この記事では「煽り文句」について解説する。

端的に言えば、煽り文句の意味は「キャッチフレーズ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「煽り文句」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「煽り文句」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「煽り文句」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「煽り文句」の意味は?

「煽り文句」は、辞書などで調べたり、インターネットで検索したりしても、意味がすぐに出てきません。まずは「煽り」の意味から紹介します。

1.あおること。また、強い風にあおられて起こる動揺や衝撃。
2.ある物事に強く働く勢い。また、その及ぼす影響。余勢。
3.そそのかしたりおだてたりして、ある行為を起こさせること。
4.カメラで、レンズの光軸とフィルム面(デジタルカメラではイメージセンサー)との角度を変えること。像の歪みの補正や遠近感の調整に用いられる。PCレンズという専用の特殊レンズもある。
5.歌舞伎劇場などで、木戸番が扇を開いて客を呼び立て招くこと。
6.⇒あおり運転
7. 雑誌などで、読者の興味を引くために記事につける短い文。
8.「煽り返し」の略。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「あおり【煽り】」

「煽り文句」の「煽り」には、以上のようにとても多くの意味があります。その中で「煽り文句」に該当する意味に近いのは、2の「ある物事に強く働く勢い」や7の「雑誌などで、読者の興味を引くために記事につける短い文」など。

例えば、商品を買おうか迷っている人に対してピッタリの「煽り文句」があれば、購入の決め手になるでしょう。また、本の帯や雑誌における見出しで見た人を惹きつける「煽り文句」があれば、これも記事を読んでもらうきっかけになるかもしれません。

「煽り文句」とはつまり、相手に強く働きかけるような言葉、商品を購入してもらおうと売り込む際の表現といった意味です。

「煽り文句」の語源は?

次に、「煽り文句」の語源を確認しておきましょう。

「煽り文句」そのものの語源については、はっきりとはわかりません。「煽り」と「文句」という2つの言葉が組み合わさった用語です。

似たような言葉に「煽り文」もあります。これは、本の購買意欲を煽るため、本の帯などに書かれている宣伝文句のことで、「煽り文句」の類義語です。

\次のページで「「煽り文句」の使い方・例文」を解説!/

「煽り文句」の使い方・例文

「煽り文句」の使い方を、例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.サービスを売り込むため、ターゲットを絞った煽り文句は、マーケティングでは重要かつ必要だ。
2.ショップ通販の宣伝目的で、効果ある煽り文句の内容を盛り込んだ原稿の作成を、その分野で経験豊富な専門家に依頼した。
3.ブランドで大切な要素を入れた煽り文句をホームページに掲げて強調し、業界での魅力をアピールしようとした。

それでは、それぞれの例文について、解説していきます。

例文1は、マーケティング業界で「煽り文句」が重要であることを説明しながら、商品などを売り込む際の表現として使われている文章。例文2も同様で、「煽り文句」によって商品の購買を促すのに「煽り文句」が用いられています。

例文3も、「煽り文句」をわかりやすく掲げることにより、それを見た相手へのアピールにつなげようという文章です。

「煽り文句」の類義語は?違いは?

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次に、「煽り文句」の類義語(類語)を見ていきましょう。

類義語として、キャッチコピー、コピー、売り文句、謳い文句、惹句、キャッチフレーズ、広告文、宣伝文、売り込み口上など。

いくつかの類義語について、意味などを確認しておきます。

その1「キャッチコピー」

「キャッチコピー」とは、人の注意を引こうとする広告文や宣伝文のこと。「catch」と「copy」が組み合わさっていて、これは日本独自で和訳された言葉。

ちなみに、英語では単に「copy」と言ったり、正しくは「sales message」と表現するのが正しいです。

「煽り文句」と比べると、キャッチコピーのほうがどちらかというとネガティブさは感じられません。

\次のページで「その2「売り文句」」を解説!/

その2「売り文句」

「売り文句」とは、商品の特長や利点、メリットなどを並べ、客に対して買おうという気を起こさせるような言葉のこと。「煽り文句」と意味が似ているため、類義語にあたります。

似たような用語に「売り言葉に買い言葉」があり、この意味は挑発的な言葉を受け、負けまいと強い言葉や悪口で言い返すこと。「煽り文句」や「売り文句」とも意味が異なるので、使う際はくれぐれも要注意です。

その3「惹句」

「惹句」は、なかなか耳慣れない言葉かもしれません。読み方は、じゃっく、となります。

意味は、人の心や興味、注意などを惹きつける短い文句のこと。特に、広告文などでやや誇張したうたい文句のことであり、「煽り文句」と意味がほぼ合うため、類義語です。

例えば、「本の発売時に付いていた帯に著名人の惹句が記されていた」といった使い方をします。

「煽り文句」の対義語は?

