理科生物細胞・生殖・遺伝

「ブルース効果」って知ってる?生殖にかかわる現象を現役講師が解説します

そうですね…系統というのは、血のつながりのようなものだと思ってください。別の系統のマウスということは、はじめの交尾相手となったオスのマウスとはまったく血縁関係にないマウスだということになります。

image by iStockphoto

約20日のマウスの妊娠期間。普通であれば、妊娠したマウスはあっという間に出産する時期に入るのですが、ブルースはあることに気付きます。はじめの交尾相手ではないオスのマウスと一緒に飼育していたメスのマウスは、通常よりも流産する確率が高いのです。

流産してしまったメスマウスはしばらくすると、はじめの交尾の相手ではない、後から同じケースで飼育されているオスマウスと再度交尾を行います。そして、また新たに妊娠するんです。

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不思議だな…あとから一緒に飼育するようになった別系統のオスが、子孫を残すことに成功したのか。

そういうことになりますね。

このマウスの実験で見られたように、「交尾後(妊娠中)のメスを、交尾相手ではない別のオスと同居させる(曝露する)と、妊娠が中断される」という現象が、ブルース効果とよばれています。

image by Study-Z編集部

ブルースの研究のあと、他の研究者たちも追随し、ブルース効果はより詳しく研究されました。妊娠の中断は、受精卵(胚)の着床前でも着床後でも生じることや、他の種類のネズミの仲間でも同じような実験結果が出ること、別系統のオスマウスの尿に曝露させても同様の効果が表れること、などが分かったのです。

しかしながら、その原因やメカニズムは長い間未解明となっていました。

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「妊娠・出産を阻害してしまう」なんて、重要な現象じゃないか!今も原因は不明のままなのか?

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yu_onozuka