この記事では「目星を付ける」について解説する。
端的に言えば「目星を付ける」の意味は「およその目当てをつける、見当をつける」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
ライターのflickerを呼んです。一緒に「目星を付ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/flicker

仕事柄、言葉からひらめきをもらうことがよくある。「なるほど。そういうことか!」と言葉への知識・関心がさらに一層広がるように、さらに編プロでの編集経験を活かし理解しやすい精確な解説を心掛ける。

「目星を付ける」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「目星を付ける」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「目星を付ける」の意味は?

「目星を付ける」には、次のような意味があります。

だいたいこうだろうと見込みを立てる。見当をつける。また、目標にする。目をつける。

出典:コトバンク

「目星を付ける」はおおよそこうだろうと見当や見通しをつけるという意味の慣用句です。多くは犯人など人について言いますよ。

「目星を付ける」の語源は?

次に「目星を付ける」の語源を確認しておきましょう。それでは「星」の漢字の成り立ちについて説明しましょう。「星」は三つの星を表す「日」と清らかな光の意味の音を示す「生」とを合わせた字。清らかに澄んだ明るい光を放つ「ほし」を表します

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「目星を付ける」の使い方・例文

「目星を付ける」の使い方について例文を挙げて解説していきます。この言葉は、たとえば以下のように用いられますよ。

1.表示されている機能やサービスにも注意して不具合が出ても困らないようにサイトにも目を通しておくこと。そしてそれらの家電の中から大体のものにめぼしをつける。

2.会社内の人物でめぼしをつけていた素敵な男性にアプローチをかける場合は、ご連絡くださいとお願いしてカップル限定のおすすめの場所に誘うのよ。

例文1からはしっかり品定めした上で商品購入を考えているしっかり者であることが読み取れます。また、例文2からは恋の指南を受けている様子が伝わってきますね。

「目星を付ける」の類義語は?違いは?

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「目星を付ける」と似たような意味をもつ言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

その1「たぶん」

「たぶん」は可能性が高いことを推量する様子を表し、「来るなと言っても彼はたぶん来るだろう」「英語がいちばんできるのはたぶん藤井さんだ」などのように述語にかかる修飾語として用いられます。しばしば推量の表現を伴いますよ。好ましい事柄についても、好ましくない事柄についても用いられます。ただし、話者の主観に基づく可能性の推量を表し、客観的な根拠は暗示されません。また、実現の可能性はそれほど高くなく、結果については特別の感情を暗示しません

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「たぶん」を使用する際のポイント

この「たぶん」は「おそらく」や「きっと」「どうやら」などに似ていますが、「おそらく」はややかたい文章語であらたまった発言などによく用いられ、ふつうあまり好ましくない事柄について「たぶん」よりも高い可能性での推量を表し、結果に対する危惧や疑問の暗示を伴いますし、「きっと」は話者が実現の可能性について確信をもっている様子を暗示し、「どうやら」は客観的な根拠に基づく判断を暗示します

したがって「明日はたぶん雪だろう」は「そんな気がする」、「明日は恐らく雪だろう」は「電車が止まると困るな」、「明日はきっと雪だろう」は「だいぶ冷え込むから」というニュアンスになりますよ。なお「目星を付ける」との違いは、「たぶん」は客観的な根拠は暗示されないという点です。

その2「さては」

「さては」は真相を推量する様子を表し、「車まで用意して。さては逃げるつもりなんだろう」などのように述語にかかる修飾語として用いられます。物事の原因や結果、相手の真意など、物事の真相について主観的に確信をもって推量する様子を表しますよ。「この辺が臭うけど、さては犯人はお前だな」は放屁の犯人を確信をもって推理しています確信の程度はとても高いので、しばしば断定の表現と呼応しますよ。

「さては」は「たぶん」や「きっと」などに似ていますが、「たぶん」「きっと」は推量一般について用いられ、真相を推量する場合とは限りません。そのため「夕焼けがきれいだから、さては明日は晴れだな」は誤用となり、正しくは「夕焼けがきれいだから、たぶん(きっと)明日は晴れだな」となりますよ。ちなみに「目星を付ける」との違いは、「さては」はしばしば断定の表現と呼応するという点です。

