しています。「瑠璃」は青色で別名「ラピスラズリ」ともいい、「玻璃」は無色透明な水晶です。この2つは昔から非常に価値がある宝石とされてきました。

『無量寿経』(むりょうじゅきょう)という大乗仏教の経典では、金・銀・瑠璃・玻璃・硨磲(しゃこ)・珊瑚(さんご)・瑪瑙(めのう)を七宝(しっぽう)と言われており、特別な宝石であるため照らせば光ってすぐに分かることから転じてすぐれた素質や能力をもつものはどこにいても目立つという意味で使われるようになったのです。

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「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の使い方・例文

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

1.ともこの文才は飛びぬけているので、瑠璃も玻璃も照らせば光るというように、瞬く間に有名な作家になるだろう。
2.健太は非常に賢いので、瑠璃も玻璃も照らせば光るで普通に過ごしていても目立ってしまう。
3.なつなは元々運動能力が高いので、大会に出場さえしてしまえば瑠璃も玻璃も照らせば光るように実力を発揮して大活躍するはずだ。

例文のように、「瑠璃も玻璃も照らせば光る」はすぐれた素質や才能をもつものはどこにいても目立つということをたとえたことわざです。どこにいても目立ってしまうほど人並外れた能力や才能を表現したいときに使うことができます。例文1、2のように文学や勉強の才能を表したいときや、例文3のように身体能力について表したいときに特に使いやすいでしょう。

また例文3では、「すぐれた才能がどこにいても目立つ」というよりも、「優秀なものは機会さえあれば実力を発揮する」という意味で使用しています。文脈に合わせて使い分けていきましょう。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の類義語は?違いは?

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「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の類義語やその違いについて見ていきましょう。

「紅は園生に植えても隠れなし」

「紅は園生に植えて隠れなし」(くれないはそのうにうえてもかくれなし)はすぐれたものはどこにいても人目に立つという意味のことわざです。「紅」は紅花(べにばな)、「園生」は花などを植える園のことであり、紅花は草の生い茂る庭園の中でもひときわ目立つことからこのような意味になりました。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」と同義ですが、こちらは「すぐれたものは機会があれば実力を発揮する」という意味はないため「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の方が少し応用の利くことわざだと言えるでしょう。

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「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の対義語は?

次に「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の対義語を見ていきましょう。

「縁の下の力持ち」

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」と意味が反対の言葉は、「縁の下の力持ち」(えんのしたのちからもち)だと言えます。「縁の下の力持ち」は、目立たないところで他人や周囲のために苦労をし支えることという意味の言葉です。「瑠璃も玻璃も照らせば光る」は優秀なものはどこにいても目立つという意味なのに対し、「縁の下の力持ち」は人目につかないところで苦労をして支えるという意味なので対義語としてふさわしいでしょう。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の英訳は?

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最後に「瑠璃も玻璃も照らせば光る」を英語でどのように表現するのか見ていきましょう。

その1「Great talent will stand out anywhere.」

great talentは「偉才」、stand outは「目立つ」という意味の言葉なので、この英文を直訳すると「偉才はどこでも目立つだろう」となり「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の英訳としてぴったりでしょう。outという単語は「他から外れている」というニュアンスなので、stand outで「他から外れて立つ」=「目立つ」と覚えるとイメージしやすいですよ。

その2「The sun seeth all things and discovereth all things.」

「優秀なものは機会を与えられれば実力を発揮する」という意味の場合は、「The sun seeth all things and discovereth all things.」が英訳として当てはまります。直訳すると「太陽はすべてを見て、すべてを見出す」となり「太陽は優秀なものを見抜く」という意味として考えることができるでしょう。

seethやdescoverthの「eth」というのは三人称単数形を表す単語ですが、現在では使われず古語にあたります。そのため文章にやや慣れないかと思いますが、太陽はすべてを見てすべてを見出すというニュアンスがわかれば大丈夫です。

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「瑠璃も玻璃も照らせば光る」を使いこなそう

この記事では「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しておきましょう。「瑠璃も玻璃も照らせば光る」とはすぐれた素質や能力をもつものはどこにいても目立つというさまをたとえたことわざです。類義語では「紅は園生に植えても隠れなし」を紹介しました。

学校生活や部活動、仕事や趣味など実に幅広いジャンルで「瑠璃も玻璃も照らせば光る」を体現したような人はいるものですよね。私自身幼少期から目立つ方ではなかったので、そのような人に強い憧れを抱いていた記憶があります。「瑠璃も玻璃も照らせば光るのは生まれ持ったセンスや才能があるからだ」とどうしても考えてしまうのですが、努力次第でどこまでも自分を磨いていくことは可能です。

自分が「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の対象になれるようそれぞれの道に向かって突き進んでいきましょう。この記事がみなさんの参考になれば幸いです。

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国語言葉の意味

【ことわざ】「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の意味や使い方は?例文や類語を漢検準一級ライターがわかりやすく解説!

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の使い方・例文

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。

1.ともこの文才は飛びぬけているので、瑠璃も玻璃も照らせば光るというように、瞬く間に有名な作家になるだろう。
2.健太は非常に賢いので、瑠璃も玻璃も照らせば光るで普通に過ごしていても目立ってしまう。
3.なつなは元々運動能力が高いので、大会に出場さえしてしまえば瑠璃も玻璃も照らせば光るように実力を発揮して大活躍するはずだ。

例文のように、「瑠璃も玻璃も照らせば光る」はすぐれた素質や才能をもつものはどこにいても目立つということをたとえたことわざです。どこにいても目立ってしまうほど人並外れた能力や才能を表現したいときに使うことができます。例文1、2のように文学や勉強の才能を表したいときや、例文3のように身体能力について表したいときに特に使いやすいでしょう。

また例文3では、「すぐれた才能がどこにいても目立つ」というよりも、「優秀なものは機会さえあれば実力を発揮する」という意味で使用しています。文脈に合わせて使い分けていきましょう。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の類義語は?違いは?

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「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の類義語やその違いについて見ていきましょう。

「紅は園生に植えても隠れなし」

「紅は園生に植えて隠れなし」(くれないはそのうにうえてもかくれなし)はすぐれたものはどこにいても人目に立つという意味のことわざです。「紅」は紅花(べにばな)、「園生」は花などを植える園のことであり、紅花は草の生い茂る庭園の中でもひときわ目立つことからこのような意味になりました。

「瑠璃も玻璃も照らせば光る」と同義ですが、こちらは「すぐれたものは機会があれば実力を発揮する」という意味はないため「瑠璃も玻璃も照らせば光る」の方が少し応用の利くことわざだと言えるでしょう。

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