頂端分裂組織は植物の伸長に関わる
頂端分裂組織で盛んに細胞分裂が行われると、茎や根の先端の細胞が増えていくため、植物のからだは上へ、もしくは地中へと伸びていくことになります。つまり、植物が伸長していくことになるのです。このため、頂端分裂組織のあるところは成長点(生長点)とも呼ばれます。
また、側枝や側根が生じるのも、頂端分裂組織があるおかげです。
2.形成層
形成層(維管束形成層)は、植物の茎や根にある維管束のうち、木部と師部(篩部)の間に存在している分裂組織です。
頂端分裂組織とちがい、形成層は植物の種類によって発達の度合いが異なります。
形成層がよく発達するのは、双子葉植物や裸子植物です。これらの植物の茎の断面を観察すると、形成層がぐるりと円を描くように(環状に)配置し、ひとつの層になっていることが分かります。
反対に、形成層がほとんど発達しないのが単子葉植物やシダ植物です。
形成層は茎や根の肥大に関わる
前述の頂端分裂組織が縦方向への慎重だったのに対し、形成層では横方向(側方)への細胞分裂が行われます。すると、形成層のある茎や根などはどんどん太くなっていく(肥大していく)のです。樹木の幹が太くなるのは、この形成層が存在しているためだといえます。
形成層と”樹木”
ここで、形成層の発達具合と”樹木”とよばれる植物の仲間について考えてみましょう。
樹木…いわゆる”木”と、”草”(草本類)の違いはなんでしょうか?
そうですね。樹木を特徴づける”太い幹”は、形成層があることでつくられます。一般的な樹木の幹は、その大部分が形成層の細胞分裂によってできた二次木部からなるのです。
二次木部とは、形成層の内側につくられる道管や繊維などがある部分。建築現場や木工などで使われる”木材(材木)”というのは、基本的にこの二次木部なんですよ。
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