この記事では「顔を立てる」について解説する。

端的に言えば顔を立てるの意味は「人の面目が保たれるようにする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元国語科教員ライターのminを呼んです。一緒に「顔を立てる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/min

高等学校の国語科教員として、授業や受験対策、小論文の講座を3年間経験。主に現代文を担当し、言葉に関する指導を幅広く経験してきた。現在はWebライターとして活動中。

「顔を立てる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「顔を立てる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「顔を立てる」の意味は?

「顔を立てる」には、次のような意味があります。

顔(かお)を立(た)・てる
面目が保たれるようにする。体面が傷つかないようにする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「顔を立てる」

「その人の面目が立つようにする」「名誉が保てるようにする」という意味の慣用句です。その人の「名誉」「評判」を大事にして行動することを指します。

「顔を立てる」の語源は?

次に「顔を立てる」の語源を確認しておきましょう。

「顔」という言葉には、「体裁」や「面目」という意味があり、「顔を立てる」の場合にはこの意味で用いられています。また、「立てる」は多義語ですが、「そこなわれないように保たせる」という意味まで持っているのです。

こうしてそれぞれの言葉の意味を辿ってみると、「顔を立てる」が「人の面目を保つ」という意味になっていることに納得できますね。

\次のページで「「顔を立てる」の使い方・例文」を解説!/

「顔を立てる」の使い方・例文

「顔を立てる」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

1.大人の世界では、いかに他人の顔を立てるかが重要だったりする。
2.先輩との関係を保つため、ここは顔を立てておこう。
3.誰かの顔を立てることばかり考えるのもなかなか大変だ。

「顔を立てる」という表現がよく用いられるシチュエーションといえば、目上の人との関係においてだと思います。「先輩の顔を立てる」「上司の顔を立てる」など、目上の人の面子を保つための行動に対してよく用いられる表現です。自分が考えた例文ながら、人間関係って大変だとつくづく思わされます…。

「顔を立てる」の類義語は?違いは?

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次に、「顔を立てる」の類義語を紹介していきます。

その1「顔が立つ」

「顔を立てる」が「人の面目を保つ」という意味であるのに対し、「顔が立つ」は「面目が立つ」「世間に対する対面が保たれる」という意味です。

何が違うの?というところですが、「顔を立てる」は人の面目を保つために行動するということに対し、「顔が立つ」は「面目が立つような行動をいつも行なっている状況」「世間に対する面目を保っている状況」を指すようなイメージを持つと使い分けられると思います。

例えば「新しいビジネスはこの業界で顔が立つ彼に協力を依頼しよう」といった形で用いることが可能です。素材は同じですが、ニュアンスが異なるので正しく使い分けができるようにしておきましょう。

\次のページで「その2「花を持たせる」」を解説!/

その2「花を持たせる」

「花を持たす」という言い方になる場合もありますが、こちらは「相手に名誉や栄光を譲る」という意味です。

「相手のために立場を優先させる」という意味では「顔を立てる」とほぼ同じ意味ですが、「花を持たせる」の場合は「面目」というだけでなく、「相手を主役にさせる」というニュアンスがあります。明確に相手に名誉や栄光を譲るというようなニュアンスです。主役に対して花束を渡すような場面はよくあると思いますが、そういった状況をイメージできるといいでしょう。

「顔を立てる」の対義語は?

次に、「顔を立てる」の対義語について解説していきます。同じ慣用句に対義語にあたる表現が存在していますよ。

その1「顔に泥を塗る」

文字通り「相手の面目を失わせる」「恥をかかせる」という意味を持つ慣用句です。実際に泥を塗るわけではないですが、比喩を使った面白い表現ですよね。例えば同じ学校に通う兄弟がいたとすれば「弟が先生に怒られることで、兄の顔にも泥を塗ることになる」というような感じで使われます。

