この記事では「世話を焼く」について解説する。

端的に言えば世話を焼くの意味は「他人の世話をする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「世話を焼く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「世話を焼く」の意味や語源・使い方まとめ

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日常生活や小説などで、よく「色々と世話を焼いた」などと目にすることがあるでしょう。なんとなく、意味のイメージはつきますが、正しい意味と使い方を知ることによって使いこなすことができます。それでは早速「世話を焼く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「世話を焼く」の意味は?

「世話を焼く」には、次のような意味があります。

他人の世話をする。進んで他人の面倒をみる。「同窓会の―・く」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「世話を焼く」

「世話を焼く」は「せわをやく」と読み、意味は2つあります。1つ目は、「自分から進んで、他人の面倒を見ること」という意味で、本当は本人がするべきこと自ら援助したり、助けたりすることです。2つ目は、「余計な面倒を見ること」という意味で、他人のために良かれと思って援助したことが、実は本人は望んでいない行動をしている事を言います。

「世話を焼く」の語源は?

次に「世話を焼く」の語源を確認しておきましょう。「世話を焼く」と聞くと、なぜ焼くというのか、不思議に思った方もいるのではないでしょうか。「焼く」には、皆さんがイメージしている通り「熱、光、薬品などの作用を及ぼす」という意味がありますが、もう1つに「心を労する」という意味があるのです。

他にも、「おせっかいを焼く」「手を焼く」などの慣用句がありますが、ここでも同じ意味で「焼く」が用いられています。

\次のページで「「世話を焼く」の使い方・例文」を解説!/

「世話を焼く」の使い方・例文

「世話を焼く」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.彼は友達の婚活に関して、色々と世話を焼いた。
2.就活に関して、家族に色々と世話を焼いてもらった。
3.彼女は今日、本当は忙しいはずなのだが、弱っている彼から離れていることができず、世話を焼かずにいられなかったようだ。

これらの例文について、詳しく見ていきましょう。例文1は、彼が友達の婚活に、協力したことがわかりますね。友達の婚活がうまくいってないことを聞き、自分の知り合いを紹介したりするなど、協力した事を表現されています。

例文2は、自分の就活がうまくいってない時に、家族に世話を焼いて貰ったことがわかりますね。例文3は、彼女が忙しい中でも、彼が病気で苦しんでいるため、離れることができずに世話を焼かずにいられなかった様子を表現した例文です。

「世話を焼く」の類義語は?違いは?

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「世話を焼く」には「他人の世話をする。進んで他人の面倒をみる」という意味がありました。そんな「世話を焼く」の類義語について見ていきましょう。

その1「尽くす」

「世話を焼く」の類義語には、「尽くす」が挙げられます。「尽くす」は「つくす」と読み、「他の者のために精一杯働いたり努力したりする。尽力する」という意味です。「世話を焼く」には「他人の世話をする」という意味があるため、他の者のために何かをするという点で類義語と言えるでしょう。

違いとしては、「世話を焼く」は他人の世話をする事を表現する慣用句ですが、「尽くす」は他人のために努力したり、尽力する事を表現します。うまく使い分けていきましょう。

\次のページで「その2「構う」」を解説!/

・上司の彼女は本当に尽くすタイプだから羨ましい。

・色々手を尽くしてみたが、駄目だった。

・言葉が尽きたのか、男性は黙り込んだ。

その2「構う」

2つ目の類義語には、「構う」が挙げられます。「構う」とは、「その事柄や存在を気にかけて、規制された状態になる」「世話を焼いたり、相手をしたりする」という意味です。意味に、「世話を焼く」とあるように、ほぼ同じ意味になります。

・わたくしに構ってないでさっさと中に入って遊んでくればいいでしょう。

・作業にあたっての質問や経過報告、御願いなどは、こちらで構いません。

・皆が私を無視しているのは分かっているけど、そんなこと構うもんですか。

その3「面倒を見る」

3つ目の類義語には、「面倒を見る」が挙げられます。「面倒を見る」は「めんどうをみる」と読み、「世話をする」という意味です。「世話を焼く」の意味に、そのまま「面倒を見ること」とあるので、こちらは言い換え語としても使う事が出来るでしょう。

・わがままな子供の面倒を見るのは大変だ。

・今度後輩の面倒を見る事になった。

・近所のおばあちゃんには、幼いころから面倒を見て貰っていた。

「世話を焼く」の対義語は?

