「すすり泣き」の使い方・例文
「すすり泣き」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。
1.大学の恩師の葬儀に参列し、かつての学生たちは皆すすり泣いた。
2.仕事で失敗してしまい、会社のトイレに隠れてすすり泣いた。
3.高校のクラスメイトとけんかをしたらしく、娘の部屋からすすり泣きが聞こえてきた。
1つめの例文は、お世話になった先生の死という深い悲しみに直面し、葬儀の場で泣いている様子です。他の参列者がいる場では声をあげるわけにもいかず、泣き声を抑えて鼻をすすりながら泣いていることが想像できますね。
2の例文からは、泣かずにはいられないけれども、泣いているのを隠したいことがうかがえます。仕事で失敗してしまったという悲しみから、トイレに隠れて鼻をすすって泣いているのです。
3つめの例文の「すすり泣きが聞こえてきた」とは、時どき鼻をすすっている音が聞こえ泣いていることが分かったということ。確かに、泣き声は聞こえなくとも何度も鼻をすすっている音が聞こえてくれば、「泣いているのでは?」と思いますよね。
その1「むせび泣き」
「すすり泣き」の類語として「むせび泣き」があげられます。漢字表記は「噎び泣き」または「咽び泣き」です。国語辞典で意味を確認してみましょう。
息が詰まるほど激しく泣く。声をのみこむようにして泣く。むせかえる。
出典:デジタル大辞泉(小学館)「むせびなく」
「むせび泣き」は「すすり泣き」同様、声を抑えて泣くことではありますが、すすり泣きよりも激しく泣く様子が伝わってきます。「悲しみのあまり声を詰まらせて泣いている様子」だといえるでしょう。
その2「嗚咽」
「嗚咽」は「おえつ」と読み、「声をつまらせるように泣くこと」を表します。「むせび泣き」と同じ意味をもつため「すすり泣き」の類語といえるでしょう。「嗚咽する」のように使用します。
その3「忍び泣き」
「忍び泣き」は漢字が表す通り、「人目を忍んで声を出さずに泣くこと」を意味します。声を抑えて泣くという意味においては「すすり泣き」の類義語といえますが、「人目をはばかること」に重きが置かれている表現でしょう。
その4「慟哭」
ここまでは「声をあげずに泣くこと」を表す言葉を見てきましたが、「声をあげて泣くこと」を意味する用語も確認しておきましょう。
「慟哭」は「どうこく」と読み、泣き声を抑える「すすり泣き」とは違い、「深い悲しみから声をあげて泣くこと」という意味です。同じような言葉に「号泣」があります。「号泣する」は日常的に使用しますね。単に激しく泣く様子というよりも「大きな声をあげて泣くこと」を表します。
「すすり泣き」の対義語は?
「すすり泣き」の特定の対義語はみつかりませんでした。ただ、「泣く」の反対を「笑う」と考えると、「声をあげて笑うこと」を意味する用語が、「すすり泣き」の反対の意味をもつ言葉だといえます。いくつか用語を見ていきましょう。
その1「高笑い」
「高笑い」は「無遠慮に大声で笑うこと」という意味です。同じような意味を表す言葉に「哄笑」があり、「こうしょう」と読みます。
その2「腹を抱える」
「腹を抱える」はよく使う表現ですね。「おかしくて大笑いする」という意味です。同じ文字を使った四字熟語に「抱腹絶倒」があり、「ひっくり返ってしまうほどの大笑い」を表します。
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