今回は「日食と月食」について解説していきます。

日食と月食はどちらも有名な天体現象です。両者とも非常に珍しい天体現象で、その様子は美しい。多くの方が一度は見てみたいと思っているでしょう。この記事では、日食と月食のメカニズムや種類などを中心として、解説を進めていく。ぜひ、この機会に日食と月食についての理解を深めてくれ。

環境工学を専攻している現役理系学生ライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長

現役理系大学生。エネルギー工学、環境工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。土壌、生態系、気象、地球温暖化について学んだこともある。

日食と月食について学ぼう!

image by iStockphoto

日食と月食はいずれも地球上から観測することができる天体現象ですこれらの現象は非常に珍しく、見た目が美しいため、天体ショーと表現されることもありますよ。これらの天体ショーには世界中に多くのファンがおり、日食や月食がおこるとき、それらを見られる場所には多くの人が訪れます。

今回の記事では、そのような有名な天体ショーである日食と月食のメカニズムなどを自然科学の観点で説明していきますね。日食と月食のメカニズムを解説する中で、見慣れない地学の用語が登場することがあるかもしれません。そのような場合は、用語の意味をしっかりと確認しておいてくださいね。それでは早速、解説をはじめます。

日食とは?

日食というのは、地球から見た太陽の一部分またはすべてが、月によって覆われる現象のことをさします。このとき、太陽、月、地球の順で天体がほぼ一直線上に並びますよ。それゆえ、地球上に届く太陽光の一部は月に遮られ、地球の表面には大きな影が現れます。そして、この影ができるところが日食を観測できる場所と一致するのです

日食が生じると、地球に届く太陽エネルギーの総量が小さくなり、わずかな気温の変化などを引き起こします。また、日食の際には太陽からの光が届きにくくなるので、あたりが暗くなることがありますよ。これらの現象に伴い、様々な生物が普段ではとらないような行動をすることもあります。

\次のページで「月食とは?」を解説!/

月食とは?

月食は、太陽、地球、月の順で天体がほぼ一直線上に並んだ際に見られる現象です。このとき、月に届く太陽光が地球に遮られることになるので、満月であっても月の明るさが暗くなります。ただし、月に届く光が全くなくなることないので、必ず月が見えなくなるというわけではありません。地球の大気によって太陽光が屈折するので、月に光が届くのです。

また、太陽の位置から見たときに月が完全に地球に覆われる月食では、食のピーク時に月が赤くなります。このようになる理由としては、地球の大気を太陽光が通過する際に散乱が生じて、月に赤い光のみが届くことが挙げられますよ。これは、夕焼けが赤く見えるメカニズムと全く同じです。

食の種類について学ぼう

ここからは、食の種類について学んでいきます日食と月食は光の遮られ方によって、複数の種類に分けることができるのです。以下では、それぞれの種類の食がどのような条件下で起こるのかということを説明していきます。

また、それぞれの食の特徴についても解説しますよ。食の種類について知ることで、日食と月食のメカニズムもより深く理解できるようになるでしょう

皆既食

image by iStockphoto

皆既食は、遮られる光の量が最大となる食のことです。皆既日食では、地球から見たときに月が完全に太陽を覆ってしまいます。皆既日食の場合、食がピークに達するときには太陽光が観測地にほとんど届かなくなり、まるで夜のように暗くなりますよ

一方、皆既月食の場合は、太陽から月に直接届く光の大部分を地球が遮ることになりますよ。先ほど、皆既月食の際には、月が赤くなる様子を観察できることを説明しましたよね。また、複数ある食の種類の中でも、皆既食は最も珍しいものですよ。

\次のページで「部分食」を解説!/

部分食

image by iStockphoto

部分食は、遮られる光が皆既食のときよりも小さくなります。部分日食では、地球から見たときに月が太陽の一部を隠すような状態になりますよ。つまり、部分日食では太陽の一部が欠けたように見えるのです。そのため、部分日食がおきたとき、木の葉の影などの明暗も一部分が欠けたようになりますよ。

部分月食の場合、太陽から月に届く光の一部が遮られ、月の一部が欠けたようになります。これだけの説明では、部分日食と普段の月の満ち欠けが同じように見えるのではないかと考えることもできますよね。ですが、実際は部分日食の場合には特殊な欠け方をしますよ。

金環食

image by iStockphoto

金環食は、皆既食と部分食の間にあるような食です。金環食は、日食の場合のみに存在しますよ。金環日食は、太陽の中心部分が月の影となり、太陽光がドーナツ状に見えます。金環日食が見られるとき、太陽・月・地球の位置関係は、皆既日食のものとほぼ同じようになりますよ。