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「世話を焼く」の対義語についても見ていきましょう。

\次のページで「「放っておく」」を解説!/

「放っておく」

「世話を焼く」の対義語には、「放っておく」が挙げられます。「世話を焼く」とは、「他人の世話をする。進んで他人の面倒をみる。」という意味でした。「放っておく」は「ほうっておく」と読み、「目をかけず、打ち捨てておくこと。顧みない様子。放置する」という意味があるので、対義語と言っていいでしょう。

例えば、「弱っている彼から離れていることができず、世話を焼かずにいられなかった」という文章を、「弱っている彼を放って仕事に行った」とすると、全く反対の文章になります。

・彼女が自発的に止めるまで、放っておくことに私達は決めた。

・私は返事をせずに放っておくのは好きではありません。

・彼女からかかってきた電話を放っておく。

「世話を焼く」を使いこなそう

この記事では「世話を焼く」の意味・使い方・類語などを説明しました。「世話を焼く」は「せわをやく」と読み、「他人の世話をする。進んで他人の面倒をみる」といった意味があります。「焼く」と書く理由は、「焼く」には、皆さんがイメージしている通り「熱、光、薬品などの作用を及ぼす」という意味がありますが、もう1つに「心を労する」という意味があるためです。

「世話を焼く」には、文法的な使い方とビジネスシーンでの使い方があります。「世話を焼く」は動詞を含んだ表現であり、そのまま使うことができるのです。また、ビジネスシーンでも「世話を焼く」と使うことができます。他人の仕事に対して口出ししたり、人間関係や条件のすり合わせなどを取り持つ時に使ってみましょう。

様々な場面で使う事が出来るため、是非使い方をマスターし、明日から「世話を焼く」と使ってみてください。

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国語言葉の意味

【慣用句】「世話を焼く」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「世話を焼く」について解説する。

端的に言えば世話を焼くの意味は「他人の世話をする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

幼少期から様々な分野の本を読み続け、知識を深めてきた川瀬を呼んです。一緒に「世話を焼く」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/川瀬

幼少期から多種多様な本を与えられて育ち、分からない言葉があれば辞書で引く癖がついていた。本を読む度に、細やかで表現力豊かな美しい日本語に魅了される。これまでの読書量を活かし、丁寧に言葉の意味を解説していく。

「世話を焼く」の意味や語源・使い方まとめ

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日常生活や小説などで、よく「色々と世話を焼いた」などと目にすることがあるでしょう。なんとなく、意味のイメージはつきますが、正しい意味と使い方を知ることによって使いこなすことができます。それでは早速「世話を焼く」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「世話を焼く」の意味は?

「世話を焼く」には、次のような意味があります。

他人の世話をする。進んで他人の面倒をみる。「同窓会の―・く」

出典:デジタル大辞泉(小学館)「世話を焼く」

「世話を焼く」は「せわをやく」と読み、意味は2つあります。1つ目は、「自分から進んで、他人の面倒を見ること」という意味で、本当は本人がするべきこと自ら援助したり、助けたりすることです。2つ目は、「余計な面倒を見ること」という意味で、他人のために良かれと思って援助したことが、実は本人は望んでいない行動をしている事を言います。

「世話を焼く」の語源は?

次に「世話を焼く」の語源を確認しておきましょう。「世話を焼く」と聞くと、なぜ焼くというのか、不思議に思った方もいるのではないでしょうか。「焼く」には、皆さんがイメージしている通り「熱、光、薬品などの作用を及ぼす」という意味がありますが、もう1つに「心を労する」という意味があるのです。

他にも、「おせっかいを焼く」「手を焼く」などの慣用句がありますが、ここでも同じ意味で「焼く」が用いられています。

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