国語言葉の意味

【故事成語】「兵は拙速を尊ぶ」の意味や使い方は?例文や類語を教育学部卒Webライターがわかりやすく解説!

この記事ではについて解説する。

端的に言えば「兵は拙速を尊ぶ」の意味は「計画が完璧でなくても、行動したほうが成功に近づく」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

教育学部卒、元官僚で言葉や言い回しについて詳しい藤堂紗英を呼んです。一緒に「兵は拙速を尊ぶ」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/藤堂紗英

教育学部卒の元官僚。教育業界に長く携わるママWebライター。官僚時代には、文章や言い回しについて徹底的に勉強し、豊富な語彙力を身につけた。

「兵は拙速を尊ぶ」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「兵は拙速を尊ぶ」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。具体的な語源や使い方を見ていくことで、理解が深まり、日常的に使えるようになりますよ。

「兵は拙速を尊ぶ」の意味は?

「兵は拙速を尊ぶ」は、国語辞典を引くと次のような意味となっています。

《「孫子」作戦の「故に兵は拙速を聞く、未だ功の久しきを覩(み)ざるなり」から》作戦を練るのに時間をかけるよりも、少々まずい作戦でもすばやく行動して勝利を得ることが大切である。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「兵は拙速を尊ぶ」

「兵は拙速を尊ぶ」の読み方は「へいは せっそくを たっとぶ」です。聞き慣れない故事成語で、なかなか一度では読めませんよね。「尊ぶ」は「とうとぶ」とも一般に読みますが、この成語では「たっとぶ」なので、注意してください。

それぞれの単語を見ていくと、「兵」は「戦い」「戦争」「いくさ」「軍隊」を指し、「尊ぶ」は「尊重する」の意です。また、「拙速」の意味は下記のとおりになります。

できはよくないが、仕事が早いこと。また、そのさま。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「拙速」

「拙」は訓読みで「つたない」と読み、上手でないことを意味します。「できはよくないが」とマイナスの意味が入っているところがポイントです。

「兵は拙速を尊ぶ」の語源は?

次に「兵は拙速を尊ぶ」の語源について、勉強していきましょう。

「兵は拙速を尊ぶ」は、中国で春秋戦国時代にできた故事成語です。春秋戦国時代は混乱の時代で、「諸子百家」と言われる学者や軍師が活躍しました。その中の孫武(そんぶ)が書いた「孫子」という兵法書の一節の「故に兵は拙速を聞く、未だ功の久しきを覩(み)ざるなり」からきています。これは、「戦争において、拙い点があったとしても、速やかに行動することで勝利することはあるが、完璧で長期化する戦争は見たことがない」という意味です。

「兵は拙速を尊ぶ」の使い方・例文

次に「兵は拙速を尊ぶ」の使い方や例文を見ていきましょう。

1.学習計画を立てることに時間をかけすぎてない?「兵は拙速を尊ぶ」というではないか。計画が完璧でなくても、まずは勉強に取り掛かってみることが重要だよ。

2.例のコンペの件、他社はまだ動いてないようだ。情報取集が万全ではないが、急いでプレゼンの準備をしよう。「兵は拙速を尊ぶ」だ。

3.この経営戦略は失敗だった。まだ改善の余地があるかもしれないが「兵は拙速を尊ぶ」、負債がかさまないうちに撤退しよう。

「兵は拙速を尊ぶ」は、ビジネスの世界でよく使われる言葉です。計画が完璧に立てられていても、行動をしなければ、大切なチャンスを逃してしまいます。ライバル会社より早く成果を出すためには、完璧なプランでなくても、まず着手してみるという姿勢が重要視されているようです。

また、アメリカの某有名IT企業創業者の「完璧を目指すよりまず完成させろ」という言葉は有名なので、皆さんご存じかも知れません。細部まで完璧なものを追い求めると、商品は永遠に完成しません。完璧でなくても、リリースした後に改良を重ねればよいのです。スマートフォンのアプリが頻繁にアップデートされるのがその例ですね。

\次のページで「「兵は拙速を尊ぶ」の類義語は?違いは?」を解説!/

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