端的に言えば手取り足取りの意味は「細かいところまで丁寧に教える/世話する」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。
今回は、ロシアで2年間日本語教師として働いた大学院生ライターの「むかいひろき」を呼んです。一緒に「手取り足取り」の意味や例文、類語などを見ていきます。
ライター/むかいひろき
ロシアの大学で2年間日本語教師として働いた経験を持つ大学院生。その経験を武器に「言葉」について分かりやすく解説していく。
「手取り足取り」の意味は?
「手取り足取り」には、次のような意味が国語辞典に掲載されています。
細かいところにまで行き届いた世話をするさま。何から何まで丁寧に教えるさま。「―めんどうをみる」「―して指導する」
出典:デジタル大辞泉(小学館)「手(て)取(と)り足(あし)取(と)り」
「手取り足取り」は「細かいところまで行き届いた世話をするさま」「何から何まで丁寧に教えるさま」という意味の慣用句です。どちらかというと後者の意味で使用されることの方が多いですね。ただ、「細かいところまで」「丁寧に」というニュアンスは共通しています。
「手取り足取り」の語源は?
次に「手取り足取り」の語源を確認しておきましょう。
「手取り足取り」の語源はよく分かっていません。一説には、何かを丁寧に教える時に「口先だけではなく、直接手を取ったり足を取ったりして教える」という意味から「手取り足取り」が誕生した…とも言われています。
ただ、古文では「手取り足取り」は、「多くの人が、力を合わせて人の手足をかかえ持つさま。また、押さえつけるさま」「多くの人に妨害されるさま」という意味でも使用されているので、上記の説が正しいかどうかの判断は難しいですね。
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