1.恋人なんだ、と彼が紹介してくれた女性は、目を瞠るほどの美人だった。
2.リレー弱小チームのアンカーが、他の選手をみるみるごぼう抜きにする姿に、会場全体が瞠目した。
3.他社の新製品を試してみた我々は、圧倒的な技術の差と使いやすさに瞠若した。
「瞠る」は、「目を瞠る」という慣用表現で使われることが多い言葉です。「目を瞠る」は単に目を開いてよく見る以上に、美しさや素晴らしさに目を奪われるというニュアンスが加わります。この「美しさに目を奪われた」という意味で使っているのが、例文1ですね。
また「瞠」の漢字を使った熟語も2つご紹介しましょう。例文2「瞠目」は「どうもく」と読みます。「感心して目をみはる」という意味で、例文は誰も注目していなかった選手が見事な走りを見せたので、会場全体が驚き感心して目をみはった、注目したという意味になりますね。
例文3は「瞠若(どうじゃく)」という熟語を使ってみました。「瞠若」は「素晴らしい業績に驚き、目をみはる」という意味です。競合他社製品の素晴らしさに、一同が驚き恐れ入っている様子が分かりますね。
「瞠る」の類義語は?違いは?
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1つ言葉を覚えたときは、同じ意味の言葉をまとめて覚えてしまうことが語彙力アップの近道です。「瞠る」と同じ意味を持つ表現を押さえましょう。
その1「驚嘆」
「素晴らしさに目を見開き、注目する」という意味で「瞠る」を使う場合の類義語になるのが「驚嘆(きょうたん)」です。「驚嘆」とは「びっくりするほど感心する、ひどく感心する、思いがけない出来事に驚く」という意味になります。驚き感心したとき、人は自然と目を見開くものですよね。動作の面から見ても「瞠る」の類義語だと言えます。
その2「感嘆」
「驚嘆」と似ていますが、「感嘆(かんたん)」という熟語も見ておきましょう。「感嘆」は「感心したり、感動したりしたときに、つい声やため息が出る様子」という意味です。こちらも感心・感動というキーワードが「瞠る」に通じますね。
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