この記事では「立ち竦む」について解説する。

端的に言えば立ち竦むの意味は「立ったまま動けなくなること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んです。一緒に「立ち竦む」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハル

日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。

「立ち竦む」の意味や語源・使い方まとめ

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「立ち竦む」という言葉、何と読むかご存じですか。読み方がわかれば、きっと知っている言葉だと思います。それでは早速「立ち竦む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「立ち竦む」の意味は?

まず初めに、辞書で「立ち竦む」の意味を確認してみましょう。「立ち竦む」には、次のような意味があります。

1.恐ろしさや驚きなどで、立ったまま動けなくなる。
2.身動きしないで、立ちつづける。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「立ち竦む」

もうわかりましたか。「立ち竦む」は「たちすくむ」と読みます。恐怖や驚きなどで、その場から動けなくなることを表す言葉です。「身動きしないで立ち続ける」という2番の意味は『源氏物語』「宿木」に「腰痛きまで立ち竦み給へど」と登場しますが、現代では主に1番の意味で使われていますね。

「立ち竦む」の語源は?

次に「立ち竦む」の語源を確認しておきましょう。

「竦」という漢字は「立」と「束」で成り立っています。つまり、足が棒を束ねたようにまっすぐに固まった状態で突っ立っている様子を表しているのです。「竦む」には「驚きや恐れ、極度の緊張などのためにからだがこわばって動かなくなる」「からだが小さくなる」といった意味があります。ですから「足が竦む」や「竦み上がる」は、「立ち竦む」と同様に恐ろしさのあまり動けなくなることを表し、「射竦める」は、反対に自分が視線で相手を委縮させ動けなくさせることを表す言葉なのですね。また恥ずかしさで体が動けなくなることを「身を竦める」と表現します。この「竦む」と「立つ」を合わせて、緊張のために立ったまま動けなくなることを表現しているのです。

\次のページで「「立ち竦む」の使い方・例文」を解説!/

「立ち竦む」の使い方・例文

「立ち竦む」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.漢字能力検定1級の試験会場の前で、緊張のあまり立ち竦んでしまった。
2.今日は、面接官からの鋭い質問に立ち竦んた。
3.女性に人気の高層ビルの展望台に登ってみたが、ガラスの床の前で立ち竦んでしまった。
4.「あなたのレベルではとてもクイズ王になどなれない」とみんなの前で言われ、恥ずかしさのあまり立ち竦んだ。

「立ち竦む」は恐怖や驚き、恐れ、極度の緊張によって、その場から動けなくなることを表現したい場面で用いることができます。「恐怖で立ち竦む」「緊張して立ち竦む」「驚いて立ち竦む」「恥ずかしさで立ち竦む」という表現はもちろんのこと、「悲しみのどん底に立ち竦む」「呆然と立ち竦む」「凍ったように立ち竦む」など、あまりのことに身動きがとれなくなるような様々な場面で用いることができますよ。

「立ち竦む」の類義語は?違いは?

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「立ち竦む」の類義語を見ていきましょう。

その1「体が凍りつく」

「体が凍(こお)り付く」は「緊張や恐怖でからだが固くこわばる」ことを意味する表現です。「凍る」は「寒さや恐ろしさのために、からだがこわばり自由に動かなくなる」という意味を持っています。これが「凍り付く」となることで、さらに硬く凍るさまを強調しているのですよ。

\次のページで「その2「腰がぬける」」を解説!/

その2「腰がぬける」

「腰がぬける」は「腰の関節が外れたり、腰に力がなくなったりして立てなくなる」ことを意味しますが、「驚きや恐怖で立っていられなくなる」ことを表す言葉でもあります。立っていられなくなってしまっていますが、驚きや恐怖で動けなくなるという点で「立ち竦む」と同様の意味を持っていますね。

その3「縮み上がる」

「縮(ちぢ)み上がる」は「すっかりちぢんで小さくなる」ことを意味する言葉ですが、「驚きや寒さ・恐怖などのため、からだがすくんで身動きできなくなる」ことも表します。「一喝されて縮み上がる」などと言いますね。「立ち竦む」よりも身が小さくなってしまうような、恐怖心がさらに強く感じられる表現です。

「立ち竦む」の対義語は?