その3「恐らく」

「恐らく」は可能性の高いことを推量する様子を表し、「神経痛の膝が痛いから明日はおそらく雨だろう」「来るなと言っても彼はおそらく来るだろう」などのように述語にかかる修飾語として用いられますが、「パパ、今日も遅いの?おそらくね」のように述語部分を省略することもあります

また、述語部分には推量の表現を伴うことが多いややかたい文章語で、あらたまった会話などでは「たぶん」のかわりに用いられることも多いです。また、実現があまり好ましくない事柄について危惧の暗示を伴って推量する様子を表すことが多く、好ましい事柄の可能性を推量する場合には、ふつう「たぶん」「きっと」などを用います

「恐らく」を使用する際のポイント

したがって「英語がいちばんできるのはおそらく藤井さんだ」は誤用となり、正しくは「英語がいちばんできるのはたぶん藤井さんだ」となりますよ。ただし、「たぶん」は「おそらく」より実現の可能性が低く、「きっと」は実現の可能性について確信をもっている様子が暗示されます。また、「おそらく」の表す可能性はとても幅があり、ほとんど確実なもの、十中六七のものなどがありますが、いずれも主観的な根拠に基づく可能性の推量であって、客観的な根拠を暗示しません

この点で、客観的な根拠に基づいて判断する「どうやら」と異なります。そのため「天気予報によると明日はおそらく雪だろう」は誤用となり、正しくは「天気予報によると明日はどうやら雪らしい」となりますよ。なお「目星を付ける」との違いは、「恐らく」は危惧の暗示を伴って推量する様子を表す表現だという点です。

「目星を付ける」の対義語は?

「目星を付ける」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

「てんで」

「てんで」は考慮の及ぶ範囲外にある様子を表し、「彼女はてんで付き合ってくれなかった」「ママは僕の気持ちなんかてんでわかってない」などのように後ろに打消しの表現を伴う述語にかかる修飾語になりますくだけた表現で日常会話中心に用いられ、かたい文章中には登場しません対象が最初から考慮の及ぶ範囲外にあってまったく問題にならないというニュアンスで、慨嘆・侮蔑などの暗示を伴います

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「てんで」を使用する際のポイント

この「てんで」は「てんから」や「まるで」「まるっきり」に似ていますが、「てんから」のほうが侮蔑の暗示が少ない。また、「まるで」「まるっきり」は可能性を100%完全に否定するというニュアンスで、「まるで」より「まるっきり」の方が誇張的です。そのため「てんで話にならない」は「馬鹿にするな」、「てんから話にならない」は「初めから問題外だ」、「まるで話にならない」は「どこから見ても問題外だ」、「まるっきり話にならない」は「問題になるはずがない」というニュアンスになりますよ。

「目星を付ける」の英訳は?

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「目星を付ける」の英訳にはどのようなものがあるのでしょうか。英語で「目星を付ける」と言い表す時の例をさっそく見ていきましょう。

「mark something out」

「mark something out」は「何かをマークする」という意味です。「He mark something out it」で「彼は目星を付けていた」、「The bag I had mark something out has been sold」で「目星を付けていたカバンが売れてしまった」と訳すことができますよ。

「目星を付ける」を使いこなそう

この記事では「目星を付ける」の意味・使い方・類語などを説明しました。「目星を付ける」はおおよそこうだろうと見当や見通しをつけるという意味だと解説しましたね。ちなみに「目星を付ける」と同意義の言葉に「大方」が挙げられます。「大方」は可能性が高い様子を表しますよ。また、「大方」が「ほぼ」や「だいたい」に似ていますが、「ほぼ」は比較する両者の違いが少ないというニュアンスがありますし、「だいたい」は近似値を推量するニュアンスがあります。それぞれのニュアンスの違いを正しく理解しましょう。

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国語言葉の意味

【慣用句】「目星を付ける」の意味や使い方は?例文や類語をプロダクション編集者がわかりやすく解説!

