
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」
稲が成長し、実が重くなるごとに稲穂がしなりまるで頭を下げているように見える様子に「立場が上がったり、年齢を重ねるほどに謙虚である」態度を例えたことわざです。「笠に着る」が立場を利用して大きな態度を取ることですから反対ですね。素晴らしい人を讃えるときに使われるほか、座右の銘などに据えている人も多いようです。
「実るほど頭を垂れる稲穂かな」は他者の力ではなく、本人の地位や権力が高い場合にのみ使われます。
「wear the mantle of authority and misuse it」
「笠に着る」を英訳すると「wear the mantle of authority and misuse it」となります。直訳すると「権威のマントを着てそれを誤用する」です。日本では笠、欧米ではマントというのが面白いですね。「mantle」だけで既に「権威の象徴としての衣服」という意味合いを持っています。また、「You should stand on your own merits」(他人の威光を笠に着るな)という警句もありました。こちらは直訳すると「あなた自身の真価によって立つべきだ」となります。
「笠に着る」を使いこなそう
この記事では「笠に着る」の意味・使い方・類語などを説明しました。
「権威を盾にして大きな態度を取る」という意味の慣用句ですが、相手に施した恩恵に対してことさらに威張るといった状況にも使えることが分かりましたね。どちらであっても決していい評価を与えるときに使う表現ではありません。相手への批判的なニュアンスを持つ言葉なので、使う際には注意しましょう。また、「あの人は権力を笠に着ているわね」なんて言われないよう、謙虚を心掛けていきたいものですね。