この記事では「習慣は第二の天性なり」について解説する。

端的に言えば習慣は第二の天性なりの意味は「習慣は生まれつきの性質のようなもの」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

自治体広報紙の編集を8年経験した弘毅を呼んです。一緒に「習慣は第二の天性なり」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/八嶋弘毅

自治体広報紙の編集に8年携わった。正確な語句や慣用句の使い方が求められるので、正しい日本語の使い方には人一倍敏感。

「習慣は第二の天性なり」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「習慣は第二の天性なり」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「習慣は第二の天性なり」の意味は?

「習慣は第二の天性(てんせい)なり」には、次のような意味があります。

習慣の力は大きなもので、生まれつきの性質と変わらないほど日常の行動に影響を及ぼす。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「習慣は第二の天性なり」

確かに毎食後歯を磨くとか、目覚まし時計をセットしていなくても朝自然に眼が醒めるなど、自分では意識していないのに行ってしまう行動があります。また毎日の食事も欠かさずとるものです。

これらは特別な能力ではなく後天的に私たち人間が取得したものと言えます。これらに特殊な能力や才能はいりません。すべて生活をするうえでの必要性から得たもので、こうして得た毎日の行動を指して「習慣は第二の天性なり」と言うのです。

「習慣は第二の天性なり」の語源は?

次に「習慣は第二の天性なり」の語源を確認しておきましょう。実は「習慣は第二の天性なり」という言葉は誰が言ったものかはっきりしていません。3世紀後半に活躍したギリシャの哲学者ディオゲネス・ラエルティオスの言葉とも、紀元前80年頃の共和制ローマ時代の政治家・哲学者であるマルクス・トゥッリウス・キケロの言葉とも、また西暦400年前後の古代ローマ帝国の神学者・哲学者アウレリウス・アウグスティヌスの言葉が由来とも言われています。

それぞれの人物が、同じような考えに至って意識しないで似たようなことを言った可能性もあるでしょう。

\次のページで「「習慣は第二の天性なり」の使い方・例文」を解説!/

「習慣は第二の天性なり」の使い方・例文

「習慣は第二の天性なり」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、例えば以下のように用いられます。

1.僕らはわからない単語が出てきたら英和辞典を利用していつもチェックする癖をつけている。習慣は第二の天性なりとも言うしね。
2.習慣は第二の天性なりと言うように、親の背中を見て育った子供は自然と親に似た行動をするようになる。この真似も習慣の一つだろう。
3.早起きして一生懸命勉強したら希望する有名大学に合格できた。習慣は第二の天性なりと言って、朝の静かな環境を活用するように学習方法を変更したからだろう。

喫茶店でコーヒーを飲んだり、健康に悪いと言われてもタバコをやめられないのも習慣の一つです。特にタバコは値上げされて金銭的な負担が多くなっても、なかなか禁煙に踏み切ることはできません。この頃はお店での喫煙が禁止されたこともあり、愛煙家は喫茶店などのお店に行く回数も減っているのではないでしょうか。

最近はタバコをたしなむ人には厳しい環境と言わざるを得ません。歩きタバコは罰金や科料の対象になりますから、一層タバコを吸える機会が少なくなっています。「習慣は第二の天性なり」と言うように、こうしたコーヒーやタバコもなかなかやめられるものではありません。コーヒーやタバコなどの嗜好品は、大袈裟に言えば人生の一種の息抜きとも言えます。あまり目くじらをたてることなく、またエチケットを守ってたしなみたいものです。

「習慣は第二の天性なり」の類義語は?違いは?

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ここでは「習慣は第二の天性なり」の類義語を見ていきましょう。

その1「習慣は自然の如し」

「習慣は自然の如し」とは、春秋時代の中国の思想家・孔子の言行や、弟子との問答を集めた書『孔子家語(こうしけご)』に収録された言葉です。「習慣は知らず知らずのうちに身につき、まるで生まれつき持っている天性のようなものになる」ということを表しています。この言葉は「習慣は第二の天性なり」とよく似た言葉と言えるでしょう。

\次のページで「その2「習慣は常となる」」を解説!/

その2「習慣は常となる」

「習慣は常となる」とは、繰り返して物事を実施していればそのうち癖になって、やらないと気持ちが落ち着かなくなるような状態を指しています。例えば日々ブログを更新している人が、なにかの事情で更新できなくなった場合、なんだか物足りない思いに陥るものです。このように「習慣は常となる」は、習慣化したことは日常的に続けていってしまうものだとの意味を持っています。

その3「習い性となる」

「習い性(せい)となる」もやはり「習慣は第二の天性なり」の類義語の一つと言えるでしょう。「習い性」は続けて発音するのではなく「習い、性」と区切るのが正しい発音です。意味は「習慣は、その人の生まれつきの性質のようになる」ということで、出典は『書経』にあります。『書経』とは、古代中国の歴史書で堯(ぎょう)、舜(しゅん)、夏(か)、殷(いん)、周王朝の政治家らの心構えなどが記されたものです。『詩経』『礼記』『易経』『春秋』と並んで「五経」と呼ばれる儒教の大切な経典とされてきました。「習い性となる」『書経』の太甲上篇に書かれています。

「習慣は第二の天性なり」の対義語は?

