この記事では「当たるも八卦当たらぬも八卦」について解説する。

端的に言えば当たるも八卦当たらぬも八卦の意味は「占いはあまり気にするな」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

自治体広報紙の編集を8年経験した弘毅を呼んです。一緒に「当たるも八卦当たらぬも八卦」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/八嶋弘毅

自治体広報紙の編集に8年携わった。正確な語句や慣用句の使い方が求められるので、正しい日本語の使い方には人一倍敏感。

「当たるも八卦当たらぬも八卦」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「当たるも八卦当たらぬも八卦」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「当たるも八卦当たらぬも八卦」の意味は?

「当たるも八卦当たらぬも八卦」には、次のような意味があります。

占いは当たることもあれば当たらないこともあるということ。

出典:明鏡国語辞典第三版(大修館書店)「当たるも八卦当たらぬも八卦」

占いは大きく分けて命術、卜(ぼく)術、相術の3種類があります。命術とは生年月日や時間をもとに、生来の運命や宿命を求めるものです。命術の種類には占星術をはじめとして四柱推命、算命学、紫微斗数(しびとすう)、数秘術などがあり、ホロスコープなどを使って運勢を占います。

卜術はカードやサイコロ、コインなどで物事の吉凶を占うものです。タロットカード、オラクルカード、トランプ、おみくじ、易などの種類があります。就職や転職など仕事関係で今後の選択に迷ったときに方向性を決める場合に使われる占いです。

相術は人相や手相、家の間取りなどからその人の吉凶や運命を占います。占いに従って家具の配置を変えたり、髪型やメイクを変えた結果運気が上がる場合もあるそうです。

いずれにしても百発百中当たるようなことはありませんから、人生を送るうえでのヒント程度に使ったほうがいいでしょう。

「当たるも八卦当たらぬも八卦」の語源は?

次に「当たるも八卦当たらぬも八卦」の語源を確認しておきましょう。「当たるも八卦当たらぬも八卦」ということわざに使われている「八卦」の読み方は「はっけ」または「はっか」です。一般的には「はっけ」と読まれるほうが多いでしょう。「八卦」は古代中国から伝わる易の8つの図で、韓国の国旗の四辺にあしらわれている棒のようなもののことです。これを組み合わせて運勢を占うことが「当たるも八卦当たらぬも八卦」の由来となっています。

八卦は宇宙の陰陽を表しており、占いの基本といえるでしょう。私たちが易者というと街角で筮竹(ぜいちく)を使って運勢を占う人を思い浮かべますが、筮竹だけで結果を見るのは難しく、その場合は八卦の漢字が書かれた算木を併せて使用する方法が一般的です。

\次のページで「「当たるも八卦当たらぬも八卦」の使い方・例文」を解説!/

「当たるも八卦当たらぬも八卦」の使い方・例文

「当たるも八卦当たらぬも八卦」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、例えば以下のように用いられます。

1.当たるも八卦当たらぬも八卦だよ。占いが当たらなかったからってみんなに八つ当たりするのは筋違いだ。
2.当たるも八卦当たらぬも八卦って言うだろ。夢を現実にしようと思うのなら、占いばかりに頼らずに、まずは先生の授業をよく聞いて、一生懸命勉強することが一番だ。
3.不動産の買取や売却取引をしようとするなら、関連サイトをよく見て考えたほうがいいよ。占いのような当たるも八卦当たらぬも八卦の運任せではなにも解決しない。

近年インターネットが普及して、占いサイトが人気を呼んでいるようです。深い目的があるわけではなく、軽い気持ちで占ってもらい結果がいいものなら安心できます。

しかし、いろいろなサイトを比較して占ってもらうとまったく逆の結果が表示されたりして、いったいなにを信じればいいのかわからなくなってしまうこともよくあるものです。やはり「当たるも八卦当たらぬも八卦」と思って、保険をかけるつもりで参考程度にとどめておいたほうがいいでしょう。

「当たるも八卦当たらぬも八卦」の類義語は?違いは?

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ここでは「当たるも八卦当たらぬも八卦」の類義語を見ていきましょう。

その1「合うも不思議合わぬも不思議」

「合うも不思議合わぬも不思議」も「当たるも八卦当たらぬも八卦」と同じく占いが由来となった言葉です。「合う」は「会う」でも「遭う」でもありません。つまり、予想が当たったという場合の「合う」です。

夢に見たことが現実になったときには正夢とか予知夢と言いますが、そのようなときにも使える言葉といえます。いずれにしても当たり外れは頻繁に起こることですから、それほど気にしないようにすることを教えたことわざと言えるでしょう。よく似た言葉に「当たるも不思議当たらぬも不思議」があります。

\次のページで「その2「吉と出るか凶と出るか」」を解説!/

その2「吉と出るか凶と出るか」

神社に行くとおみくじがあります。おみくじは大吉から大凶まで数種類に分類されており、参拝に行くとおみくじを引く人の姿が見かけられるものです。多くの神社では大凶をおみくじに入れることはありません。大凶を引き当てた人が不安になることを避けるための心配りなのでしょう。

このおみくじで吉が出るか凶が出るかは誰にもわかりません。そのように先々のことはわからないという意味をこの言葉は表現しているのです。高い確率で自分の予想が当たるような場合には、このような言葉は使いません。

その3「鬼が出るか蛇が出るか」

「鬼が出るか蛇が出るか」は占いとは関係ない言葉ですが、先のことはわからないという意味で「当たるも八卦当たらぬも八卦」の類義語と言えます。「鬼が出るか蛇が出るか」は、人形を操って芸をする傀儡子(かいらいし)の言葉が起源のようです。

傀儡子は平安時代から存在していたようで、彼らが箱に入った人形を取り出す際、観客に向かって「鬼が出るか蛇が出るか」と語りかけました。似たような言葉に「鬼が出るか仏が出るか」というのもあります。

「当たるも八卦当たらぬも八卦」の対義語は?