「たぶん」を使用する際のポイント

この「たぶん」は「おそらく」や「きっと」「どうやら」などに似ていますが、「おそらく」はややかたい文章語であらたまった発言などによく用いられ、ふつうあまり好ましくない事柄について「たぶん」よりも高い可能性での推量を表し、結果に対する危惧や疑問の暗示を伴いますし、「きっと」は話者が実現の可能性について確信をもっている様子を暗示し、「どうやら」は客観的な根拠に基づく判断を暗示します

したがって「明日はたぶん雪だろう」は「そんな気がする」、「明日は恐らく雪だろう」は「電車が止まると困るな」、「明日はきっと雪だろう」は「だいぶ冷え込むから」というニュアンスになりますよ。なお「目星を付ける」との違いは、「たぶん」は客観的な根拠は暗示されないという点です。

その2「さては」

「さては」は真相を推量する様子を表し、「車まで用意して。さては逃げるつもりなんだろう」などのように述語にかかる修飾語として用いられます。物事の原因や結果、相手の真意など、物事の真相について主観的に確信をもって推量する様子を表しますよ。「この辺が臭うけど、さては犯人はお前だな」は放屁の犯人を確信をもって推理しています確信の程度はとても高いので、しばしば断定の表現と呼応しますよ。

「さては」は「たぶん」や「きっと」などに似ていますが、「たぶん」「きっと」は推量一般について用いられ、真相を推量する場合とは限りません。そのため「夕焼けがきれいだから、さては明日は晴れだな」は誤用となり、正しくは「夕焼けがきれいだから、たぶん(きっと)明日は晴れだな」となりますよ。ちなみに「目星を付ける」との違いは、「さては」はしばしば断定の表現と呼応するという点です。

その3「恐らく」

「恐らく」は可能性の高いことを推量する様子を表し、「神経痛の膝が痛いから明日はおそらく雨だろう」「来るなと言っても彼はおそらく来るだろう」などのように述語にかかる修飾語として用いられますが、「パパ、今日も遅いの?おそらくね」のように述語部分を省略することもあります

また、述語部分には推量の表現を伴うことが多いややかたい文章語で、あらたまった会話などでは「たぶん」のかわりに用いられることも多いです。また、実現があまり好ましくない事柄について危惧の暗示を伴って推量する様子を表すことが多く、好ましい事柄の可能性を推量する場合には、ふつう「たぶん」「きっと」などを用います

「恐らく」を使用する際のポイント

したがって「英語がいちばんできるのはおそらく藤井さんだ」は誤用となり、正しくは「英語がいちばんできるのはたぶん藤井さんだ」となりますよ。ただし、「たぶん」は「おそらく」より実現の可能性が低く、「きっと」は実現の可能性について確信をもっている様子が暗示されます。また、「おそらく」の表す可能性はとても幅があり、ほとんど確実なもの、十中六七のものなどがありますが、いずれも主観的な根拠に基づく可能性の推量であって、客観的な根拠を暗示しません

この点で、客観的な根拠に基づいて判断する「どうやら」と異なります。そのため「天気予報によると明日はおそらく雪だろう」は誤用となり、正しくは「天気予報によると明日はどうやら雪らしい」となりますよ。なお「目星を付ける」との違いは、「恐らく」は危惧の暗示を伴って推量する様子を表す表現だという点です。

「目星を付ける」の対義語は?

「目星を付ける」と反対の意味に近い言葉をご紹介します。さっそく見ていきましょう。

「てんで」

「てんで」は考慮の及ぶ範囲外にある様子を表し、「彼女はてんで付き合ってくれなかった」「ママは僕の気持ちなんかてんでわかってない」などのように後ろに打消しの表現を伴う述語にかかる修飾語になりますくだけた表現で日常会話中心に用いられ、かたい文章中には登場しません対象が最初から考慮の及ぶ範囲外にあってまったく問題にならないというニュアンスで、慨嘆・侮蔑などの暗示を伴います

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