この記事では「火を付ける」について解説する。

端的に言えば火を付けるは「点火する」という意味ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「火を付ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/柊 雅子

イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊 雅子。「私の闘争心は火が付きやすい」という彼女が「火を付ける」について解説する。

「火を付ける」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「火を付ける」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「火を付ける」の意味は?

「火を付ける」には、次のような意味があります。

1.点火する。

2.放火する。

3.騒ぎや事件のきっかけをつくる。また、刺激して感情を高ぶらせる。

 

出典:デジタル大辞泉(小学館)「火を付ける」

最近、自分の目で本物の火を見たことがありますか?

昔、火はとても身近でとても大切なものでした。かまどでご飯を炊き、薪でお風呂を沸かし、赤々とした炭を入れた火鉢で暖を取り…火がなければ生活することができなかったと言えます。

最近はどうでしょう。IHで炊飯や調理を行う家庭が増え、お風呂を沸かすのも電気やガス、暖を取るのはエアコン、床暖房…かろうじて火を目にするのはガスコンロぐらいでしょう。オール電化ではガスコンロもありません。

今の私たちの日常生活では「火を付ける」機会はあまりありませんね。しかし「火を付ける」という言葉はよく用いられます「火を付ける」という行為そのものを表す場合や放火を表す場合に用いられる慣用句「火を付ける」。この言葉は他にも「闘争心に火が付く」というように感情を高ぶらせるきっかけが与えられた場合にも用いられます。

「火を付ける」の使い方・例文

「火を付ける」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「火を付ける」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.中学校の理科の授業で炎症反応について学ぶ。実験するためにはアルコールランプに火を付けなればならないが、マッチを使ったことがある生徒は殆どいなかった。

2.「火の見櫓の段」が有名な浄瑠璃「伊達娘恋緋鹿子」(だてむすめこいのひかのこ)は八百屋の娘お七が恋しい人にあうために町に火を付けたという実話を下地にして描かれている。

3.電話から聞こえる母親の声はその幼児の里心に火を付けた

例文1:今日、殆どの人が何かに点火する際に利用するのは着火ライターでしょう。我が家の息子たちもマッチと缶切は使えるかどうか疑問です。そう言う私も缶切とマッチはもう何年間も使ったことがありません。

例文2:ここでの「火を付けた」は放火のことです。この人形浄瑠璃の舞台を観たのは大学生の時。白い雪が舞う夜の闇の中、お七の緋色の着物が美しく、火の見櫓に登るお七の姿が本当に命をもった人形に見え、人形浄瑠璃のファンになりました。人形浄瑠璃は大まかなストーリーがわかれば楽しめるもの。舞台装置や人形たちの衣装を観るだけでも楽しいので、機会があれば是非観て下さい。

例文3:「里心」とは家を離れている人が家や故郷を恋しく思うこと。ある日、一歳になった長男を実家に預けて外出しました。夕方「もう直ぐ迎えに行くからね」と電話をすると、その声を聞いた長男がとても辛そうに受話器の向こうで泣き出したのです。私の声を聞いて、急に恋しくなったのでしょう。受話器の向こうから聞こえた私の声が私を思い出すきっかけになってしまったということですね。

「火を付ける」の類義語は?違いは?

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それでは「火を付ける」の類義語をみていきましょう。

「挑発」

「挑発」とは相手を刺激して、何かをするように仕向けること

兄弟喧嘩のきっかけになるものは色々とありますが、その一つが挑発です。相手が怒るとわかっているのに言わなくてもいいことをわざと言い、喧嘩が始まります。「火を付ける」の「きっかけを作る」と同じ意味合いですね。

「火を付ける」の対義語は?

続いて対義語です。

\次のページで「「なだめる」」を解説!/

「なだめる」

「なだめる」とは「相手の怒りを和らげること」「大事にならないように取り持つこと」

我が家の長男が反抗期を迎えている時、彼と夫との口論は日常茶飯事。そんな中で頃合いを見計らいながら、双方をなだめるのが私の役目でした。逆に私たち夫婦が喧嘩した時になだめてくれたのは子供たち。よくなだめてもらいましたよ。

「火を付ける」の英訳は?

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「火を付ける」は英語でどのように表されるのでしょうか。

英文1.  She set the house on fire to extinguish her past.

過去を消し去るために、彼女は家に火を付けた

英文2.  "Midwinter fireworks are good," she lit the fireworks in the snow.

「真冬の花火も良いものよ」と言って、彼女は雪の中で花火に火を付けた

英文3.  A spark was lit in his heart by the word that the man said.

その男が言った言葉で、彼の心に火が付いた

英文1「set the house on fire」「家に火を付けた」という意味。「放火する」という意味の「火を付ける」です。

英文2 「lit the fireworks」「花火に火を付けた」という意味で、ここでの「火を付ける」は「点火する」という意味の「火を付ける」ですね。

英文3の直訳は「男が言った言葉で彼の心に火花が灯された」。「a spark is lit in his heart」(彼の心に火花が灯された)ということは「彼の心に火が付いた」ということ。その男の言葉が彼の心を刺激したということを表しています。

「火を付ける」を使いこなそう

この記事では「火を付ける」の意味・使い方・類語などを説明しました。

「火を付ける」には「点火する」「きっかけをつくる」等の意味があり、類義語は「挑発」、対義語は「なだめる」、英語では意味によって異なる表現がされ、例えば「花火に火を付ける」は「lit the fireworks」と表されることがわかりましたね。

火を付けて、その火が大きく燃え上がるまでには時間がかかります。心に何か火が付いた時、「その火は燃え上がらせて良いものかどうか」をその間に考えましょう。もし、消した方が良い火であったなら自分で消す努力をするべきですね。

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国語言葉の意味

【慣用句】「火を付ける」の意味や使い方は?例文や類語をWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「火を付ける」について解説する。

端的に言えば火を付けるは「点火する」という意味ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

情報誌系のライターを10年経験した柊 雅子を呼んです。一緒に「火を付ける」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/柊 雅子

イベントの司会や雑誌の記事作成を仕事としてきたライター、柊 雅子。「私の闘争心は火が付きやすい」という彼女が「火を付ける」について解説する。

「火を付ける」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「火を付ける」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「火を付ける」の意味は?

「火を付ける」には、次のような意味があります。

1.点火する。

2.放火する。

3.騒ぎや事件のきっかけをつくる。また、刺激して感情を高ぶらせる。

 

出典:デジタル大辞泉(小学館)「火を付ける」

最近、自分の目で本物の火を見たことがありますか?

昔、火はとても身近でとても大切なものでした。かまどでご飯を炊き、薪でお風呂を沸かし、赤々とした炭を入れた火鉢で暖を取り…火がなければ生活することができなかったと言えます。

最近はどうでしょう。IHで炊飯や調理を行う家庭が増え、お風呂を沸かすのも電気やガス、暖を取るのはエアコン、床暖房…かろうじて火を目にするのはガスコンロぐらいでしょう。オール電化ではガスコンロもありません。

今の私たちの日常生活では「火を付ける」機会はあまりありませんね。しかし「火を付ける」という言葉はよく用いられます「火を付ける」という行為そのものを表す場合や放火を表す場合に用いられる慣用句「火を付ける」。この言葉は他にも「闘争心に火が付く」というように感情を高ぶらせるきっかけが与えられた場合にも用いられます。

「火を付ける」の使い方・例文

「火を付ける」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

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