
端的に言えばやれの意味は「おやおや」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
国立大で国語学を学んだライターのタケルを呼んです。言葉の解説を得意としていて、大学時代はクイズサークルに所属していたので雑学にも詳しい。一緒に「やれ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/タケル
某国立大で日本語学を専攻。ライターの仕事にやりがいを感じてはいるものの、やれ下調べだ誤字チェックだとなかなか面倒だ。納品を済ませるたびに、いつもやれやれとため息をつく。
「やれ」の意味は?
まずは「やれ」が辞書ではどう記載されているのか見てみましょう。ただし、かなり細部にわたって長く記載されているため、おおよそのイメージさえつかめれば問題ありません。
1.困難や不安が解消したときに発する語。やれやれ。「やれ、助かった」
2.喜びを感じたり、意外な幸運を知ったりしたときに発する語。「やれ、うれしや」
3.呼びかけるとき、注意を引き起こすときに発する語。やあ。おい。「やれ待て」
4. 困難や失敗に気づいたときに発する語。やあ。おや。「やれ、またしくじった」
5. 他人の不幸や不運を知り同情するときに発する語。まあ。やあ。ほんとに。「やれ気の毒な」
6. (「やれ…だ…だ」などの形で)同類の事柄を二つ取り立てて述べ、同じようなことが頻繁に言われたり行われたりするときにいう語。「やれ敷金だ礼金だと、いろいろ金がかかる」「やれ節句だやれ誕生日だと、お祝いが重なる」
7. 民謡などの囃子詞(はやしことば)。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「やれ」
まず、ここで説明する「やれ」は、「早く宿題をやれ」などと命令文で使う「やれ」ではありません。それは「やる」という動詞の命令形「やれ」であり、辞書では「やれ」ではなく「やる」を見ることになります。
また、前に掲げた「やれ」の意味のうち、7番「民謡などの囃子詞(はやしことば)」は日常でほとんど使いません。6番の並列を表す「やれ〜だ〜だ」については、別の項目で説明します。
残るは辞書の1〜5番の意味です。意味を説明するという役割がある以上、辞書には「やれ」について細かく分類されています。しかし、機能面だけで説明すれば、すべて感情や応答などを1語で表すというものです。そういった機能がある言葉を感嘆詞と呼びます。
「やれ」の使い方・例文
「やれ」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
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