この記事では「遠巻き」について解説する。

端的に言えば遠巻きの意味は「距離を置いて」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「遠巻き」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「遠巻き」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説する。

「遠巻き」の意味や語源・使い方まとめ

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「遠巻き」という言葉を使うことはあるでしょうか?何か事故や事件があった時に「遠巻き」に見た、などという使い方をよくしますね。あまり関わりたくないというようなニュアンスが感じられますが、果たしてどういった意味なのでしょうか?今回は「遠巻き」という言葉について詳しく解説をしていきたいと思います。

それでは早速「遠巻き」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「遠巻き」の意味は?

「遠巻き」には、次のような意味があります。


1.近づくことなく、遠くのほうから取り巻くこと。


出典:デジタル大辞泉(小学館)「遠巻き」

「遠巻き」とは「とおまき」と読み、遠くのほうから取り巻く事を意味します。「取り巻く」とあるように、ただ眺めているだけではなく、「ぐるりと取り囲む」、そして「接近せずに少し離れた場所から」という細かな設定が含まれていますよ。事故現場などの、危険で安易に近づく事ができないような場所で用いるのにピッタリな言葉ですね。

「遠巻き」の使い方・例文

「遠巻き」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「遠巻き」の類義語は?違いは?」を解説!/

1.近所で火事があり、周囲の家の人も避難し、みんなで遠巻きに見ていた。
2.隣のプレハブ小屋から物音がしたが、女性しかいなかったので四方を確認し遠巻きに見ていた。
3.沖縄でハブ退治の現場に遭遇したので、遠巻きに見物していた。

3つの例文を挙げてみました。例文1の火事や事故の場合、まさに「遠巻き」に見るのが安全ですね。例文2と3のように危険な出来事の時も同じく、巻き込まれないように、またはかかわらないように「遠巻き」に見ている例ですね。「遠巻き」に見るという行為は、悪く言うと野次馬根性、という見方もできますよ。

今はドライブレコーダーなど、記録の技術もどんどん進化しています。火事や事故の現場では時に現場の写真提供を求められることもありますよ。現場で写メなどを撮っている人は不謹慎と思われがちですが、実は役に立つこともあるので、もし遭遇して安全な距離から撮影できるなら、協力するのも社会貢献に繋がりますよ。

「遠巻き」の類義語は?違いは?

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「遠巻き」の類義語や言い換え表現はどんな言葉なのでしょうか?

「遠目」

「遠目」とは「とおめ」と読み、言葉そのままの「遠くまでよく見える目」つまり遠視を表す他に、「遠くのほうまでよく見えること。または遠くから見た様子」を指す言葉ですよ。離れた距離から見るさまが「遠巻き」と同じですので類義語として適切ですね。

両者の違いは見る対象を囲んでいるか否か、ですので「遠目」の場合は、単独で使えますが「遠巻き」は複数人いないと使えない、という点です。

「遠巻き」の対義語は?

次に「遠巻き」の対義語を見ていきましょう。

\次のページで「「近寄る」」を解説!/

「近寄る」

興味があるものには思わず「近寄り」ますよね。「ちかよる」と読み、「近くによる・そばによる。近づく」の意。「接近せずに少し離れた所から」という意味の「遠巻き」とは、反対の意味になるので対義語としてふさわしいでしょう。

「遠巻き」の英訳は?

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最後は「遠巻き」の英語表現を見てみましょう。

その1「surround at a distance」

「遠巻き」という直接的な英単語はないので、表現出来るニュアンスを紹介しましょう。

「surround at a distance」という言い回しは、分解すると分かりやすいですよ。「sorround=取り巻く」、「distance=距離・離れた場所」ですので、2つを合わせて「遠巻き」に見るのニュアンスで用いられます。「ソーシャルディスタンス」が当たり前になった昨今、「ディスタンス」という言葉はここ1年ほどでかなり浸透したのではないでしょうか? 世界保健機関では誤解を招く恐れから「フィジカルディスタンス」を推奨していますが、接近することが難しくなった今、「surround at a distance」が日常になるでしょうから、是非この機会に覚えておきましょう。

その2「be a long way」

「be a long way」かけ離れる・ほど遠いなどの意味になります。他にも「(距離が)隔たる」の意味もあるので、「遠巻き」の英語表現として使えますよ。「隔てる」といえば「separate」と思いつく人も多いでしょう。間違いではありませんが「separate」には「仕切る・遮る」などの意味が強いので、「遠巻き」のように距離感を表現したいときは、「be a long way」のほうが伝わりやすいですよ。例文を挙げるのでご参照下さい。

※arrest=逮捕、molester=痴漢

「I was watching a fire surrounded it at a distance.」

(私は川が氾濫するのを遠巻きに見ていた。)

「We were looking at the arrest of the molester in a long way.

(私達は痴漢が逮捕されるのを遠巻きに見ていた。)

\次のページで「「遠巻き」を使いこなそう」を解説!/

「遠巻き」を使いこなそう

この記事では「遠巻き」の意味・使い方・類語などを説明しました。簡単に復習しましょう。「遠巻き」とは接近せずに少し離れた場所から、取り囲んで見ることでしたね。「見守る」という行為ととてもよく似ていますが、「遠巻き」には興味本位・野次馬根性のような意味合いも含まれていますよ。

興味本位というと聞こえはよくありませんが、危険な場面などでは距離を充分に取る必要がありますし、見届けるのも悪いことばかりではありませんよ。もし「遠巻き」に見るような場面に遭遇したときは、ただ見るだけでなくその場で何ができるのか、を考えると「見守り」の意味も出てきますし誰かの助けになるかもしれませんよ。この記事が参考になれば幸いです。

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国語言葉の意味

「遠巻き」の意味や使い方は?例文や類語を読書好きWebライターがわかりやすく解説!

この記事では「遠巻き」について解説する。

端的に言えば遠巻きの意味は「距離を置いて」ですが、もっと幅広い意味やニュアンスを理解すると、使いこなせるシーンが増えるぞ。

接客業で鍛えられた語学力を持つAYAを呼んです。一緒に「遠巻き」の意味や例文、類語などを見ていきます。

ライター/AYA

長年接客業で培った「正しい敬語」を武器に、新人教育の経験も豊富なライターAYAが「遠巻き」について読み方から使い方、よくある読み間違いも含めて、分かりやすく解説する。

「遠巻き」の意味や語源・使い方まとめ

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「遠巻き」という言葉を使うことはあるでしょうか?何か事故や事件があった時に「遠巻き」に見た、などという使い方をよくしますね。あまり関わりたくないというようなニュアンスが感じられますが、果たしてどういった意味なのでしょうか?今回は「遠巻き」という言葉について詳しく解説をしていきたいと思います。

それでは早速「遠巻き」の意味や語源・使い方を見ていきましょう。

「遠巻き」の意味は?

「遠巻き」には、次のような意味があります。


1.近づくことなく、遠くのほうから取り巻くこと。


出典:デジタル大辞泉(小学館)「遠巻き」

「遠巻き」とは「とおまき」と読み、遠くのほうから取り巻く事を意味します。「取り巻く」とあるように、ただ眺めているだけではなく、「ぐるりと取り囲む」、そして「接近せずに少し離れた場所から」という細かな設定が含まれていますよ。事故現場などの、危険で安易に近づく事ができないような場所で用いるのにピッタリな言葉ですね。

「遠巻き」の使い方・例文

「遠巻き」の使い方を例文を使って見ていきましょう。この言葉は、たとえば以下のように用いられます。

\次のページで「「遠巻き」の類義語は?違いは?」を解説!/

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