今回は「低気圧」について解説していきます。

低気圧という言葉はテレビやラジオの天気予報を聞いていると頻繁に耳にすることがあるでしょう。低気圧は雨雲が発生する原因にもなるもので、台風も低気圧の一種であることがわかっているぞ。この記事を読むと、低気圧についての基礎的な知識を身に着けることはもちろん、より発展的な内容までも学ぶことができるはずです。ぜひ、この機会に低気圧の特徴について理解を深めてくれ。

環境工学を専攻している現役理系学生ライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長

現役理系大学生。エネルギー工学、環境工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。土壌、生態系、気象、地球温暖化について学んだこともある。

低気圧について知ろう

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By NOAA - NOAA, Public Domain, Link

テレビのニュース番組などで天気予報を見ていると、「低気圧」という単語を頻繁に目にしますよね。このようなことから、低気圧の概念は天気について考える際に非常に重要なものであるとわかります。

ですが、低気圧という単語を聞いたことがある方であっても、その意味まではよく分からないといケースは少なくはないでしょう。この記事は、そのような方でも、すぐに低気圧の概念が理解できるようなものになっています。基礎的な内容から説明をはじめ、最終的には低気圧の特徴や種類を解説しますよ

気圧とは?

低気圧について解説する前に、そもそも気圧とは何を表す気象用語であるかということを知っておきましょう。気圧は空気が他の物体などに与える力の大きさを単位面積当たりで表したものです

このような説明だけでは、理解しづらいことがあるかもしれませんので、具体例を挙げて説明します。ゴム風船を例としますねゴム風船に空気をたくさん注入すると、風船は大きく膨らみますこれは、風船内部の空気が外側に広がろうとしているために生じる現象ですよ。言い換えれば、風船内部の気圧が高い状態です

このような考え方は大気にも適用させることができ、それが天気予報で目にする気圧になります。気象庁が気圧などの観測を行っており、そのデータは気象庁が発表する気象情報に含まれていますよ。

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低気圧とは?

低気圧とは?

image by Study-Z編集部

大気全体の気圧分布を考えたとき、気圧が相対的に大きな部分と気圧が相対的に小さい部分に分けることができます。そして、この気圧が小さい部分を低気圧と呼ぶのです。テレビや新聞の天気予報では、天気図が示されることが多いですが、その中に低気圧の記号が示されています。低気圧の記号は「低」の文字を円で囲ったものが多いです。また、この記号は赤色に塗られることが多いですよ

低気圧が気象に影響を与えるのはもちろんのことですが、最近では人間の体調にも影響を及ぶことが分かってきました。体質によりますが、低気圧が近づくことで頭痛などの症状を感じる人がいるようです。

低気圧と天気の関係

image by iStockphoto

ここまでは、低気圧そのものがどのようなものであるのかを考えてきましたが、以下では低気圧と天気の関係について学んでいきます。低気圧と天気の関係を知ることで、低気圧の特徴についても同時に理解できるようになりますよ。

具体的には、低気圧が存在する場所で天気が悪くなりやすいのはなぜかということを確認していきます。説明に目を通す際は、知識の丸覚えをするだけでなく、メカニズムの理解も併せて進めるようにしてくださいね。それでは、早速説明していきますね。

低気圧と気流

まずは、低気圧が存在する場所ではどのような気流が生じるのかを考えましょう。低気圧が存在する部分には、高気圧が存在する他の場所から空気が流れ込みます。この空気の流れは圧力差によるものです。

ですが、低気圧に空気が流れ込み続けると空気は逃げ場所を失ってしまいますよね。当然ながら、実際はそのような状態にはなりません。低気圧が存在する場所に流れ込んだ空気は空高くに逃げていきますこのようなメカニズムによって、低気圧が存在する場所では、上昇気流が発生するのです

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低気圧による雲の形成

先ほど、低気圧が存在する場所では、上昇気流が生じることを述べました。実はこの現象が、低気圧が存在する場所で雲が形成される原因になっていますよ。低気圧によって、湿った空気が空高く運ばれると圧力変化によって、空気が冷やされます。そして、空気中に含まれる水蒸気が凝結し、水滴や氷の粒になるのです

これらの水滴や氷の粒の集合体が雲となりますよ。以上のようなメカニズムで雲が発生するため、低気圧がやってくると天気が悪くなると言われれているのですね。近年は、低気圧による活発な雨雲が発生することが多くなっています。このような低気圧のことを、爆弾低気圧と表現することもありますよ。