「当たるも八卦当たらぬも八卦」は占いは当たることもあれば外れることもあるという意味です。つまり、これからのことはわからないことを表しています。それと反対の言葉は将来が予測できるということになるでしょう。わざわざ別に項を立てて説明するまでもないので、ここでまとめて紹介します。

例えば「見通しがつく」「推測できる」などが思い浮かぶのではないでしょうか。ただ「当たるも八卦当たらぬも八卦」のようなリズム感を感じさせる言葉はありませんでした。

「当たるも八卦当たらぬも八卦」の英訳は?

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最後に「当たるも八卦当たらぬも八卦」の英訳を見ていきましょう。

「fortune telling be can be hit or miss」

「fortune telling」とは予言とか占いを意味する英語です。そして「hit or miss」「当たり外れ」と訳せばいいでしょう。つまり「fortune telling be can be hit or miss」「予言(占い)は当たることもあれば外れることもある」となり、「当たるも八卦当たらぬも八卦」によく似た英語訳になります。ちなみに英語で予言を意味する言葉には「prophecy」という言葉もありますから覚えておいてください。

\次のページで「「当たるも八卦当たらぬも八卦」を使いこなそう」を解説!/

「当たるも八卦当たらぬも八卦」を使いこなそう

この記事では「当たるも八卦当たらぬも八卦」の意味・使い方・類語などを説明しました。「当たるも八卦当たらぬも八卦」のことわざどおり、将来のことは誰にもわかりません。少しでもいい未来をつくるために私たちが協力していくことが必要ではないでしょうか。「当たるも八卦当たらぬも八卦」は、その大切さを教えてくれるような気がします。

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国語言葉の意味

【ことわざ】「当たるも八卦当たらぬも八卦」の意味や使い方は?例文や類語を元広報紙編集者がわかりやすく解説!

この記事では「当たるも八卦当たらぬも八卦」について解説する。

端的に言えば当たるも八卦当たらぬも八卦の意味は「占いはあまり気にするな」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

自治体広報紙の編集を8年経験した弘毅を呼んです。一緒に「当たるも八卦当たらぬも八卦」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/八嶋弘毅

自治体広報紙の編集に8年携わった。正確な語句や慣用句の使い方が求められるので、正しい日本語の使い方には人一倍敏感。

「当たるも八卦当たらぬも八卦」の意味や語源・使い方まとめ

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それでは早速「当たるも八卦当たらぬも八卦」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「当たるも八卦当たらぬも八卦」の意味は?

「当たるも八卦当たらぬも八卦」には、次のような意味があります。

占いは当たることもあれば当たらないこともあるということ。

出典:明鏡国語辞典第三版(大修館書店)「当たるも八卦当たらぬも八卦」

占いは大きく分けて命術、卜(ぼく)術、相術の3種類があります。命術とは生年月日や時間をもとに、生来の運命や宿命を求めるものです。命術の種類には占星術をはじめとして四柱推命、算命学、紫微斗数(しびとすう)、数秘術などがあり、ホロスコープなどを使って運勢を占います。

卜術はカードやサイコロ、コインなどで物事の吉凶を占うものです。タロットカード、オラクルカード、トランプ、おみくじ、易などの種類があります。就職や転職など仕事関係で今後の選択に迷ったときに方向性を決める場合に使われる占いです。

相術は人相や手相、家の間取りなどからその人の吉凶や運命を占います。占いに従って家具の配置を変えたり、髪型やメイクを変えた結果運気が上がる場合もあるそうです。

いずれにしても百発百中当たるようなことはありませんから、人生を送るうえでのヒント程度に使ったほうがいいでしょう。

「当たるも八卦当たらぬも八卦」の語源は?

次に「当たるも八卦当たらぬも八卦」の語源を確認しておきましょう。「当たるも八卦当たらぬも八卦」ということわざに使われている「八卦」の読み方は「はっけ」または「はっか」です。一般的には「はっけ」と読まれるほうが多いでしょう。「八卦」は古代中国から伝わる易の8つの図で、韓国の国旗の四辺にあしらわれている棒のようなもののことです。これを組み合わせて運勢を占うことが「当たるも八卦当たらぬも八卦」の由来となっています。

八卦は宇宙の陰陽を表しており、占いの基本といえるでしょう。私たちが易者というと街角で筮竹(ぜいちく)を使って運勢を占う人を思い浮かべますが、筮竹だけで結果を見るのは難しく、その場合は八卦の漢字が書かれた算木を併せて使用する方法が一般的です。

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