ですが、金環日食の場合は皆既日食の場合と比較して、月と太陽の距離が近くなり、月と地球の距離が遠くなるのです。そのため、月が太陽を覆いきれなくなるのですね。以上が金環日食のメカニズムの説明となります。

日食と月食についての豆知識

ここまでは、日食と月食のメカニズムや種類に焦点を当てて、解説をしてきました。以下では、日食や月食に関連する話題を豆知識と題して紹介しますね。このような豆知識を知ることで、日食や月食についての理解が深まることでしょう。

また、日食や月食という現象が私たち人間にどのような影響を与えてきたのかという、人文科学の視点での考察もできるようになりますよ。ぜひ、最後まで記事を読んでみてくださいね。

\次のページで「日食や月食と歴史の関係性」を解説!/

日食や月食と歴史の関係性

日食や月食と歴史の関係性

image by Study-Z編集部

日食や月食といった天体現象についての記録は古い時代から残されています日本で残っている記録で最も古いものは、推古天皇の時代である628年のものです。この記述は日本書紀の中にあります。科学が発達する前、特に日食は天変地異の予兆だと考えられており、人々に注目されていたのです

また、日食や月食は暦の進化とも深い関係がありますよ。日食や月食の開始および終了の時刻を正確に予測すりためには、正確な暦と高度な計算が必要になります。そのため、日食や月食などの天体現象は暦の正確さを知るために観測されてきました

日食や月食が見られる頻度

日食や月食が見られるタイミングはいつで、どこで見られるのか、その頻度はどの程度なのかということは皆さんの中で最も関心のある事柄かもしれません。ここでは、日食や月食が見られる頻度について解説しますね

日食は約半年に一度地球上で見ることができます。ただし、観測可能な場所には南極や北極、太平洋や大西洋、インド洋などの海上が多数含まれていますよ。日本国内で観測可能な日食は非常に少なくなっています。一方、月食に関しては日本国内で観測可能なものも多く、平均すると1~2年に一度程度の頻度で見ることができますよ

美しい天体現象である日食と月食

日食と月食はその様子が非常に美しく、天体好きの人に限らず、多くのファンが存在します。ですから、そのような天体現象がどのようなメカニズムでおこっているのかということを知っておくことで、損をすることはないでしょう。

また、日食と月食について知ることで、基本的な天体用語についても再確認することができます。それゆえ、日食と月食というのは地学の良い教材でもあるのです。ぜひこの機会に、日食と月食について学んでみてくださいね。

" /> 3分で簡単日食と月食!両者のメカニズムは?現役理系学生ライターがわかりやすく解説! – Study-Z
地学地球宇宙理科

3分で簡単日食と月食!両者のメカニズムは?現役理系学生ライターがわかりやすく解説!

今回は「日食と月食」について解説していきます。

日食と月食はどちらも有名な天体現象です。両者とも非常に珍しい天体現象で、その様子は美しい。多くの方が一度は見てみたいと思っているでしょう。この記事では、日食と月食のメカニズムや種類などを中心として、解説を進めていく。ぜひ、この機会に日食と月食についての理解を深めてくれ。

環境工学を専攻している現役理系学生ライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長

現役理系大学生。エネルギー工学、環境工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。土壌、生態系、気象、地球温暖化について学んだこともある。

日食と月食について学ぼう!

image by iStockphoto

日食と月食はいずれも地球上から観測することができる天体現象ですこれらの現象は非常に珍しく、見た目が美しいため、天体ショーと表現されることもありますよ。これらの天体ショーには世界中に多くのファンがおり、日食や月食がおこるとき、それらを見られる場所には多くの人が訪れます。

今回の記事では、そのような有名な天体ショーである日食と月食のメカニズムなどを自然科学の観点で説明していきますね。日食と月食のメカニズムを解説する中で、見慣れない地学の用語が登場することがあるかもしれません。そのような場合は、用語の意味をしっかりと確認しておいてくださいね。それでは早速、解説をはじめます。

日食とは?

日食というのは、地球から見た太陽の一部分またはすべてが、月によって覆われる現象のことをさします。このとき、太陽、月、地球の順で天体がほぼ一直線上に並びますよ。それゆえ、地球上に届く太陽光の一部は月に遮られ、地球の表面には大きな影が現れます。そして、この影ができるところが日食を観測できる場所と一致するのです

日食が生じると、地球に届く太陽エネルギーの総量が小さくなり、わずかな気温の変化などを引き起こします。また、日食の際には太陽からの光が届きにくくなるので、あたりが暗くなることがありますよ。これらの現象に伴い、様々な生物が普段ではとらないような行動をすることもあります。

\次のページで「月食とは?」を解説!/

次のページを読む
1 2 3 4
Share: