この記事では「穴を開ける」について解説する。

端的に言えば穴を開けるの意味は「お金を使い込むこと、事故などで進行に支障をきたし、空白を作ること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送局の制作現場の最前線で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んです。一緒に「穴を開ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「穴を開ける」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「穴を開ける」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。ちなみに、この言葉は「あなをあける」と読みます。

「穴を開ける」の意味は?

「穴を開ける」には、次のような意味があります。

1.金を使い込む。欠損を生じさせる。

2.事故などで事の進行に支障をきたし、空白をつくる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「穴を開ける」

「穴を開ける」には、2つの意味があります。まずは「金を使い込む、欠損を生じさせる」という意味です。これは、こつこつと貯めてきたお金などを使い込んだりすることで、それまでお金があった場所からお金が無くなってしまい、ぽっかりと空間が出来てしまったようなイメージで使われます。

さらに、「事故などで事の進行に支障をきたし、空白をつくる」という意味もあるのが「穴を開ける」という言葉です。きちんと順序だてて行われていることの中で、事故などが発生して、その行程が遂行できなくなってしまったり、ほかのスケジュールはきちんとできているにもかかわらず、何か一つが出来なくなったことで完成形ではなくなってしまう場合などに使われます。

どちらにしても、あまり良い意味でつかわれることのない表現です。単純にドリルなどを使って、壁などを貫通させたり、ズボンなど衣類がほつれて穴が開いてしまったりということもありますが、この言葉は、そうした具体的な事象というよりも、抽象的な事象をイメージして使われています。

「穴を開ける」の語源は?

次に「穴を開ける」の語源を確認しておきましょう。「穴」とは、何かが欠損しているという状態を指して使われます。よって、「穴を開ける」ということは「不完全な状態になる」ということがイメージされるのです。そうしたことから、「きちんとお金があって、生活に支障がない状態」や「出演者や執筆者がきちんといるため、舞台の上演や出版に問題のない状態」に対して、不完全になってしまうということを指して、「穴を開ける」という言葉が使われています。

\次のページで「「穴を開ける」の使い方・例文」を解説!/

「穴を開ける」の使い方・例文

「穴を開ける」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.新しいお客様サービスの試作をするといって、会社の資金に穴を開けていた。

2.求められる作品の内容に疑問を抱いたその作家は、担当の電話にも出ず、連載に穴を開けることも増えた。

1の例文では、会社のお金を、使用用途を偽って使い込んでいたという意味で「穴を開ける」という言葉が使われています。こうした行為をすれば、自身の責任問題になることは確実であり、会社にもクライアントにも顔向けできなくなってしまいますので、絶対にやってはいけません。

2の例文では、作家がきちんと締め切りを守らずに「連載を休む」ということを指して使われています。作家が連載をしている場合、必ず納期を守らなくてはなりません。出版社もページを割いて待っているわけですから、マイペースにやっているブログの投稿のような感じとは違う責任が存在します。人気の作家になるほど、限られた時間で、クリエイティブなものを作るということとも戦わなくてはいけないのです。

「穴を開ける」の類義語は?違いは?

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「お金を使い込む、事故などで進行に支障をきたすこと」という意味の「穴を開ける」という言葉。この言葉の類義語としてあげられるのは「浪費する」「休演する」「休載する」といった言葉です。「穴を開ける」という言葉が持つ意味にそれぞれ対応する表現となります。それぞれ確認をしていきましょう。

その1「浪費する」

「浪費する」は「お金や時間、体力などを無駄に使うこと」という意味の言葉です。「穴を開ける」という表現は、主に金銭について使い込むことを指していました。しかし、「浪費する」では、時間や体力などについても表現することが出来ます。

\次のページで「その2「休演する」」を解説!/

最近、結婚指環を買おうと見積もりに行ったことで、もう浪費している場合ではないと思った。

その2「休演する」

「休演する」とは「音楽や劇などの出演を休むこと」を意味する言葉です。出演者、演奏者がその公演を休むことはもちろん、公演そのものが休みになることも指して使われます。

コロナ関連で休演することになり、スタッフの皆さんに多大なるご迷惑をおかけした。

その3「休載する」

「休載する」は「新聞や雑誌に掲載していた続きものの記事などの掲載を休むこと」を意味する言葉。作家は、新聞や雑誌などに、小説やコラムなどを掲載しています。人気のある人になれば、複数の媒体に連載を持っていることもありますが、そうしたものを出せなかった時を指して使われるのがこの「休載する」です。

楽しみにしていたマンガの作者が妊娠したため、来月から休載されることになった。

「穴を開ける」の対義語は?