「立ち竦む」と反対の意味を持つ言葉を見ていきましょう。

「安心」

「立ち竦む」の対義語というのは特にありません。強いてあげるとすれば「安心」があげられるでしょう。「安心」は「気にかかることがなく心が落ち着いていること」を表す言葉です。物事が安全・完全で人に不安を感じさせず、心が安らかなことを表します。驚きや恐怖のあまり立ったまま動けなくなることを意味する「立ち竦む」とは反対の意味をもつ言葉であると言えますね。

「立ち竦む」の英訳は?

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「立ち竦む」を英語に訳すとどのように表現できるか見ていきましょう。

その1「be frozen」

「frozen」は「凍る」または「凍らせる」ことを意味する単語「freeze」の過去分詞です。「freeze」は「凍らせる」ことから派生して物事を凍結させることや、動きが固まることを表現する場合にも用いられます。「動くな」と言いたい時「freeze」と言うのを聞いたことがあるのではないでしょうか。「be frozen」はそのまま訳すと「凍える」や「体が冷え切ってしまう」といった意味になりますが、立ったまま動けなくなる「立ち竦む」を表現するのに用いることもできるのです。

\次のページで「その2「be petrified」」を解説!/

その2「be petrified」

「petrified」は「石化した」という意味を持つ単語ですが、「びっくり仰天して、茫然自失状態で」という意味も持っています。「be petrified」とすることで、「立ち竦む」「腰を抜かす」とぴったことを表現できますよ。

その3「be unable to move」

「be unable to」は「することができない」ことを表します。ですから「be unable to move」は直訳すると「動くことができない」ということになりますね。これを「立ち竦む」の英訳として用いることができますよ。

I was frozen with fear.
恐怖で立ち竦んだ。

She was petrified with the sight of his face.
彼女は彼の顔を見て立ち竦んだ。

He was unable to move while standing as a result of shock.
彼はショックで立ち竦んだ。

「立ち竦む」を使いこなそう

この記事では「立ち竦む」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「立ち竦む」は「恐ろしさや驚きなどで、立ったまま動けなくなる」ことを意味する言葉でした。「立ち竦む」には「立」という文字が2回も出てきますね。これだけでも棒立ちになってしまうさまがイメージできそうです。思わず立ち竦んでしまった経験はありますか。その場面を思い出すだけで手に汗をかいてしまいますね。その時の気持ちとつなげながら「立ち竦む」という言葉を頭に入れて、ぜひ使ってみてくださいね。

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国語言葉の意味

「立ち竦む」の意味や使い方は?例文や類語を日本文学科卒Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「立ち竦む」について解説する。

端的に言えば立ち竦むの意味は「立ったまま動けなくなること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

日本語が好きで日本文学科を卒業したハルを呼んです。一緒に「立ち竦む」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ハル

日本語が大好きで日本文学科を卒業。現在は子供が言葉を覚えていく様子を見ながら日本語の奥深さを実感中。多くの人にそのよいところを紹介したいとの思いを込めて丁寧に解説する。

「立ち竦む」の意味や語源・使い方まとめ

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「立ち竦む」という言葉、何と読むかご存じですか。読み方がわかれば、きっと知っている言葉だと思います。それでは早速「立ち竦む」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「立ち竦む」の意味は?

まず初めに、辞書で「立ち竦む」の意味を確認してみましょう。「立ち竦む」には、次のような意味があります。

1.恐ろしさや驚きなどで、立ったまま動けなくなる。
2.身動きしないで、立ちつづける。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「立ち竦む」

もうわかりましたか。「立ち竦む」は「たちすくむ」と読みます。恐怖や驚きなどで、その場から動けなくなることを表す言葉です。「身動きしないで立ち続ける」という2番の意味は『源氏物語』「宿木」に「腰痛きまで立ち竦み給へど」と登場しますが、現代では主に1番の意味で使われていますね。

「立ち竦む」の語源は?

次に「立ち竦む」の語源を確認しておきましょう。

「竦」という漢字は「立」と「束」で成り立っています。つまり、足が棒を束ねたようにまっすぐに固まった状態で突っ立っている様子を表しているのです。「竦む」には「驚きや恐れ、極度の緊張などのためにからだがこわばって動かなくなる」「からだが小さくなる」といった意味があります。ですから「足が竦む」や「竦み上がる」は、「立ち竦む」と同様に恐ろしさのあまり動けなくなることを表し、「射竦める」は、反対に自分が視線で相手を委縮させ動けなくさせることを表す言葉なのですね。また恥ずかしさで体が動けなくなることを「身を竦める」と表現します。この「竦む」と「立つ」を合わせて、緊張のために立ったまま動けなくなることを表現しているのです。

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