今回は「日本における天気の特徴」について解説していきます。

日本は四季のある国です。そして、日本では梅雨・台風・積雪などの様々な気象現象を体験することができるぞ。このようなことは当たり前のように思うかもしれないが、実は地球全体で、日本のような気象条件の国は多くはないことを知っているでしょうか。今回は、身近であるからこそ忘れられがちな日本の天気についての学んでいく。ぜひ、この機会に日本における天気の特徴について理解を深めてくれ。

環境工学を専攻している現役理系学生ライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長

現役理系大学生。エネルギー工学、環境工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。土壌、生態系、気象、地球温暖化について学んだこともある。

日本の天気について知ろう

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皆さんは、世界の他の地域と比べて、日本の天気にどのような特徴があるのかをご存知ですか実は日本の天気というのは、世界の中でも独特なものになっているのです。それはなぜでしょうか?

以上のような疑問に応えるべく、今回の記事では、一年を通した日本の天気がどのようなものであるのかを解説していきます。最終的には、日本の天気の特徴について説明できるようになりますよ。それでは、早速解説していきますね。

日本の気候区分

気候区分に着目すると、世界各地における天気の特徴を大まかに知ることができます。この気候区分はケッペンという学者によって提唱されたもので、全部で14種類の気候区分が存在しますよ。

日本列島の大部分は温暖湿潤気候の地域に分類されます。名前の通り、温暖湿潤気候の地域では、年間を通して比較的温暖です。また、どの季節であっても降水量が少なくならないことが特徴ですよ。

また、日本の中であっても温暖湿潤気候の地域に属さない場所もあります北海道の気候は亜寒帯(冷帯)に属し、沖縄・奄美地方の気候は亜熱帯に属しますよ。このことは、北海道や沖縄における生息する生物が本州とは少し異なることからも伺い知れますよね。

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日本の地理的な特徴

日本の地理的な特徴

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気候区分に着目することで、日本における天気がどのようなものであるのかをある程度理解できたかと思います。ですが、気候区分は世界の気候をマクロな視点で分類したものです。より詳しく日本の天気を知るためには、日本の地理的な特徴も知る必要がありますよ

日本は島国であり、四方八方が海になっています。それらの海の中には世界一大きい海である太平洋が含まれていますよね。当然ながら、日本の天気について知る際に、太平洋の存在を無視することはできません

また、日本列島の真ん中には背骨のように高い山々がそびえ立っています。この山々も日本の天気に多大な影響をもたらすのです。さらに、瀬戸内海周辺における独特な環境も、日本の天気について学ぶ上で重要になりますよ。

日本における天気と季節の関係

ここからは、先ほど述べた日本の地理的な側面を考慮しながら、日本における天気の特徴を季節ごとに説明していきます。各季節に見られる現象がどのようなメカニズムによって生じているのかを学びましょう。

以下の内容について知ることで、日本の天気に対する理解はより本質的なものになるかと思いますよ。さらに、天気予報や天気図の見方もより高度なものに変化するでしょう。

\次のページで「春の天気」を解説!/

春の天気

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まずは、春の天気について学んでいきましょう。春の天気について知る際に、重要になるのが揚子江気団です。揚子江気団は、中国があるユーラシア大陸の南東部で発生する気団ですよ春になると、この揚子江気団が移動性高気圧として、日本列島に次々とやってきます揚子江気団は暖かく乾燥した空気を含んでいるので、日本における春は天気の良い日が比較的多くなりますよ

また、黄砂が観測される理由も、揚子江気団がもとになっている移動性高気圧によって説明できます。中国やモンゴルにある砂漠の砂が、乾燥した移動性高気圧に混ざり日本に運ばれてくるのです。近年は、砂が運ばれる過程で工場や自動車などから排出される大気汚染物質が付着してしまうことが問題視されています。それゆえ、黄砂による健康被害が生じる可能性があるとされていますよ。また、黄砂の多い日には屋外に置かれている洗濯物や車のボディが汚れてしまいます。

夏の天気

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次は夏の天気について解説していきます夏のはじめは梅雨の季節です。梅雨の間は雨が降る日が非常に多くなりますよね。梅雨の間は、日本列島の真上で日本海側のオホーツク海気団と太平洋側の小笠原気団がぶつかり合い梅雨前線が形成されます。この前線が停滞するので、長雨になるのです。梅雨が明けると、小笠原気団が日本列島を覆いつくし、本格的な夏が訪れますよ。小笠原気団は熱く湿った空気を多く含んでいます