「顔を立てる」が「人の面目を立てる」という意味ですので、「顔に泥を塗る」は対義語にピッタリの表現となっているのです。

その2「顔をつぶす」

「顔に泥を塗る」の類義語で「面目を失わせる」「名誉を傷つける」という意味の慣用句になります。こちらも「顔を立てる」と同じように「顔」を「面目」と捉えてできた比喩表現ですね。

こちらは私の個人的な感覚になりますが、「顔をつぶす」は「顔に泥を塗る」よりも深刻な状況で使われる表現だと思います。「泥を塗る」よりも「つぶす」の方が取り返しがつきませんよね。実際にはそこまで厳密な使い分けはされていませんが、そうしたニュアンスの違いを意識しておくといいでしょう。

「顔を立てる」の英訳は?

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最後に、「顔を立てる」の英語表現について見ていきましょう。

顔を立てるは英語で「not to embarrass 〜」

「顔を立てる」は慣用句ですので、そのまま訳すのではなく、具体的な意味である「面目を保つ」を英訳しやすい日本語に変換してから英訳する必要があります。

「面目」「名誉」という言葉を持ってくると難しくなってしまうので「恥をかかせないようにする」という言い回しから英訳してみましょう。「恥をかかせる」は「embarrass」という動詞をそのまま使うことができます。そこに「〜しないようにする」という意味を足すために「not to」をつけるだけでOKですね。

ちなみに「not to embarrass」以外にも、「〜しないようにする」という言い方になる表現はいくつか存在します。例えば「so as that S V」という構文を使うこともできますね。英作文を練習されている方は、他にどんな言い回しがあるかをぜひ考えてみると練習になるでしょう。

最後に例文を用意していますので、ぜひチェックしてみてください。

\次のページで「「顔を立てる」を使いこなそう」を解説!/

I kept it secret not to embarrass him.
彼の顔を立て(彼に恥をかかせないように)、秘密を黙っておくことにした。


She didn't say the truth so that she would not embarrass him.
彼の顔を立てるために(彼に恥を欠かせたくなかったから)、彼女は本当のことを言わなかった。

「顔を立てる」を使いこなそう

この記事では「顔を立てる」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「顔を立てる」「顔が立つ」「顔に泥を塗る」というように、「顔」を人の体裁や面目に喩えた慣用句は多く存在します。仮に「顔」を使った知らない表現に出会ったとしても、こうした知識がヒントになることもあるかもしれません。1語調べるだけで他の言葉にも応用できる知識は多く身につきますので、言葉の意味をじっくり調べる習慣をつけることをぜひおすすめしたいです。

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国語言葉の意味

【慣用句】「顔を立てる」の意味や使い方は?例文や類語を元国語科教員ライターがわかりやすく解説!

この記事では「顔を立てる」について解説する。

端的に言えば顔を立てるの意味は「人の面目が保たれるようにする」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

元国語科教員ライターのminを呼んです。一緒に「顔を立てる」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/min

高等学校の国語科教員として、授業や受験対策、小論文の講座を3年間経験。主に現代文を担当し、言葉に関する指導を幅広く経験してきた。現在はWebライターとして活動中。

「顔を立てる」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「顔を立てる」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「顔を立てる」の意味は?

「顔を立てる」には、次のような意味があります。

顔(かお)を立(た)・てる
面目が保たれるようにする。体面が傷つかないようにする。

出典:デジタル大辞泉(小学館)「顔を立てる」

「その人の面目が立つようにする」「名誉が保てるようにする」という意味の慣用句です。その人の「名誉」「評判」を大事にして行動することを指します。

「顔を立てる」の語源は?

次に「顔を立てる」の語源を確認しておきましょう。

「顔」という言葉には、「体裁」や「面目」という意味があり、「顔を立てる」の場合にはこの意味で用いられています。また、「立てる」は多義語ですが、「そこなわれないように保たせる」という意味まで持っているのです。

こうしてそれぞれの言葉の意味を辿ってみると、「顔を立てる」が「人の面目を保つ」という意味になっていることに納得できますね。

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