低気圧の種類

低気圧には、複数の種類がありますが、今回は日本の天気について考える際に重要になる「熱帯低気圧」と「温帯低気圧」の2つをご紹介します。近年は大雨による土砂災害などが増加傾向にあり、十分な警戒が必要なことからも、以上のような言葉を報道で耳にすることが多くなっていますよね。

両者の違いはどこにあるのかということに注目して、記事を読み進めてくださいね。また、このような低気圧が原因で生じる災害による被害を最小限にするためには、どのような防災体制が必要なのかということも考えてみましょう。

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1.熱帯低気圧

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Image courtesy of Mike Trenchard, Earth Sciences & Image Analysis Laboratory, NASA Johnson Space Center. - http://earthobservatory.nasa.gov/NaturalHazards/view.php?id=12140, パブリック・ドメイン, リンクによる

熱帯低気圧は、いわゆる台風の正式名称です熱帯低気圧は太平洋の南部や南西部で発生し、暖かい海面の湿気を取り込みながら北上しますよ。日本に近づく頃には、熱帯低気圧の勢力はピークを迎えます。熱帯低気圧が通過する際には、大雨が降るだけでなく暴風が吹き荒れますよね

そのため、他の種類の低気圧よりも災害の規模が大きくなる可能性が高くなるので注意が必要です。台風による被害から身を守るためには、予想進路などをこまめに調べたり、日ごろからハザードマップなどを確認したりすることが大切になりますよ。

2.温帯低気圧

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温帯低気圧は、日本列島付近で発生する低気圧のことです。台風も勢力が弱まると、温帯低気圧に変化します。熱帯低気圧と違い、温帯低気圧は南北で温度差がありますよこのことは、温帯低気圧が必ず前線をともなうことを意味します。この点が熱帯低気圧と温帯低気圧の決定的な違いです。

しかしながら、温帯低気圧であっても、災害リスクが極端に下がるわけではありません。ですから、長雨や豪雨のときには、油断をせずに避難などの準備を行うことが求められます。

低気圧の特徴について学ぶ意義

近年、大雨などによる土砂災害が増加傾向にありますね。そのような背景もあり、ニュース番組や新聞で低気圧という言葉を目にする回数も多くなってきています。ですから、低気圧についての知識を身に着けておくことで損をすることはないと言えますよね。

この記事では、低気圧の定義や天気との関係を学び、低気圧の種類についても説明を行いました。これらをすべて覚えておけば、天気予報の内容もより深く理解できるようになるでしょう。ぜひこの機会に、低気圧の特徴について学んでみてくださいね。

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3分で簡単にわかる低気圧と天気の関係!低気圧の種類も現役理系学生ライターがわかりやすく解説!

今回は「低気圧」について解説していきます。

低気圧という言葉はテレビやラジオの天気予報を聞いていると頻繁に耳にすることがあるでしょう。低気圧は雨雲が発生する原因にもなるもので、台風も低気圧の一種であることがわかっているぞ。この記事を読むと、低気圧についての基礎的な知識を身に着けることはもちろん、より発展的な内容までも学ぶことができるはずです。ぜひ、この機会に低気圧の特徴について理解を深めてくれ。

環境工学を専攻している現役理系学生ライター通りすがりのペンギン船長と一緒に解説していきます。

ライター/通りすがりのペンギン船長

現役理系大学生。エネルギー工学、環境工学を専攻している。これらの学問への興味は人一倍強い。土壌、生態系、気象、地球温暖化について学んだこともある。

低気圧について知ろう

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By NOAA – NOAA, Public Domain, Link

テレビのニュース番組などで天気予報を見ていると、「低気圧」という単語を頻繁に目にしますよね。このようなことから、低気圧の概念は天気について考える際に非常に重要なものであるとわかります。

ですが、低気圧という単語を聞いたことがある方であっても、その意味まではよく分からないといケースは少なくはないでしょう。この記事は、そのような方でも、すぐに低気圧の概念が理解できるようなものになっています。基礎的な内容から説明をはじめ、最終的には低気圧の特徴や種類を解説しますよ

気圧とは?

低気圧について解説する前に、そもそも気圧とは何を表す気象用語であるかということを知っておきましょう。気圧は空気が他の物体などに与える力の大きさを単位面積当たりで表したものです

このような説明だけでは、理解しづらいことがあるかもしれませんので、具体例を挙げて説明します。ゴム風船を例としますねゴム風船に空気をたくさん注入すると、風船は大きく膨らみますこれは、風船内部の空気が外側に広がろうとしているために生じる現象ですよ。言い換えれば、風船内部の気圧が高い状態です

このような考え方は大気にも適用させることができ、それが天気予報で目にする気圧になります。気象庁が気圧などの観測を行っており、そのデータは気象庁が発表する気象情報に含まれていますよ。

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