続いて、「煽り文句」の対義語(反対語)について。

「煽り文句」の対義語は、はっきりとした言葉は存在しません。

ただ、敢えて反対の意味を持つ言葉を考えてみると、「定型文」「ひな形」などが該当するでしょう。

「煽り文句」の英訳は?

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さらに、「煽り文句」の英訳も、確認しておきましょう。

「煽り文句」を日英翻訳すると、inciting word です。その他、類義語の「キャッチコピー」での英訳など、さまざまな英語表現があります。

その1「inciting word」

「煽り文句」を英語に訳すと、inciting word です。

この「inciting」という英単語は、incite の変化形であり、意味は(人や感情を)誘発、原因となる、煽り立てる、奮い立たせる、駆り立てるなど。

言葉という意味の「word」と組み合わせると「煽り文句」となります。

その2「copy」

「煽り文句」の類義語に「キャッチコピー」があり、この英訳は copysales messagecatch phrase など。catch と copy を組み合わせての言葉は和製英語なので、海外で使う際などはくれぐれも注意しましょう。

その他にも、さまざまな英語表現があります。英文での例文を見てみましょう。

\次のページで「「煽り文句」を使いこなそう」を解説!/

・I think of  a sales copy hour by hour.

私はキャッチコピー(煽り文句)をずっと考えている。

・Are there no great  inciting words?

なにかよい煽り文句はない?

・The sales phrase was wonderful.

その煽り文句は素晴らしかった。

「煽り文句」を使いこなそう

この記事では「煽り文句」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「煽り文句」の意味は、商品を売り込むための表現であり、その商品の特長などを言葉で強調して、人を惹きつける文章のこと。

広告やマーケティング、特に、商品の宣伝などで用いられます。

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国語言葉の意味

「煽り文句」の意味や使い方は?例文や類語を元新聞記者がわかりやすく解説!

この記事では「煽り文句」について解説する。

端的に言えば、煽り文句の意味は「キャッチフレーズ」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元新聞記者で、ライター歴20年のトラコを呼んです。一緒に「煽り文句」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/トラコ

全国紙の記者を7年。その後、雑誌や書籍、Webでフリーの記者などとして活動中。文字の正確さ、使い方に対するこだわりは強い。

「煽り文句」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速、「煽り文句」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「煽り文句」の意味は?

「煽り文句」は、辞書などで調べたり、インターネットで検索したりしても、意味がすぐに出てきません。まずは「煽り」の意味から紹介します。

1.あおること。また、強い風にあおられて起こる動揺や衝撃。
2.ある物事に強く働く勢い。また、その及ぼす影響。余勢。
3.そそのかしたりおだてたりして、ある行為を起こさせること。
4.カメラで、レンズの光軸とフィルム面(デジタルカメラではイメージセンサー)との角度を変えること。像の歪みの補正や遠近感の調整に用いられる。PCレンズという専用の特殊レンズもある。
5.歌舞伎劇場などで、木戸番が扇を開いて客を呼び立て招くこと。
6.⇒あおり運転
7. 雑誌などで、読者の興味を引くために記事につける短い文。
8.「煽り返し」の略。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「あおり【煽り】」

「煽り文句」の「煽り」には、以上のようにとても多くの意味があります。その中で「煽り文句」に該当する意味に近いのは、2の「ある物事に強く働く勢い」や7の「雑誌などで、読者の興味を引くために記事につける短い文」など。

例えば、商品を買おうか迷っている人に対してピッタリの「煽り文句」があれば、購入の決め手になるでしょう。また、本の帯や雑誌における見出しで見た人を惹きつける「煽り文句」があれば、これも記事を読んでもらうきっかけになるかもしれません。

「煽り文句」とはつまり、相手に強く働きかけるような言葉、商品を購入してもらおうと売り込む際の表現といった意味です。

「煽り文句」の語源は?

次に、「煽り文句」の語源を確認しておきましょう。

「煽り文句」そのものの語源については、はっきりとはわかりません。「煽り」と「文句」という2つの言葉が組み合わさった用語です。

似たような言葉に「煽り文」もあります。これは、本の購買意欲を煽るため、本の帯などに書かれている宣伝文句のことで、「煽り文句」の類義語です。

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