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「穴を開ける」とは「お金を使い込む、事故などで進行に支障をきたす」といった意味を持つ言葉です。この言葉の対義語としては「穴を埋める」があります。

\次のページで「その1「穴を埋める」」を解説!/

その1「穴を埋める」

「穴を埋める」は「金銭や人員などの損失を補う、自己によって支障が出たものを補う」という意味の言葉です。まさに、「穴を開ける」自体が発生した際に、それをカバーするという意味となります。

主力が離脱したチームにあって、ドラフト下位のルーキーが穴を埋める活躍をするとは嬉しい誤算であった。

「穴を開ける」を使いこなそう

この記事では「穴を開ける」の意味・使い方・類語などを説明しました。「金を使い込む、事故などで進行に支障をきたすこと」という意味のこの言葉。ドリルなどを使って、壁や床に穴を開けるという意味ではないことをしっかりと覚えておきたい表現です。また、対義語である「穴を埋める」についても、同様となります。ちなみに、似ている言葉として「風穴を開ける」という言葉もありますが、こちらは「閉塞感のある組織や事態に新風を吹き込む」という全く異なる意味になりますので注意が必要です。

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国語言葉の意味

「穴を開ける」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「穴を開ける」について解説する。

端的に言えば穴を開けるの意味は「お金を使い込むこと、事故などで進行に支障をきたし、空白を作ること」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

放送局の制作現場の最前線で10年の経験を積んだsinpeito88を呼んです。一緒に「穴を開ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/sinpeito88

放送局の現場で10年間、ニュース原稿などを日々執筆。より正確な情報を届けられるよう言葉の探求を続けている。

「穴を開ける」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「穴を開ける」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。ちなみに、この言葉は「あなをあける」と読みます。

「穴を開ける」の意味は?

「穴を開ける」には、次のような意味があります。

1.金を使い込む。欠損を生じさせる。

2.事故などで事の進行に支障をきたし、空白をつくる。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「穴を開ける」

「穴を開ける」には、2つの意味があります。まずは「金を使い込む、欠損を生じさせる」という意味です。これは、こつこつと貯めてきたお金などを使い込んだりすることで、それまでお金があった場所からお金が無くなってしまい、ぽっかりと空間が出来てしまったようなイメージで使われます。

さらに、「事故などで事の進行に支障をきたし、空白をつくる」という意味もあるのが「穴を開ける」という言葉です。きちんと順序だてて行われていることの中で、事故などが発生して、その行程が遂行できなくなってしまったり、ほかのスケジュールはきちんとできているにもかかわらず、何か一つが出来なくなったことで完成形ではなくなってしまう場合などに使われます。

どちらにしても、あまり良い意味でつかわれることのない表現です。単純にドリルなどを使って、壁などを貫通させたり、ズボンなど衣類がほつれて穴が開いてしまったりということもありますが、この言葉は、そうした具体的な事象というよりも、抽象的な事象をイメージして使われています。

「穴を開ける」の語源は?

次に「穴を開ける」の語源を確認しておきましょう。「穴」とは、何かが欠損しているという状態を指して使われます。よって、「穴を開ける」ということは「不完全な状態になる」ということがイメージされるのです。そうしたことから、「きちんとお金があって、生活に支障がない状態」や「出演者や執筆者がきちんといるため、舞台の上演や出版に問題のない状態」に対して、不完全になってしまうということを指して、「穴を開ける」という言葉が使われています。

\次のページで「「穴を開ける」の使い方・例文」を解説!/

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