夏の時期には、台風も日本にやってきますよね台風の正体は日本よりもはるか南の海でうまれる熱帯低気圧です。台風は日本に近づくまでに、海から大量の水蒸気を吸収し、勢力を拡大します。そのため、日本に台風が上陸すると、大雨や暴風による被害が多発するのです。ですから、台風が日本列島に接近する際には十分な対策が求められます。

秋の天気

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秋の天気は春の天気と非常に似ていますよ秋になると、中国で発生する揚子江気団が移動性高気圧として再び日本にやってくるようになります。そのため、春と同じように晴れの日が比較的多くなるのです。

しかしながら、春の天気と微妙に異なる点もありますそれは秋雨前線が形成されることです。秋雨前線は揚子江気団とオホーツク海気団がぶつかり合うことで生じる前線ですよ。秋雨前線が日本列島の真上に存在すると雨の日が続きます。秋雨前線は梅雨前線に似ていますが、停滞する期間は秋雨前線のほうが短くなっていますよ

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冬の天気

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最後に冬の天気について述べますね。冬になると、ロシア付近で発生するシベリア気団が発達します。シベリア気団は寒気を含んでおり、それが北西の季節風として日本に移動してくるのです

この季節風は日本海を通過する際に海から水分を吸収しますこれが冬場に日本海側の地域で雪が多く降る理由です水分を多く含む季節風が山々に当たることで、雪を降らせる雲ができるのですね。一方、冬場の太平洋側の空気は乾燥しています

また、冬型の気圧配置には西高東低という特徴がありますよ。西高東低とは、西側に高気圧が存在し、東側に低気圧が存在する状態のことをさします。このとき、等圧線は南北を貫くような形になりますよ。この気圧配置になることは季節風の向きからも納得することができますよね

日本における天気の特徴を学ぶ意義

この記事では、日本の気候区分と地理的な特徴を学びました。そして、その後に季節ごとの天気について解説しましたよね。日本で暮らしていると、身近すぎるがゆえに、このようなことに興味をもつ機会はあまりありません。

ですが、日本で見られる気象現象には、珍しいものも含まれています。このような理由から、日本の天気には一体どのような特徴があるのかということを一度勉強しておいて損はないと言えますよ。ぜひこの機会に、日本における天気の特徴について学んでみてくださいね。

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地学大気・海洋理科

3分で簡単日本における天気の特徴!ほかの国との違いとは?理系学生ライターが徹底わかりやすく解説!

今回は「日本における天気の特徴」について解説していきます。

日本は四季のある国です。そして、日本では梅雨・台風・積雪などの様々な気象現象を体験することができるぞ。このようなことは当たり前のように思うかもしれないが、実は地球全体で、日本のような気象条件の国は多くはないことを知っているでしょうか。今回は、身近であるからこそ忘れられがちな日本の天気についての学んでいく。ぜひ、この機会に日本における天気の特徴について理解を深めてくれ。

環境工学を専攻している現役理系学生ライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長

現役理系大学生。エネルギー工学、環境工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。土壌、生態系、気象、地球温暖化について学んだこともある。

日本の天気について知ろう

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皆さんは、世界の他の地域と比べて、日本の天気にどのような特徴があるのかをご存知ですか実は日本の天気というのは、世界の中でも独特なものになっているのです。それはなぜでしょうか?

以上のような疑問に応えるべく、今回の記事では、一年を通した日本の天気がどのようなものであるのかを解説していきます。最終的には、日本の天気の特徴について説明できるようになりますよ。それでは、早速解説していきますね。

日本の気候区分

気候区分に着目すると、世界各地における天気の特徴を大まかに知ることができます。この気候区分はケッペンという学者によって提唱されたもので、全部で14種類の気候区分が存在しますよ。

日本列島の大部分は温暖湿潤気候の地域に分類されます。名前の通り、温暖湿潤気候の地域では、年間を通して比較的温暖です。また、どの季節であっても降水量が少なくならないことが特徴ですよ。

また、日本の中であっても温暖湿潤気候の地域に属さない場所もあります北海道の気候は亜寒帯(冷帯)に属し、沖縄・奄美地方の気候は亜熱帯に属しますよ。このことは、北海道や沖縄における生息する生物が本州とは少し異なることからも伺い知れますよね。

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