この記事では「血走る」について解説する。

端的に言えば血走るの意味は「興奮して眼球が充血する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

長年哲学を学び、難解な言葉が使われる論文や専門書に触れてきた「ネオ」を呼んです。一緒に「血走る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ネオ

哲学や語学に興味があり、数々の難解な書物や論文に触れてきた哲学系ライター。言語の成り立ちを広い視野で研究し、その言葉が使われる意図を明確にすることを目指している。複雑な言葉もわかりやすくかみ砕いて説明していく。

「血走る」の意味や語源・使い方まとめ

image by PIXTA / 55229211

それでは早速「血走る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「血走る」の意味は?

「血走る」には、次のような意味があります。

1.眼球が充血する。多く、興奮したり熱中したりしたときなどの目にいう。
2.血がほとばしり出たり、にじんだりする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「血走る」

「血走る」とは、興奮したり熱中して目が充血すること。ラ行五段活用の動詞。主に、「目を血走らせる」といった使い方をします。興奮したり熱中しているときに、目の小さな血管が白目の部分に浮き出る様子の表現です。単に、外傷や病気などで血管が浮かびあがったり出血する場合にも用いられることがあります。

「血走る」の語源は?

「血走る」という言葉は、「血」という名詞と「走る」という動詞に分解できます。普段、私たちが使う「走る」という動詞ですが、実は様々な意味を持った動詞です。例えば、日本語では移動を表す以外にも「物事が進行すること」や「広がる、飛び散る」などの意味もあります。

興奮したり熱中したときに目が充血するのは、アドレナリンというホルモンが分泌され、血流の速度が上がり高血圧になることで血管が広がるからです。「血走る」という表現は、興奮したり熱中したときに「目の中に血管が広がる」という意味から生まれたと考えられます。

\次のページで「「血走る」の使い方・例文」を解説!/

「血走る」の使い方・例文

「血走る」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.お腹を空かせたライオンは、私たちを見た途端に目を血走らせてこちらへ向かってきた。
2.目の機能に異常がなく自覚はなかったが、友人から目が血走っているから眼科に行って診察をしてもらうようにアドバイスを受けた。眼科医によると、視力の低下の恐れもある結膜炎の症状なので治療が必要とのことだった。

一つ目の例文は、お腹を空かしたライオンが食べ物を見つけて興奮している状態を表しています。ただ興奮しているというよりも、目が血走るくらいに異常なほど興奮しているという臨場感が伝わる文章です。ここでは慣用句として用いられているので、実際に目が充血しているかは重要ではありません。

一方、二つ目の例文では、目に疾患があることで目が充血している状態を表しています。こちらもただの充血という言葉より、血の生々しさが思い浮かび異常な健康状態が強調されている文章です。それぞれ単なる充血とは違うレベルの異常な状態がキーワードになっていますね。

「血走る」の類義語は?違いは?

image by PIXTA / 55136610

「血走る」に関連する言葉として「血眼になる」、「目の色を変える」があります。どちらも似た意味を持つ言葉です。ところが、これらには少しだけ違いがあります。

また、通常より多くの血液が集まって体に浮かび上がる様子を表す言葉として「充血する」、「鬱血する」という言葉がありますが、これらは「生理的な現象として血液が浮かび上がる状態」を指す表現です。「充血」が動脈の膨張によっておこるのに対し、「鬱血」は静脈におこるものとされています。

その1「血眼になる」

「血眼になる」とは、目的のために我を忘れて集中することを指します。「目を血走らせる」との違いは、目が充血している様子を直接表す場合にはあまり使わないことです。「血眼になる」を使うときは、過剰に集中する、熱中するといった意味での用法に限られます。

\次のページで「その2「目の色を変える」」を解説!/

その2「目の色を変える」

他にも「目の色を変える」といった表現もありますが、こちらも「血眼になる」と同様に過剰な集中や熱中した状態を表した表現です。少し異なるとすれば、快楽や欲に支配された興奮状態も含まれています。ケースによって使い分けられると良いでしょう。

「血走る」の対義語は?