「習慣は第二の天性なり」に対義語はあるのでしょうか。まず思い浮かんだのが「努力に勝る天才なし」です。意味は「どれだけ天賦の才を持った人でも努力を続ける人には勝てない」ということを表しています。また「努力を続けることができることこそ、持って生まれた才能だ」とも解釈できるのです。いずれにしても努力を続けることが習慣化していなくてはなりません。となると「習慣は第二の天性なり」の対義語とするのは無理があるように思います。つまり「習慣は第二の天性なり」の対義語はないと言えるのではないでしょうか。

「習慣は第二の天性なり」の英訳は?

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最後に「習慣は第二の天性なり」の英訳を見ていきましょう。

その1「custom is a second nature」

「custom is a second nature」は、そのまま「習慣は第二の天性なり」の英語訳とすることができるでしょう。「nature」には「自然」のほかに「性質」「本質」という意味があります。つまり「second nature」「第二の本質」つまり「第二の天性」と訳せるのです。

その2「habit is a second nature」

「habit is a second nature」「custom is a second nature」とよく似た言い回しです。「custom」「習慣」とか「風習」を意味しますが「habit」も「癖」のほか「習慣」という意味があります。つまり「habit is a second nature」「習慣は第二の天性なり」となるのです。

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その3「once a use and ever a custom」

「once a use and ever a custom」は前に紹介した二つの英文とは若干違ったニュアンスを持っています。これを和訳すると「一度癖になると習慣になる」という意味になるのです。「once a use」で「一度使うと」なり「一度癖になると」と訳せます。そして「ever a custom」で「ずっと習慣になる」となるのです。このあたりの表現は日本語ではうまく言い表せませんので、一つの文章として覚えてしまう方がいいでしょう。

「習慣は第二の天性なり」を使いこなそう

この記事では「習慣は第二の天性なり」の意味・使い方・類語などを説明しました。この言葉には人生を生きていくうえで貴重なヒントが詰まっていると言えるでしょう。日常生活であまり使うことはないかもしれませんが、ちょっとした会話のなかで使うと語彙力が高い人間だと見直してもらえるかもしれません。

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【故事成語】「習慣は第二の天性なり」の意味や使い方は?例文や類語を元広報紙編集者がわかりやすく解説!

この記事では「習慣は第二の天性なり」について解説する。

端的に言えば習慣は第二の天性なりの意味は「習慣は生まれつきの性質のようなもの」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

自治体広報紙の編集を8年経験した弘毅を呼んです。一緒に「習慣は第二の天性なり」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/八嶋弘毅

自治体広報紙の編集に8年携わった。正確な語句や慣用句の使い方が求められるので、正しい日本語の使い方には人一倍敏感。

「習慣は第二の天性なり」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「習慣は第二の天性なり」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「習慣は第二の天性なり」の意味は?

「習慣は第二の天性(てんせい)なり」には、次のような意味があります。

習慣の力は大きなもので、生まれつきの性質と変わらないほど日常の行動に影響を及ぼす。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「習慣は第二の天性なり」

確かに毎食後歯を磨くとか、目覚まし時計をセットしていなくても朝自然に眼が醒めるなど、自分では意識していないのに行ってしまう行動があります。また毎日の食事も欠かさずとるものです。

これらは特別な能力ではなく後天的に私たち人間が取得したものと言えます。これらに特殊な能力や才能はいりません。すべて生活をするうえでの必要性から得たもので、こうして得た毎日の行動を指して「習慣は第二の天性なり」と言うのです。

「習慣は第二の天性なり」の語源は?

次に「習慣は第二の天性なり」の語源を確認しておきましょう。実は「習慣は第二の天性なり」という言葉は誰が言ったものかはっきりしていません。3世紀後半に活躍したギリシャの哲学者ディオゲネス・ラエルティオスの言葉とも、紀元前80年頃の共和制ローマ時代の政治家・哲学者であるマルクス・トゥッリウス・キケロの言葉とも、また西暦400年前後の古代ローマ帝国の神学者・哲学者アウレリウス・アウグスティヌスの言葉が由来とも言われています。

それぞれの人物が、同じような考えに至って意識しないで似たようなことを言った可能性もあるでしょう。

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