この記事では「犬と猿」について解説する。

端的に言えば犬と猿の意味は「仲が悪い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大手企業に35年以上勤務し仕事でたくさんの文章を扱ってきたベテランのKAIKAIを呼んです。一緒に「仲が悪い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉や慣用句の意味には自信あり。

「犬と猿」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「犬と猿」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「犬と猿」の意味は?

「犬と猿」には、次のような意味があります。…などと文章を始めてください。(文章を増やす場合は200字程度まで)

仲の悪い間柄のたとえ。犬猿の仲。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「犬と猿」

「犬と猿」とはとても仲が悪いことを言います。犬と猿は仲が悪いとされており、人間関係でも例えとしてこの言葉が生まれました。「犬猿の仲」(けんえんのなか)といういうフレーズで使われることが多いですね。単に仲が悪いのではなく、お互いの姿を見かけただけで即座に喧嘩を始めるくらいに仲が悪いというニュアンスがあります。

「犬と猿」の語源は?

次に「犬と猿」の語源を確認しておきましょう。語源はいくつかの説がありますが、その中でも有名な干支の順番という説を紹介しましょう。

干支は十二支を決めるために神様から呼び出された動物が神様のもとへ到着した順に決められたとされています。犬と猿は最初は仲良く神様のもとへと進んでいましたが、猿が途中で犬にいたずらをして先に到着しました。このことをきっかけに犬は猿を憎むようになり両者は仲が悪くなったとされています。

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「犬と猿」の使い方・例文

「犬と猿」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.あそこの兄弟は顔を見るといつも喧嘩している。犬と猿のようだな。
2.犬と猿というけれど、うちの課長と隣の担当の課長はいつも敵視している。
3.私と母とは犬と猿のように最近喧嘩が絶えない。昔はなかよしだったのだが
4.あいつとはチームがいっしょだが、犬と猿で少しも協力し合えない。

例文を読むと「犬と猿」の関係は、お互いのことを単に嫌いと言うよりは、とても嫌いで毛嫌いするというニュアンスが読み取れますね。顔を見合わせれば一発触発で、まわりもあぜんとするほど激しい口論が交わされているシーンが目に浮かびます。

「犬と猿」の類義語は?違いは?

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「犬と猿」の類義語は何でしょうか。

その1「そりが合わない」

「そりが合わない」とは「お互いの考えや性格が異なるためうまくやっていけない」という意味です。「そり」とは刀が反り返っていることで、さやの曲がり具合に合ってないと刀を収めることができないことから、不仲な人間関係についてもそのように表現されるようになりました。「仕事ではあいつとはどうもそりが合わない」などと使います。

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その2「水と油」

「水と油」とは「お互いに気が合わずに反発しあって打ち解けないこと」の意味です。水と油はけっして混ざることがないので人間関係に例えて使われるようになりました。「営業部門と企画部門は水と油の関係なので調整が難しい」などと言います。

その3「不倶戴天」

「不倶戴天」(ふぐたいてん)とは「同じ天の下で生きていくことができないほどお互いを憎んでいること」の意味です。「不倶」とは「一緒生きていけない」という意味になります。「戴天」とは「天をいただく」ということで、言い変えれば「この世で生きていくこと」の意味です。語源は中国の「礼記」で父親を殺された息子は必ず復讐をしなければならないと語った言葉になります。「彼は自分を裏切った仲間に対して不倶戴天を誓った」などと言うのです。「戴」という漢字は「載」ではありませんので注意しましょう。

「犬と猿」の対義語は?

「犬と猿」の対義語は何でしょうか。

その1「魚と水」

「魚と水」(うおとみず)とは「水と魚のようにお互いを切り離すことができないような大変親密な仲」のことです。あるいは「夫婦仲がいいこと」の意味もあります。語源は中国の三国志にある蜀(しょく)の国の劉備(りゅうび)という武将と諸葛孔明(しょかつこうめい)という軍師の仲について「猶(な)お魚の水あるがごとし」(われわれの仲は水と魚のようだ)と語ったことにあるのです。

その2「水魚の交わり」

「水魚の交わり」(すいぎょのまじわり)とは「水と魚のように切り離せない親密な仲」の意味です。水と魚のように切り離すことのできない仲ということですね。類義語のその1にあげた「魚と水」と同じ意味になり、こちらは言い方を変えたことわざです。「小学校から一緒の彼女とはもう40年の付き合いで、まさに水魚の交わりですね」などと言います。

その3「刎頸の交わり」

「刎頸の交わり」(ふんけいのまじわり)とは「相手のためなら首を切られても悔いがないほど親密な仲」という意味です。中国の史記に書かれた故事がその語源となっています。「刎頸」とは「首を切る」ことで「交」とは「交わり」という意味です。「彼とは長い付き合いで、よく議論もしたが今では刎頸の交わりの仲です」などと使います。

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「犬と猿」の英訳は?

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「犬と猿」の英訳は何でしょうか。

「fight like cats and dogs」

英語で「犬と猿」は「fight like cats and dogs」と言います。英語ではイヌと仲が悪いのはサルではなく猫という単語が使われているのです。その他のも「hate each other」と言います。日本語の「犬と猫」を直訳すれば「They agree like cats and dogs」です。

「犬と猿」を使いこなそう

この記事では「犬と猿」の意味・使い方・類語などを説明しました。

犬と猿は実際はそれほど仲は悪くないと言われています。しかし、お互いに仲間意識や縄張り意識の強い生き物なのでそのようにとらえられてしまったのかもしれません。

日常生活やビジネスシーンにおいて、犬猿の仲と言われる人は必ずいるものです。相手はこういう人だと勝手に思い込んで先入観を持つこともありますね。しかし、相手の悪い点ではなくいい点を探すようにするのがおすすめです。相手に対するさまざまな嫌悪感も薄れてくるのではないでしょうか。お互い気持ちよく協力し合って生きていくことが楽しい人生に繋がってくるのだと思います。

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国語言葉の意味

【ことわざ】「犬と猿」の意味や使い方は?例文や類語をたくさんの文章を扱ってきたライターがわかりやすく解説!

この記事では「犬と猿」について解説する。

端的に言えば犬と猿の意味は「仲が悪い」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

大手企業に35年以上勤務し仕事でたくさんの文章を扱ってきたベテランのKAIKAIを呼んです。一緒に「仲が悪い」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/KAIKAI

東京の大手企業に35年以上勤務し、仕事でたくさんの文章を扱ってきた経験を持つ。学生時代から国語が得意で言葉や慣用句の意味には自信あり。

「犬と猿」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「犬と猿」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「犬と猿」の意味は?

「犬と猿」には、次のような意味があります。…などと文章を始めてください。(文章を増やす場合は200字程度まで)

仲の悪い間柄のたとえ。犬猿の仲。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「犬と猿」

「犬と猿」とはとても仲が悪いことを言います。犬と猿は仲が悪いとされており、人間関係でも例えとしてこの言葉が生まれました。「犬猿の仲」(けんえんのなか)といういうフレーズで使われることが多いですね。単に仲が悪いのではなく、お互いの姿を見かけただけで即座に喧嘩を始めるくらいに仲が悪いというニュアンスがあります。

「犬と猿」の語源は?

次に「犬と猿」の語源を確認しておきましょう。語源はいくつかの説がありますが、その中でも有名な干支の順番という説を紹介しましょう。

干支は十二支を決めるために神様から呼び出された動物が神様のもとへ到着した順に決められたとされています。犬と猿は最初は仲良く神様のもとへと進んでいましたが、猿が途中で犬にいたずらをして先に到着しました。このことをきっかけに犬は猿を憎むようになり両者は仲が悪くなったとされています。

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