「血走る」の直接的な対義語はありません。

「血走る」に含まれる異常なほど興奮、熱中するという意味の対義語を考えてみましょう。興奮や熱中することの反対は冷静になることです。ここでは、「血走る」と同じく体に関係する慣用句である「頭を冷やす」を紹介します。

「頭を冷やす」

せきやくしゃみなどをして風邪をひいたと分かった時、ねつが出ていたら家で氷枕や保冷剤などで頭を冷やす方は多いでしょう。個人差はありますが、頭を冷やすことは薬に頼らず自然にねつを下げられる方法として知られています。

「頭を冷やす」という言葉の語源は興奮して頭に血が上った時にねつがたまるため、頭を冷やすことで血流を抑えて冷静になるというところからきているようです。

「血走る」の英訳は?

image by PIXTA / 64156298

「血走る」の英訳は「become bloodshot」で表すことができます。

「become bloodshot」

「become bloodshot」は動詞「become(~になる)」と形容詞「bloodshot(血走った)」で、「血走る」という意味になります。

「bloodshot 」は「充血」という意味の名詞としても使えますが、形容詞として使うことで日本語の「血走る」とほとんど同じように興奮や熱中したときの状態も表すことができる単語です。

ただし、比喩や慣用句として使うことは少なく、興奮や熱中した結果、実際に目が充血している場合に使われることが多いといえます。例で確認しましょう。

He was looking at the search site all night, so his eyes become bloodshot.
(彼は一晩中検索サイトを見ていたので、目が血走っている。)

\次のページで「「血走る」を使いこなそう」を解説!/

「血走る」を使いこなそう

この記事では「血走る」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「血走る」は、「興奮したり熱中して目が充血する」という意味です。目の充血をあらわすことが多いですが、目が充血していなくても興奮や熱中した状態をあらわすときにも使うことがあります。

「血走る」は感覚的に普段から使っている人が多い表現ですが、視覚的描写としても通じるので内容として違和感を感じることは少ないでしょう。単なる充血も表しますが、その他に「興奮状態や熱中状態といった心理的な異常」を表すときもうまく使えるとバリエーションが増えますね。

" /> 「血走る」の意味や使い方は?例文や類語を哲学系Webライターがわかりやすく解説! – Study-Z
国語言葉の意味

「血走る」の意味や使い方は?例文や類語を哲学系Webライターがわかりやすく解説!

この記事では「血走る」について解説する。

端的に言えば血走るの意味は「興奮して眼球が充血する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

長年哲学を学び、難解な言葉が使われる論文や専門書に触れてきた「ネオ」を呼んです。一緒に「血走る」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/ネオ

哲学や語学に興味があり、数々の難解な書物や論文に触れてきた哲学系ライター。言語の成り立ちを広い視野で研究し、その言葉が使われる意図を明確にすることを目指している。複雑な言葉もわかりやすくかみ砕いて説明していく。

「血走る」の意味や語源・使い方まとめ

image by PIXTA / 55229211

それでは早速「血走る」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「血走る」の意味は?

「血走る」には、次のような意味があります。

1.眼球が充血する。多く、興奮したり熱中したりしたときなどの目にいう。
2.血がほとばしり出たり、にじんだりする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「血走る」

「血走る」とは、興奮したり熱中して目が充血すること。ラ行五段活用の動詞。主に、「目を血走らせる」といった使い方をします。興奮したり熱中しているときに、目の小さな血管が白目の部分に浮き出る様子の表現です。単に、外傷や病気などで血管が浮かびあがったり出血する場合にも用いられることがあります。

「血走る」の語源は?

「血走る」という言葉は、「血」という名詞と「走る」という動詞に分解できます。普段、私たちが使う「走る」という動詞ですが、実は様々な意味を持った動詞です。例えば、日本語では移動を表す以外にも「物事が進行すること」や「広がる、飛び散る」などの意味もあります。

興奮したり熱中したときに目が充血するのは、アドレナリンというホルモンが分泌され、血流の速度が上がり高血圧になることで血管が広がるからです。「血走る」という表現は、興奮したり熱中したときに「目の中に血管が広がる」という意味から生まれたと考えられます。

\次のページで「「血走る」の使い方・例文」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: